再春館製薬所が6月30日物流環境大賞奨励賞を受賞、環境負荷削減の物流改革
ベストカレンダー編集部
2025年7月9日 12:09
物流環境大賞奨励賞受賞
開催日:6月30日

再春館製薬所が「物流環境大賞 奨励賞」を受賞
株式会社再春館製薬所(本社:熊本県上益城郡益城町、代表取締役社長:西川正明)は、長年にわたる物流改革への取り組みが評価され、第26回「物流環境大賞」において「奨励賞」を受賞したことをお知らせします。この受賞は、2025年7月9日に発表され、授賞式は6月30日に行われました。
再春館製薬所は、佐川急便株式会社、西久大運輸倉庫株式会社、日本貨物鉄道株式会社との4社協業により実現したモーダルシフトの推進が受賞に大きく貢献したとされています。モーダルシフトとは、トラック輸送から鉄道や船舶などの大量輸送機関への転換を指し、持続可能な物流モデルの確立を目指す取り組みです。

取り組みの概要と背景
今回の取り組みは、荷主の環境に配慮した経営への取り組みや「2024年問題」への対応として、熊本工場から横浜地区へのモーダルシフトを実施するものです。具体的には、10トントラックの貨物を12フィート鉄道コンテナへモーダルシフトする際、通常は3個以上のコンテナが必要ですが、試験輸送を繰り返すことでコンテナ2個での輸送を可能としました。
このような取り組みは、長距離輸送の効率化や環境負荷の低減、災害時の代替ルート確保といった多岐にわたるメリットをもたらします。近年、物流業界はトラックドライバー不足や労働時間規制の強化、環境負荷の増大といった課題に直面しています。再春館製薬所は、これらの課題を解決しつつ高品質な製品を継続的に配送するために、持続可能な物流への転換が急務であると認識しました。
4社協業によるモーダルシフトの実現
本プロジェクトでは、各社がそれぞれの強みを活かし、密接に連携することで新たな物流モデルを構築しています。具体的な役割は以下の通りです:
- 再春館製薬所: 品質管理と物流戦略の立案、全体統括
- 佐川急便株式会社: 全国に広がる輸送ネットワークの活用と、4社間のコーディネート
- 日本貨物鉄道株式会社 (JR貨物): 鉄道輸送インフラの提供と、大量輸送技術
- 西久大運輸倉庫株式会社: 鉄道輸送と陸上輸送の橋渡し、柔軟な配送調整
これにより、各社の知見と経験を結集し、月に一度の推進協議会で実績と課題を共有しながら改善を重ねています。
成果と今後の方針
この取り組みの成果として、以下のような実績が上げられています:
- CO₂排出量削減: 従来のトラック輸送と比較し、年間78%のCO₂排出量削減を実現しました。
- 輸送品質の向上: 温度管理の精度向上や破損リスクの低減により、品質の安定化を達成しました。
- 物流コストの削減: 年間数百万円規模のコスト削減効果を見込んでいます。
今後は、この取り組みを継続し、さらなる改善活動を通じて、持続可能な物流モデルを全国へ展開していく計画です。
再春館製薬所の企業理念
再春館製薬所は、1932年に熊本で創業し、「痛散湯」や「ドモホルンリンクル」を主とした漢方理念に基づく医薬品・化粧品の製造・販売を行っています。「自然とつながり、人とつながる明日を」という理念のもと、選び抜いた植物の力を最大限に引き出し、「自然・人・社会の循環」を目指しています。
また、再春館製薬所は、創業100周年を迎える2032年に向けて「ポジティブエイジカンパニー宣言」を発表し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。
受賞に関するコメント
受賞者である薬彩工園の物流管理部門長、福永幸太郎氏は、「このたびの『物流環境大賞』における『奨励賞』という栄えある受賞を社員一同、大変光栄に思っております。今回の取り組みは私たち再春館製薬所単独では成し得なかったものであり、ご協力いただいた各社の皆さまと共に受賞できたことを心から嬉しく思います」とコメントしています。
物流業界における環境負荷の低減と持続可能な輸送体制の構築は、今後も重要な課題であり、再春館製薬所はパートナー企業と連携しながら、これらの目標に向けた取り組みを進化させていく意向です。
取り組み内容 | 成果 |
---|---|
モーダルシフトによる物流改革 | CO₂排出量を年間78%削減 |
温度管理の精度向上 | 輸送品質の安定化 |
物流コスト削減 | 年間数百万円規模のコスト削減効果 |
再春館製薬所の取り組みは、持続可能な物流モデルの実現に向けた重要な一歩であり、今後の展開にも注目が集まります。
参考リンク: