7月17日開催 新潟県で津南醸造が吟醸造り技術を発表
ベストカレンダー編集部
2025年7月20日 21:44
吟醸造り発表会
開催日:7月17日

津南醸造、第30回新潟県酒造技術研究発表会にて「吟醸造り」を発表
2025年7月17日に新潟県長岡市のホテルニューオータニ長岡で開催された「第30回新潟県酒造技術研究発表会」において、津南醸造株式会社が「私の吟醸造り」というテーマで発表を行いました。この発表は、津南醸造の杜氏である滝沢昌哉が担当し、持続可能で高品質な吟醸造りの取り組みを紹介しました。
この発表会は新潟県酒造技術研究協議会が主催し、県内の酒蔵関係者を中心に約250名が参加しました。発表会では、きき酒会や研究発表、研修会が行われ、各蔵の最新技術や取り組みが共有される重要なイベントです。滝沢杜氏は自身の経験と技術をもとに、津南醸造における吟醸造りの考え方や実践内容を発表し、参加者から多くの質問が寄せられ活発な議論が展開されました。

発表内容の概要と理念
滝沢杜氏の発表「私の吟醸造り」では、津南醸造が掲げる「Brew For Future ~共生する未来を醸成する~」という理念に基づいた取り組みが紹介されました。具体的には、以下の3つの方針に沿った活動が強調されました。
- 資源循環(Circular Economy)
- 地域最適化(Local Optimization)
- 多様な価値への開放(Open to Diverse Values)
これらの方針は、持続可能な酒造りを実現するための基盤となっています。特に、製麹や酒母の管理においては、徹底した温度管理や酵素活性の最大化を図るための工夫がなされており、細部にわたる技術的な配慮が感じられます。

吟醸造りの具体的な取り組み
滝沢杜氏の発表では、吟醸造りにおける具体的な工程についても詳しく説明されました。以下はその主なポイントです。
- 製麹:「ひかみ吟醸用」の種麹を使用し、栗香を意識した枯らし気味の製麹操作を実施。手仕事による品温管理を徹底しています。
- 酒母:協会1801号酵母を使用し、酵素活性を最大限引き出すための温度・糖化管理を行いました。
- 醪管理:麹の酵素力価に応じたきめ細やかな調整を行い、理想とする酒質を追求しています。
- 上槽後の出品酒:衛生管理や低温貯蔵を徹底し、品質の向上に努めています。
これらの取り組みは、津南醸造が技術の研鑽だけでなく、工程ごとの意味を見直し、感覚的な判断の重要性を再認識した1年間の成果として位置づけられています。

津南醸造の概要
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町に本社を構える日本酒を生産する酒蔵です。豪雪地帯に位置し、標高2,000m級の山々から湧き出る天然水を仕込み水として活用しています。地元産の酒米「五百万石」や「魚沼産コシヒカリ」を用いた酒造りは、自然との共生と革新を融合させたスタイルを特徴とし、「Brew for Future~共生する未来を醸造する~」をブランドコンセプトに掲げています。
津南醸造は2025年に、醸造技術を競う「越後流酒造技術選手権大会」において、新潟県知事賞(第1位)を受賞しました。この受賞は、同社の技術力と品質の高さを証明するものであり、今後のさらなる発展が期待されます。

新潟県酒造技術研究発表会の概要
「第30回 新潟県酒造技術研究発表会」の詳細は以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | 第30回 新潟県酒造技術研究発表会 |
主催 | 新潟県酒造技術研究協議会 |
開催日 | 2025年7月17日(木) |
会場 | ホテルニューオータニ長岡(新潟県長岡市) |
参加者 | 約250名 |
この発表会は、新潟県内の酒造業界の技術向上を目指す重要な場であり、参加者同士の情報交換や技術の共有が行われています。

まとめ
津南醸造の「吟醸造り」に関する発表は、持続可能な酒造りの取り組みを具体的に示すものであり、業界内での重要な位置づけを持つイベントでの発表となりました。発表を通じて、津南醸造が掲げる理念や具体的な技術についての理解が深まり、今後の展望が期待されます。
以下に、今回の発表内容をまとめた表を示します。
項目 | 内容 |
---|---|
発表者 | 滝沢昌哉(津南醸造杜氏) |
テーマ | 私の吟醸造り |
理念 | Brew For Future ~共生する未来を醸成する~ |
主要方針 | 資源循環、地域最適化、多様な価値への開放 |
使用酵母 | 協会1801号酵母 |
使用米 | 五百万石、魚沼産コシヒカリ |
津南醸造は、今後も伝統技術を継承しつつ持続可能性を重視した酒造りを通じて、地域や社会に貢献していく姿勢を持ち続けることが期待されます。
参考リンク: