ロレアルとNIMSの共同研究が2028年まで延長、化粧品素材の革新を加速
ベストカレンダー編集部
2025年7月16日 11:52
共同研究延長発表
開催日:7月16日
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンとNIMSの共同研究延長について
日本ロレアル株式会社は2025年7月16日に、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究拠点「NIMS-L’ORÉALマテリアルイノベーションセンター」の活動を2028年まで延長することを発表しました。この発表は、化粧品素材の革新を目指し、両者の戦略的な連携をさらに強化することを目的としています。
「NIMS-L’ORÉALマテリアルイノベーションセンター」は2018年7月に設立されて以来、7年間にわたって革新的な化粧品用素材の開発に取り組んできました。研究領域はスマートポリマー、光学材料、紫外線防御素材、環境に配慮した生分解性ポリマーにまで広がり、これまでの成果を基にさらなるイノベーションを生み出すことを目指しています。
共同研究の成果と今後の展望
これまでの「NIMS-L’ORÉALマテリアルイノベーションセンター」の共同研究では、以下のような成果を上げています。
- 6件の特許出願
- 2報の国際的な科学専門誌への論文掲載
- 2つの国際学会での研究発表
また、センターは人材育成と交流の面でも貢献しており、2024年にはNIMSで学ぶ学生がロレアルを訪問し、化粧品開発の現場を体験する機会が設けられています。これにより、学生たちに実践的な経験を提供し、次世代の研究者を育成することも目指しています。
今後の共同研究では、以下の分野に重点を置いていく予定です。
- マテリアルズインフォマティクスを活用した新素材開発
- 環境に配慮したソフトマターや機能性無機粒子の研究
- バイオマテリアルの材料研究
- 素材の構造と機能の関係性を探求する先端材料解析
ロレアルは、日本の重要なパートナーであるNIMSと共に、持続可能な美の創造を実現するためのイノベーションを加速させ、未来のビューティーの創造に貢献することを目指しています。
ロレアルグループの概要
ロレアルは115年にわたり、美容・化粧品業界のリーダーとして、消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきました。企業のパーパスである「世界をつき動かす美の創造」は、社会や環境に対してもサステナブル、インクルーシブ、倫理的な形で貢献する姿勢を表現しています。
ロレアルグループは、37の国際ブランドを擁し、持続的発展と環境保護の取り組みである「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムを通じて、美の多様性を賛美し、最高水準の品質、有効性、安全性を提供しています。2024年のグループ売上高は434億8千万ユーロに達する見込みです。
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンの役割
日本におけるロレアルの研究開発は1983年に始まり、現在は日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンターとして、化粧品の戦略的なイノベーション拠点の役割を担っています。このセンターは、外資系化粧品企業の中でも最も歴史ある研究開発部門であり、200名以上の研究員が日本の文化や社会を理解しながら、様々なブランドの製品開発に取り組んでいます。
代表的なブランドには、ランコム、シュウ ウエムラ、キールズ、イヴ・サンローラン、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨーク、TAKAMIなどがあります。
まとめ
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンとNIMSとの共同研究の延長は、化粧品業界における革新をさらに推進する重要なステップです。以下に、今回のプレスリリースで紹介された主なポイントを整理しました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 共同研究の延長 | 2028年まで延長 |
| 設立年 | 2018年7月 |
| 研究領域 | スマートポリマー、光学材料、紫外線防御素材、生分解性ポリマー |
| 成果 | 6件の特許出願、2報の論文掲載、2つの国際学会での研究発表 |
| 今後の研究重点 | 新素材開発、環境配慮型材料、先端材料解析 |
このように、ロレアルとNIMSの連携は、化粧品業界における新たな可能性を切り開くものと期待されます。今後の研究成果がどのように化粧品開発に寄与するか注目されるところです。
参考リンク: