8月31日・9月7日開催『土のひと風のひと』伊万里上映会で地域課題を考える
ベストカレンダー編集部
2025年7月29日 13:22
土のひと風のひと上映会
開催期間:8月31日〜9月7日

伊万里市における地域課題を考える映画上映会の開催
2025年7月29日、伊万里市にて映画『土のひと風のひと』の上映会が開催されることが発表されました。この上映会は、地元の課題を考えるきっかけとして、多くの方々の参加を期待しています。特に、中山間地域の課題を描いた本作は、佐賀県江北町を舞台にしており、過疎化や高齢化、耕作放棄地の増加など、伊万里市が抱える地域課題と重なるテーマが描かれています。
上映会は、以下の日程で2回開催されます。
- 1回目: 8月31日(日)10時~
- 2回目: 9月7日(日)13時~
場所は、1回目が黒川町コミュニティーセンター、2回目が伊万里市民図書館で行われ、いずれも入場は無料です。

映画『土のひと風のひと』の内容とテーマ
この映画は、過疎地域で生きる者たちと自分を探す者たちが交わる“自分地域活性化”青春群像劇です。廃校になった中山間地の小学校から物語が始まります。主人公は地域おこし協力隊として赴任してきた一人の女の子で、佐賀県江北町の中山間地を舞台にし、方言丸出しの親しみやすさを感じる作品となっています。
映画では、地元の人々と地域行政に携わるサポーターたちが巻き込まれ、中山間地の様々な問題が描かれています。現状を守ろうとする地元民と、課題を解決しようと行動する人々の立場や意見の違いから巻き起こる事件は、笑いと涙を交えながら展開されます。これにより、観客は身近な問題として捉えることができるでしょう。

微生物の視点から見た地域の現状
映画の上映会に先立ち、微生物オタクである土壌診断用バイオセンサー研究会(SDB研)の代表、橋本好弘氏が地域の現状についてコメントを寄せています。SDB研は、土壌中の微生物診断を行っている伊万里市の会社であり、微生物の菌数変動に関する知見を提供しています。
橋本氏は、微生物の菌数が減少する場合、未来には大きく分けて3つの道があると述べています。
- 菌数が減少から再度復活し、大きく増殖するパターン。
- 小さな増減を繰り返しながらも、低位安定した菌数を維持するパターン。
- 完全に消滅してしまうパターン。
現在の伊万里市、特に黒川町では、子供の数が減り、高齢者が増加するという人口減少の傾向が見受けられます。これは微生物の減少パターンと類似しており、将来の選択肢もまた3つのパターンに分かれるのではないかと考えられます。

地域の歴史と未来への思考
伊万里市には、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に連れてこられた「桜姫様」を祀った小さな祠があり、地域の歴史に思いを馳せることができます。このような歴史的な背景を持つ伊万里市では、多くの家や地域に語り継がれる話が存在します。
中山間地の問題は、平地で暮らす人々にも影響を与えています。棚田や畑の維持には手間がかかり、猪や猿による被害、排水路の詰まりなどが問題視されています。これらの問題が悪化すると、豪雨時の土砂災害や河川の氾濫、道路の封鎖などのリスクが高まります。
したがって、今こそ地域での暮らしを支える仕組みを見直す必要があります。映画を通じて、現在の状況を見つめ、未来を描くことが重要です。

上映会の意義と地域の未来
本イベントは、地域の課題を考えるための思考と対話の時間を提供する試みです。映画を観た後には、参加者同士で10年後の伊万里について考えるきっかけとなることを目指しています。
映画監督の山本氏は、「この映画に登場する地域や人々の姿は特別なものではないが、その“当たり前”を続けるためには何が必要かを考えるきっかけになれば」と述べています。未来は自然には変わらず、変えるのは今行動する私たち自身です。
イベント名 | 日時 | 場所 | 料金 |
---|---|---|---|
映画『土のひと風のひと』上映会 | 1回目: 8月31日(日)10時~ 2回目: 9月7日(日)13時~ | 1回目: 黒川町コミュニティーセンター 2回目: 伊万里市民図書館 | 無料 |
このように、映画『土のひと風のひと』の上映会は、地域の課題を考える重要な機会となることが期待されています。地域の人々が集まり、未来について語り合う場を提供することで、伊万里市の未来を共に考えるきっかけとなることを願っています。
参考リンク: