2025年7月24日シリア・アレッポ大学で日本の教育が平和をつなぐ

アレッポ大学初授業

開催日:7月24日

アレッポ大学初授業
なかよし学園って何をしてる団体なの?
なかよし学園は15年以上にわたりアジア・アフリカの紛争地域で教育支援と平和教育を行い、今回シリア・アレッポ大学での授業を通じて平和構築に貢献しています。
アレッポ大学での授業はどんな内容だったの?
日本の戦後復興事例や日本型教育の教材活用法、SDGsカルタやミニ四駆などを使い異文化交流を促進し、学生に希望と学びの力を届ける内容でした。

シリア・アレッポ大学での初授業が実現

2025年7月24日、特定非営利活動法人なかよし学園(代表:中村雄一、所在地:千葉県)は、シリアのアレッポ大学からの招待を受け、「世界とつながる学びプロジェクト」を日本語センターにて実施しました。この取り組みは、日本が戦後80年を迎える中で、戦後0年のシリアに「いま、できること」をテーマに、教育の力を通じて平和と復興をつなぐ試みです。

アレッポ大学で授業を行った中村雄一は、教育が持つ力を信じ、学生たちに希望を届けることを目的としています。この授業は、アレッポの復興に向けた希望の象徴とも言えるものです。

【シリア・アレッポ大学で初授業】日本と世界をつなぐ教育実践 画像 2

アレッポの歴史と教育の現状

アレッポはシリア北部に位置し、かつては中東有数の商業都市として栄えた歴史的な街です。しかし、2012年以降、アサド政権と反体制派勢力の間で激しい戦闘が続き、市街地の大半が瓦礫と化しました。空爆や地上戦により、多くの命が失われ、住民の生活基盤や教育インフラは壊滅的な打撃を受けました。

戦闘は2016年末に一定の終結を迎えましたが、アレッポ大学を含む教育機関は依然として設備不足や人材流出に苦しんでいます。国外からの支援も限られており、長年にわたり日本人講師の招聘が困難な状態が続いていました。このような状況の中、なかよし学園がアレッポ大学に招かれたことは、単なる教育交流を超えた「平和への一歩」として位置づけられています。

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なかよし学園の平和構築への貢献

なかよし学園は、アジア・アフリカの紛争地域で15年以上にわたり、教育を通じた平和支援を行ってきた団体です。今回、アレッポ大学で実施した授業は、以下の観点から平和構築に貢献しています。

  • 教育の継続と希望の再建:物資が乏しい中でも「身近なものを教材に変える」という日本型教育のアプローチを紹介し、「いまあるもので未来をつくる」という希望を学生たちに届けました。
  • 戦後日本の事例共有:焼け野原から高度経済成長を成し遂げた日本の歩みを伝えることで、復興の道を模索するシリアの若者たちに具体的な未来像を示しました。
  • 異文化交流による視野の拡大:SDGsカルタやミニ四駆、竹のけん玉といったユニークな教材を通じて、日本の高校生や小中学生との間に“学びの共通点”を発見し、国境を越えた相互理解の土壌を育みました。

本授業では、中村が日本の戦後復興の歩みと、教育によって国の再建がどのように進められてきたかを解説しました。なかよし学園は、経済産業省「探究・校務改革支援補助金」の事業採択を受け、全国の小中高校と連携したグローバル探究教育活動を支援しています。

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実施された具体的な授業内容

2025年7月8日から10日には、鹿児島県・三島村の竹島にて現地小中学生と共に同プロジェクトを実施しました。離島の子どもたちと世界が学びでつながる教育実践も、今回のシリア授業で紹介されました。具体的には、以下のような活動が行われました。

  1. 三島竹島学園の生徒たちが制作した「竹けん玉」を教材として紹介し、「資源の少ない日本が、アイデアと学びによって価値を創り出してきた」ことを実演しました。
  2. 茨城県守谷高校の生徒たちが制作した「SDGsカルタ」を活用し、シリアの学生と共に社会課題の解決について探究しました。
  3. ミニ四駆を使ったエンジニアリング授業や、山梨県都留市と連携した「平和ビンゴ」授業も展開され、学生たちの興味と関心を大いに引き出しました。

これらの活動を通じて、アレッポ大学の学生たちは、教育の持つ「希望をつなぐ力」を実感しました。

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中村雄一のコメントと今後の展望

なかよし学園代表の中村雄一は、アレッポの学生たちの情熱に感銘を受け、次のようにコメントしています。「アレッポの学生たちのまなざしは、とても力強く、どんな困難の中でも“学びたい”という情熱に満ちていました。彼らは、内戦の真っただ中にあった頃からSNSやオンラインを通じてつながり、日本語の授業を続けてきました。荒廃したアレッポ市街の中でも、彼らは決して学びをあきらめず、私に授業を再開してほしいとメッセージを送り続けてくれました。」

このような教育の力を信じ、なかよし学園は今後も日本と世界をつなぐグローバル探究学習を推進し、「平和は学びから生まれる」を信念に、教育を通じた国際協力と平和構築を続けていく方針です。

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団体概要と連絡先

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、教育支援、平和教育、社会起業支援を行う団体であり、活動地域は日本国内およびアジア・アフリカ10か国に及びます。公式サイトはこちらです。

本件に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。

  • 団体名:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
  • Email:nakayoshigakuen.office@gmail.com
  • 担当:中村里英
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まとめ

今回のシリア・アレッポ大学での授業は、教育を通じた平和構築の重要性を再認識させるものでした。アレッポの学生たちが持つ学びへの情熱と、なかよし学園の取り組みが結びつくことで、未来への希望が生まれることが期待されます。以下に、この記事で紹介した内容をまとめます。

内容 詳細
授業実施日 2025年7月24日
実施場所 シリア・アレッポ大学
主催団体 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
授業内容 日本型教育アプローチ、戦後日本の事例共有、異文化交流
今後の活動 日本と世界をつなぐグローバル探究学習の推進

教育の力を信じ、未来を見つめ続ける姿勢が、アレッポ大学の学生たちとともに、平和の実現に向けた一歩となることを願っています。

参考リンク: