2025年6月クラウドファンディング最新動向:AIガジェットが多数登場し注目集める
ベストカレンダー編集部
2025年7月22日 10:12
2025年6月クラファン動向
開催期間:6月1日〜6月30日

クラウドファンディング最新動向2025年6月
2025年6月におけるクラウドファンディングの最新動向について、株式会社LEAGUEが運営するクラウドファンディング専門メディア「CF NEWS」が発表した分析レポートを基にご紹介します。本レポートでは、各プロジェクトのジャンル、支援総額、支援者数、リターンの特徴などのデータを集計・分析し、6月における人気ジャンルや資金調達状況、成功プロジェクトの傾向を明らかにしています。
調査は2025年6月1日から30日の期間に行われ、CF NEWSに取り上げられた全90件のクラウドファンディングプロジェクトを対象としています。以下に、調査結果のサマリーを示します。

調査結果サマリー
本レポートによると、プロジェクト件数が最も多いジャンルはガジェット系と美容・ファッション系であり、平均支援総額が高いのはガジェット系とゲーム系です。また、支援者数が高いのもガジェット系と社会貢献・地域支援系となっています。
- プロジェクト件数が多いジャンル:ガジェット系、美容・ファッション系
- 平均支援総額が高いジャンル:ガジェット系、ゲーム系
- 支援者数が高いジャンル:ガジェット系、社会貢献・地域支援系

ジャンル分析:AI×生活改善のガジェットが最多シェア
CF NEWSが分析した結果、2025年6月に紹介された全90件のプロジェクトの中で、ガジェット・家電系プロジェクトが約30%を占め、最多となりました。特にAIやIoTなどの先端技術を活用し、日常生活の質を向上させる製品が高い支持を集めています。
具体的には、翻訳や議事録作成に対応するTESS GIFT社のAIスマートマウスや、会議中にリアルタイムで文字起こしや要約を行うことができるviaim AIイヤホン&レコーダー、150種類の言語を瞬時に通訳するWeimaimai Technology社のイヤホンなどが挙げられます。これらの製品は「AI×生活改善」をテーマに、便利さと実用性を兼ね備えたガジェットとして注目を浴びています。

夏の快適性ニーズが後押し|睡眠・冷却グッズの成功
6月の特徴として、夏に向けた快適性を追求するプロダクトが大きな支援を集めました。特に、寝苦しい夜を解消するための冷感寝具プロジェクトが代表的な例です。例えば、独自素材で“2秒で寝落ち”すると評された冷感シーツ「ヒツジのいらないシーツ®」は支援総額3,362万円、支援者2,900人超を集めました。
同シリーズの「ヒツジのいらない枕カバー®」も約2,243万円、2,200人超の支援を獲得しています。さらに、電源不要で持ち運べるポータブル冷蔵庫「365FReeezDesign」は、2,700万円の調達に成功しました。これらのプロジェクトは、猛暑に向けたニーズの高まりを捉え、快適に過ごすためのソリューションとして支持を集めました。
エンターテインメント:熱心なファンが数千人規模の支援を動員
ゲームやアニメなどのエンターテインメント系プロジェクトでは、熱心なファンコミュニティがクラウドファンディングを盛り上げました。オンラインゲームの思い出を後世に残す「ミドガR」思い出アーカイブ化プロジェクトは、サービス終了を惜しむファンの支持により約5,700万円の資金を集め、支援者数2,300人超の大型プロジェクトとなりました。
また、人気ホラーゲーム原作の「『殺戮の天使』10周年記念 “真田まこと展”を本気で開催したい!」プロジェクトも約4,500万円、2,400人以上の支援を獲得しています。これらのケースでは「思い出を残したい」「作品世界を体験したい」というファンの強い想いが支援の原動力となり、エンタメ系クラウドファンディングの可能性を示しました。
地域・文化支援プロジェクトの台頭
社会貢献・地域支援系のプロジェクトも大きな注目を集めています。6月には、伝統産業や地域を支える試みが数多く登場し、多数の支援者を獲得しました。例えば、和歌山の梅農家を救う「【大凶作】歴史的ひょう被害。傷ついた梅を救済して、日本の梅を次世代に繋ぎたい。」プロジェクトでは、7,900人以上の支援者が集まり、約3,800万円の資金調達に成功しています。
また、日本産ワイン用ブドウの苗木生産を支援する「日本ワインの未来を救え!世界基準の「ワイン苗木」原木園を設立へ」プロジェクトも約3,200万円を集めるなど、地域密着型のプロジェクトが支援を拡大しています。これらは支援単価こそ高額ではないものの、多くの人々から少しずつ資金を募ることで目標を達成しており、クラウドファンディングが地域コミュニティや伝統文化の応援手段として定着しつつあることを示しています。
支援金と支援者数の分析
支援金額はプロジェクトにより大きく差があります。ジャンル別に総支援総額を比較すると、ガジェット系が平均約2.4億円と突出しており、次いでゲーム系、社会貢献・地域支援系が約1億円となっています。平均するとプロジェクト1件あたり約940万円ですが、中央値は約500万円台となっており、1,000万円以下の中規模プロジェクトが多数派です。
一方で、1,000万円を超える大型調達案件も複数見られ、上位プロジェクトが全体平均を押し上げています。この傾向は前回のプレスリリースと同様に、少数の大成功プロジェクトがある一方、概ねは数百万円規模に落ち着くという二極化が続いています。
リターン(支援特典)の特徴と傾向
調査したプロジェクトでは、魅力的なリターン設計が支援を集める重要なポイントとなっています。6月も多くのプロジェクトで共通して見られたリターンの傾向は以下のとおりです。
- 早期割引・限定特典:早期支援者向けの割引価格や限定特典が設定されているプロジェクトが多数見受けられます。
- 体験型・参加型リターン:体験イベントや参加型のリターンが用意されているプロジェクトもあり、支援者がプロジェクトに深く関わる仕組みが創出されています。
- ブランド・企業とのコラボ特典:他企業や有名ブランドとのコラボレーションによる限定リターンが注目されています。
- セット購入割引・まとめ買い:複数個セットでの割引販売が有効で、支援者のまとめ買い意欲を刺激しています。
2025年6月の傾向と今後の展望
2025年6月は、AIを取り入れた“生活改善型ガジェット”が主流化しつつあり、プロジェクトの実用性とデザイン性の両立が支持を集める傾向が強まりました。特に、家事・健康・快適性といった領域で利便性と魅力的なデザインを両立したプロダクトが今後も登場することが期待されています。
また、エンタメや地域支援といった分野では熱量の高いファンやコミュニティがクラウドファンディングを成功に導くケースが増えており、7月以降もイベントやコンテンツの節目に合わせたファン参加型プロジェクトが活発化すると予想されます。クラウドファンディングは単なる資金調達にとどまらず、共感と参加による新しいマーケティング手法として浸透してきており、企業・クリエイター側もこれを積極的に活用する動きが一層強まるでしょう。
まとめ
カテゴリ | 特徴 | 支援総額 | 支援者数 |
---|---|---|---|
ガジェット系 | 最多シェア、AI×生活改善が主流 | 約2.4億円 | 2.3万人超 |
ゲーム系 | 熱心なファンによる支援 | 約1億円 | 平均2,000人超 |
社会貢献・地域支援系 | 多様なプロジェクトが登場 | 約1億円 | 多数の支援者獲得 |
今後も、季節需要にマッチした商品やテクノロジーの進化を取り入れたプロジェクト、地域・文化を支える試みから目が離せません。クラウドファンディングの最新情報や成功事例について、さらに詳しく知りたい方は、クラファン専門メディア「CF NEWS」をご覧ください。業界の最新動向や注目プロジェクトについて、常に最新の情報を提供しています。
参考リンク: