7月4日開催!ブルゴーニュクリマ世界遺産10周年記念式典の全貌
ベストカレンダー編集部
2025年7月6日 05:41
世界遺産登録10周年式典
開催日:7月4日

ユネスコ世界遺産登録10周年記念式典の開催
2025年7月4日、ブルゴーニュの「クリマ(Climats du vignoble de Bourgogne)」がユネスコ世界遺産に登録されてから10周年を迎える記念式典が開催されました。この特別なイベントは、ピュリニー・モンラッシェに位置するドメーヌ・ルフレーヴ(Domaine Leflaive)の最新セラーで行われました。この木造セラーは、単なる醸造施設ではなく、自然との共生を意識した省エネ設計が施されており、ブルゴーニュらしい静謐さを湛えた空間として、伝統と未来の橋渡しをする象徴的な存在です。
式典には、ユネスコ関係者、地方政府、ワイン生産者、文化関係者などが一堂に会し、風土と継承、そして責任というテーマのもと、語り合いの場が設けられました。この場において、ドメーヌ・ルフレーヴの当主であるブリス・ド・ラ・モランディエール氏がスピーチを行い、クリマの重要性について語りました。

「クリマ」という言葉の深い意味
ブリス・ド・ラ・モランディエール氏は、「クリマ」という言葉がブルゴーニュにおいて特別な意味を持ち、今や人類共通の財産となっていると述べました。彼は、クリマを土地・歴史・人間の営みが織りなす文化的記憶と捉え、それを語り、受け継ぐことが造り手の責任であると強調しました。
「この登録は決して終着点ではありません。むしろそれは、一つの約束であり、継承の義務であり、私たちが担うべき責任なのです」と彼は語り、土地を守る者としての揺るぎない覚悟を示しました。彼の言葉は、クリマを祝うことが簡単である一方で、それを守り続ける意志と行動こそが真の価値を生むことを示唆しています。

家族の歴史とともにある使命
ブリス氏は、ドメーヌ・ルフレーヴが1717年から彼の家族によって受け継がれてきたことを紹介し、現在は4代目であることを語りました。300年以上にわたり、ルフレーヴ家はモンラッシェの偉大な区画を守り続けてきたことは、単にワインを造るという営みを超え、土地に仕えるという思想と哲学の積み重ねであると述べています。
彼はまた、この建物がエネルギー消費を極限まで抑えており、ドメーヌ・ルフレーヴの哲学に沿ったものであることを強調しました。彼の言葉は、ワイン造りがただの商業行為ではなく、文化的な責任を伴うものであることを示しています。

語り手としてのヴィニュロン
ブリス・ド・ラ・モランディエール氏は、「私たちはこの土地の造り手であり、語り手でもあります」と語り、それぞれのクリマが持つ固有の個性を表現することが重要であると述べました。ワインとは、ただの飲み物ではなく、土地の個性を翻訳した“表現”であり、文化のメッセージでもあると彼は考えています。
「私たちは造り手というより通訳者。土地の声を丁寧に聞き取り、ワインという形で伝える」と彼は続け、ワインを通じて土地のストーリーを語ることの重要性を強調しました。彼の言葉は、ワインがどのように文化的な価値を持つかを示すものであり、クリマの多様性を理解するための鍵となります。

今後の展望と結びに
10年という節目は、未来への一歩であるとブリス氏は語ります。「この10年は、ほんの始まりにすぎません。クリマたちが、これからも永遠に輝き続けますように!」という言葉には、未来への希望が込められています。
ドメーヌ・ルフレーヴのワイン造りは、味わいの追求にとどまらず、風土の記憶を未来へと繋ぐ“文化の営み”であり、世代を超えて語り継ぐ使命そのものであると彼は述べました。ブリス・ド・ラ・モランディエール氏は、静かに未来を見据える造り手として、その責任を果たし続けています。
項目 | 内容 |
---|---|
イベント名 | ユネスコ世界遺産登録10周年記念式典 |
開催日 | 2025年7月4日 |
場所 | ドメーヌ・ルフレーヴ(ピュリニー・モンラッシェ) |
主な参加者 | ユネスコ関係者、地方政府、文化関係者、ワイン生産者 |
ブリス・ド・ラ・モランディエールの役割 | スピーチを通じてクリマの重要性を語る |
ドメーヌ・ルフレーヴの歴史 | 1717年から家族によって受け継がれる |
この記事では、ドメーヌ・ルフレーヴとブリス・ド・ラ・モランディエール氏の言葉を通じて、ブルゴーニュの風土とその責任についての深い理解を提供しました。クリマという言葉が持つ文化的な意義や、ワイン造りにおける使命感は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。