2025年8月10日開始、大阪・関西万博で次世代宇宙服VESTRA展示へ
ベストカレンダー編集部
2025年7月24日 13:07
VESTRA宇宙服展示
開催期間:8月10日〜8月17日

Amateras Space株式会社が大阪・関西万博で次世代宇宙服「VESTRA」を展示
Amateras Space株式会社は、宇宙服や環境制御・生命維持システム(ECLSS)の研究開発を行うスタートアップ企業です。本社は東京都千代田区にあり、代表取締役は蓮見大聖氏です。この度、2025年8月10日から17日の期間に開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、京都大学主催のイベントで次世代宇宙服「VESTRA(ヴェストラ)」のプロトタイプを展示することを発表しました。

展示の詳細とVESTRAの特徴
「VESTRA」は、日本の伝統工芸である西陣織と最先端の宇宙服技術であるメカニカル・カウンター・プレッシャー(MCP)を融合させた、日本発の新たな宇宙服です。このプロダクトは、文化的デザインと宇宙工学が交差し、「宇宙 × 文化(ファッション) × テクノロジー」をテーマにしています。展示を通じて、「人は宇宙でどのように生き、どのように自己を表現するのか」という根源的な問いに対する可能性と選択肢を提示します。

展示概要
- 作品名:VESTRA ー 星をまとう鎧、西陣の問い
- 展示期間:2025年8月10日(日)〜8月17日(日)
- 展示時間:各日10:00〜20:00(予定)
- 会場:2025年日本国際博覧会 大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン」デモキッチンエリア(8月10日―16日)、関西パビリオン京都ゾーンEXPO KYOTO超SDGsみらいラボ(8月17日のみ)
- 観覧方法:どなたでも自由にご観覧いただけます(予約不要)。ただし、関西パビリオン京都ゾーン(8月17日のみ)は別途ご予約が必要です。

VESTRAの技術的特徴
「VESTRA」は、宇宙という極限環境においても安全かつ快適に生きることを可能にする次世代宇宙服です。従来の宇宙服が抱えていた可動域の制限や着脱の複雑さといった課題を、MCP技術の採用によって抜本的に見直し、活動性、即応性、安全性を兼ね備えた革新的な構造を実現しています。この宇宙服は、単なる生命維持のための装備にとどまらず、人間の美意識や文化的アイデンティティを体現する「身体拡張」として再構築されています。

西陣織の採用
VESTRAの防護層には、日本の伝統工芸である西陣織が採用されています。西陣織は、京都市上京区の西陣地区を中心に生産される先染め絹織物であり、1976年には国の「伝統的工芸品」に指定されるほどの美と技術を誇ります。西陣織の最大の特徴は、多品種少量生産と高度な分業体制にあり、20〜30以上の工程が職人たちによって分担され、専門性を極めながら一つの織物が完成します。

西陣織の文化的意義
西陣織は、千年にわたり継承されてきた日本の美意識と哲学が織り込まれた布文化であり、素材としての機能性とともに、思想や感情を纏う「布の言語」としての側面も備えています。VESTRAでは、この西陣織の構造的ポテンシャルに着目し、極限環境下での使用を想定した宇宙服に応用しています。単なる装飾としてではなく、機能性と審美性を同時に満たす次世代宇宙服素材として、新たな領域を切り拓いています。

プロジェクトの背景と意義
Amateras Space株式会社の代表取締役、蓮見大聖氏は、宇宙産業が「宇宙村」と揶揄されるほど閉鎖的な構造を持っていることから、より多くの人々に開かれたものにしていく「宇宙の民主化」が必要だと考えています。「VESTRA」は、宇宙服というプロダクトを通じて、人々が宇宙に関心を抱くきっかけとなることを目指しています。また、日本の伝統工芸である西陣織を採用することで、文化と産業、そして宇宙という最先端分野が交差し、新たな価値とシナジーが生まれると確信しています。

宇宙服デザイナーの思い
宇宙服デザイナーの佐藤あずさ氏は、「人は何を身にまとうべきか」という問いを基にVESTRAを製作しました。命を守るだけでなく、「人間らしさ」や「文化」までも背負える服を作りたいと考えています。展示を通じて、西陣織と未来の服の融合が放つ問いかけを世界中の人々に感じてもらいたいと述べています。
今後の展望と研究開発の進捗
Amateras Spaceは、本展示「VESTRA」を起点に、実際に宇宙空間で着用可能な次世代宇宙服の研究開発を本格的に推進していく計画です。まずは、宇宙旅行や有人宇宙輸送を見据え、船内活動時に着用する与圧服(IVAスーツ)の開発から着手します。高い安全性と信頼性を備えた技術基盤の確立を目指し、最終的には船外用宇宙服の実用化に挑む意向です。
共同出展機関とスポンサー
本展示は、京都大学や岐阜医療科学大学と共同で行われ、以下の企業・団体の協力を得て実現しました。
- 共同研究機関:京都大学 SIC有人宇宙学研究センター、岐阜医療科学大学
- 公式ゴールドスポンサー:ラーニングエッジ株式会社、株式会社うちゅう、DMG森精機株式会社
- 公式シルバースポンサー:株式会社カーブスジャパン、株式会社桂川精螺製作所
- 製作協力:レインボー造型企画株式会社、タイヨウネクタイ株式会社(西陣織工業組合 no.485)
まとめ
Amateras Space株式会社が展示する次世代宇宙服「VESTRA」は、日本の伝統工芸である西陣織と最先端技術を融合させた革新的なプロダクトです。展示は2025年8月10日から17日まで、大阪・関西万博にて行われます。この展示を通じて、宇宙における人間の生き方や文化的表現の可能性を探求することが期待されています。
項目 | 詳細 |
---|---|
展示名 | VESTRA ー 星をまとう鎧、西陣の問い |
展示期間 | 2025年8月10日(日)〜8月17日(日) |
展示時間 | 各日10:00〜20:00(予定) |
会場 | 大阪ヘルスケアパビリオン「ミライの食と文化ゾーン」デモキッチンエリア |
観覧方法 | 自由観覧(予約不要) |
このように、VESTRAの展示は、宇宙と文化、技術の交差点に立つ重要な機会となります。今後の進展に注目が集まる中、Amateras Spaceは日本発の宇宙服技術の確立に向けて、さらなる挑戦を続けていくことが期待されます。