Sansanが7月16日GENIAC採択、新AI「Cello」で文書処理革新へ

GENIAC採択

開催日:7月16日

GENIAC採択
Sansanの新しいAIモデルって何がすごいの?
Sansanの新AIモデル「Cello」は、文書の文字だけでなく位置や構造も把握し、データ化の精度と速度を大幅に向上させる点が特徴です。
GENIACプロジェクトに採択されると何が変わるの?
GENIAC採択により、Sansanは資金支援を受けAI開発を加速。早期に新モデルを実装し、業務効率化や日本のDX推進に貢献します。

Sansan、生成AIの社会実装を加速する国家プロジェクト「GENIAC」に採択

2025年7月16日、Sansan株式会社は、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の第3期公募において、提案した事業「視覚接地した文書特化型視覚言語基盤モデルの構築」が助成対象として採択されたことを発表しました。このプロジェクトは、国内における生成AIの開発力強化を目的としています。

本事業では、名刺や請求書、契約書などの書類をAIで読み取り、データ化する技術をさらに進化させることを目指しています。具体的には、既にサービスに実装されている文書特化型生成AI「Viola」を発展させ、文字情報だけでなく、その位置や構造も把握できる新たなAIモデル「Cello」を開発します。この新しいモデルにより、文書データ化の処理速度と精度を大幅に向上させることが期待されています。

「GENIAC」採択の背景

Sansanは、名刺や請求書、契約書のデータ化を行うOCRシステムや生成AIを自社開発し、各プロダクトに実装しています。ビジネスシーンで活用する文書のデータ化には、限りなく100%に近い精度が求められ、創業以来、社内体制を強化し研究開発を続けてきました。

現在は文書画像からの情報抽出に特化した社内基盤モデル「Viola」を実装していますが、新たに開発中の視覚接地機能を備えたモデル「Cello」では、さまざまな文書からテキスト情報とその位置情報を同時に抽出することが可能になります。この機能により、既存のOCRシステムやデータ入力プロセスとのスムーズな統合が実現し、データ処理速度と信頼性の大幅な向上が見込まれています。

「Cello」の開発に向けた取り組み

今回のGENIACへの提案では、「Cello」の構築とプロダクトへの実装が、自社の事業へのインパクトだけでなく、日本全体の生成AIの社会実装およびDX化を進める大きな契機となると評価されました。Sansanは、2025年の年間テーマとして「AIファースト」を掲げ、全社でAI活用を推進しています。

今回の採択により、事前学習やファインチューニングモデルの作成にかかるサーバー費用の助成を受け、「Cello」の開発を加速させ、早期にプロダクトに実装することを目指します。また、開発におけるノウハウの共有や論文発表を通じて、国内の生成AI開発力の強化にも貢献していく方針です。

採択の概要

以下は、Sansanが提案した事業の概要です。

公募事業名 ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/競争力ある生成AI基盤モデルの開発(GENIAC)
当社提案名 視覚接地した文書特化型視覚言語基盤モデルの開発
提案概要 内製した生成AI「Viola」を活用した文書情報抽出において高い精度を有する実績を持つが、抽出結果に空間的情報が含まれないため、補正処理においては従来通りOCRやレイアウト分析等を併用する必要があった。「Cello」では、空間的情報(バウンディングボックス等)を出力する機能を付加することで、テキストの位置情報が明示され、既存システムとの連携が容易となる。

この提案が採択されたことにより、Sansanはデータ化工程の効率化、処理速度およびスケーラビリティの向上を期待しています。

Sansan株式会社の概要

Sansan株式会社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、働き方を変えるDXサービスを提供しています。主なサービスには、営業DXサービス「Sansan」、名刺アプリ「Eight」、経理DXサービス「Bill One」、AI契約データベース「Contract One」が含まれています。

以下は、Sansan株式会社の基本情報です。

  • 設立:2007年6月11日
  • 所在地:〒150-6228 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F
  • 資本金:72億30百万円(2025年5月31日時点)
  • 事業内容:働き方を変えるDXサービスの企画・開発・販売

Sansanのサービスは、ビジネスシーンにおいて重要な役割を果たしており、今後の発展が期待されています。

まとめ

Sansan株式会社は、経済産業省とNEDOが実施する「GENIAC」に採択され、生成AIの社会実装を進める重要な一歩を踏み出しました。新たに開発される「Cello」は、文書データ化の効率化と精度向上に寄与し、DX推進において大きな影響を与えることが期待されています。

以下に、今回の内容を整理した表を示します。

項目 詳細
プロジェクト名 GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)
提案内容 視覚接地した文書特化型視覚言語基盤モデルの構築
目指す成果 文書データ化の処理速度と精度の向上
採択の背景 日本全体の生成AIの社会実装及びDX化の促進

Sansanは、今後も生成AIの開発を進め、DXサービスの拡充に向けた取り組みを続けていくでしょう。