2025年6月開始 世界初のインド人ドライバー日本特定技能採用
ベストカレンダー編集部
2025年7月8日 06:06
インド人ドライバー採用
開催日:6月1日

世界初、日本企業がインド在住ドライバーを特定技能で採用
株式会社NAVIS Human Resource Private Limited(以下「NAVIS HR」)は、2025年6月にインド・オディシャ州在住のトラックドライバー2名が、日本の物流企業「マルイ運輸株式会社」に特定技能制度に基づいて正社員として正式採用されたことを発表しました。この採用は、海外在住のインド人が日本の運送現場にトラックドライバーとして初めて雇用された世界初の事例であり、日本の物流業界が直面する人材課題に対する画期的な解決モデルとして注目を集めています。
採用された2名は、オディシャ州政府とAshok Leylandが共同設立した国家認定のHMV(Heavy Motor Vehicle)教習機関で、高度な大型車両運転技能と安全教育を修了しています。さらに、NAVIS HRによる日本語・文化研修を受講し、現地で特定技能評価試験に合格しました。彼らは滞在歴が一度もない海外人材でありながら、日本語スキル、業務マナー、安全運転意識のすべてにおいて即戦力とされる水準に達しています。

オディシャ州の概要と特性
オディシャ州はインド東部に位置し、約4,100万人の人口を擁する主要産業州です。州都ブバネーシュワルはスマートシティ構想の中核として注目されており、教育水準と交通安全政策に優れたインフラ環境が整備されています。
また、オディシャ州では「Project SuVahak」により、4,488名の新規ドライバーと21,964名のリフレッシャー訓練修了者を育成し、事故ゼロの実現を掲げて交通安全教育と技術支援を国家レベルで推進しています。NAVIS HRは2024年7月に州政府スキル開発機関(OSDA)および商工運輸省と協力覚書(MoU)を締結し、日本へのドライバー130名送り出しプロジェクトを受託しました。

NAVIS HRの厳格な選抜・育成体制
NAVIS HRでは、「日本で働きたい」という想いだけでは選考されません。“日本社会で信頼される人材”を育成するために、以下のような多段階かつ多角的な選抜・教育体制を構築しています:
- 日本語習得力:独自のアセスメントにより、習得速度・発音・読解力などを評価。
- 人柄・誠実性:面接・行動観察・家族背景の確認を通じ、責任感と協調性を重視。
- 文化適応力:日本の報連相、時間感覚、礼儀やチームワークへの適応度を確認。
加えて、日本人講師による語学・文化教育、特定技能試験対策、生活・メンタル支援も提供し、“知っている”ではなく“信頼される”人材へと育成しています。
毎日7時間の日本語研修に真剣に取り組む生徒たちの姿は、彼らの集中力とコミュニケーション能力の高さを物語っています。クラスメートとは日本語で会話をしながら日本語習得を高めあう様子も見られます。

インド人ドライバーが日本に適している理由
インド人ドライバーが日本で活躍する理由として、以下のような特性が挙げられます:
- 右ハンドル文化:インドは日本と同じ左側通行・右ハンドルであり、運転感覚が共通しているため適応が早い。
- 英語力の高さ:英語が公用語の一つであり、業務指示や安全マニュアルの理解がスムーズ。
- 飲酒習慣の少なさ:宗教的・文化的背景から飲酒率が低く、飲酒運転リスクが極めて低い。
- 多様な道路経験:都市部・山岳地帯・農村部などでの運転経験が豊富で、判断力と応用力に優れている。
- 勤勉で責任感が強い:「家族を支えるために誠実に働く」という価値観が根付いており、時間厳守・安全運転が自然に身についている。

採用企業とNAVIS HRの概要
採用企業であるマルイ運輸株式会社は、鹿児島県出水市に本社を構え、1957年に設立されました。従業員数は約1,400名(グループ合計:約1,900名)で、全国有数の養鶏グループの物流部門を担う中核企業として、輸送品質・安全性・人材多様性において先進的な取り組みを推進しています。
NAVIS HRは2002年に創業し、クオリティーの高い日本語教育と国際人材育成に特化したインドの先進機関です。インド全土から人材を集め、厳しいスクリーニングを実施しており、州政府とのつながりが強く、8州と提携しています。介護職分野ではインドから日本への送り出し実績の約9割を占めるなど、IT・航空・物流など多分野に展開しています。

まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
採用企業 | マルイ運輸株式会社(鹿児島県出水市) |
採用日 | 2025年6月 |
採用人数 | 2名 |
特定技能制度 | 日本の物流企業における新たな雇用モデル |
研修機関 | HMV教習機関 |
研修内容 | 日本語・文化研修、安全運転教育 |
将来の展望 | 2024年7月に130名のドライバー送り出しプロジェクトを受託 |
今回の取り組みは、日本の物流業界における人材不足の問題に対する新たな解決策を提供するものであり、今後の展開が期待されます。特に、インド人ドライバーの採用は、彼らの特性を活かした新しい雇用モデルの確立に寄与することが見込まれています。
参考リンク: