2025年8月開催ヴェネツィア映画祭に講談社VR映画がノミネート
ベストカレンダー編集部
2025年7月25日 14:21
猫が見えたら映画祭ノミネート
開催期間:8月27日〜9月6日

講談社製作のVRアニメーション映画『猫が見えたら』が第82回ヴェネツィア国際映画祭にノミネート
株式会社講談社が製作したVRアニメーション映画『猫が見えたら』(英題:IF YOU SEE A CAT)が、2025年8月27日から9月6日に開催される第82回ヴェネツィア国際映画祭のVR部門コンペティション「VENICE IMMERSIVE」にノミネートされました。これは、講談社VRラボが企画・制作した作品としては2度目のノミネートとなります。前回のノミネート作品は『Thank you for sharing your world』で、2022年に同映画祭に出品されました。

作品の概要とテーマ
本作『猫が見えたら』は、国際的に評価の高いアニメーション作家・和田淳とVR映像プロデューサー石丸健二がタッグを組み、精神医療の課題や希望をVRの臨場感とインタラクティブ機能を駆使して表現した作品です。日本では、20人に1人が何らかの精神疾患で治療を受けていると言われており、精神医療の現場には多くの問題が存在しています。これらの問題は、精神疾患に苦しむ人々の回復を阻む要因となることがあります。
本作では、愛猫を亡くした少年がその猫の幻覚を見るようになり、「猫が見える」と診断されて強制的に入院させられるというストーリーが展開されます。VRの中でプレイヤーは、幻覚として見える「猫」の視点から少年が病院でどのような経験をするのかを見守ることができ、精神医療の問題や母子の関係性、そして少年にとっての救いをリアルに体感できる内容となっています。

あらすじと登場人物
物語の中心となるのは、愛猫を亡くした少年です。彼はその猫の幻覚を見るようになり、精神疾患と診断されてしまいます。以下に、作品の主要な登場人物を示します。
- なおき:佐藤聴成
- みどり:恒松あゆみ
- 医師・稲居:利根健太朗
- 看護師・高頭:竹内恵美子
- 看護師・三木田:駒田 航
少年の視点を通じて、精神医療の現場での経験や困難さが描かれ、観客はより深く物語に没入することができます。

監督とプロデューサーのコメント
本作の監督である和田淳は、精神疾患に苦しむ少年を描く際に、自身がその立場にないことを意識しながらも、常に「明日自分が同じ立場になるかもしれない」という思いを持って制作に臨んだと述べています。
プロデューサーの石丸健二は、映画のタイトル『猫が見えたら』について、「幻視の猫が見えたら何が悪いのか?」という少年のセリフから取ったことを明かし、この言葉には精神医療の問題や難しさが込められていると説明しています。彼は、この作品を通じて精神医療の課題について知るきっかけになればと願っています。

ヴェネツィア国際映画祭について
ヴェネツィア国際映画祭は、イタリアのヴェネツィアで毎年8月末から9月初旬に開催される国際映画祭であり、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の一つです。「VENICE IMMERSIVE」部門には、世界中から優れた作品が集まり、50以上のノミネート作品が展示されるため、XRクリエーターやスタジオにとって憧れの舞台となっています。
公式サイトでは、映画祭の詳細情報が公開されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
項目 | 詳細 |
---|---|
作品名 | 猫が見えたら(英題:IF YOU SEE A CAT) |
作品尺 | 約37分 |
ジャンル | VRアニメーション |
企画・制作 | 株式会社講談社VRラボ |
製作 | 株式会社講談社 |
完成予定 | 2025年8月予定 |
本記事では、講談社製作のVRアニメーション映画『猫が見えたら』の概要やテーマ、登場人物、監督やプロデューサーのコメント、さらにヴェネツィア国際映画祭について詳しく紹介しました。精神医療の問題をVRという新しい形で描いた本作が、どのように評価されるのか注目されます。