2025年7月4日開催 ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産10周年記念式典

クリマ世界遺産10周年

開催日:7月4日

クリマ世界遺産10周年
ブルゴーニュのクリマって何がすごいの?
ブルゴーニュのクリマは、世界遺産に登録された歴史的なワイン畑群で、自然と人の営みが調和した独特のテロワールが評価されています。
今回の10周年記念式典ではどんなことがあったの?
記念式典では「クリマ憲章」の署名、ユネスコ幹部らの祝辞、著名ワイナリーのテイスティング、文化プログラム、花火など多彩な催しが行われました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年記念式典の開催

2025年7月4日、ブルゴーニュ地方の名門ワイナリー「ドメーヌ・ルフレーヴ(Domaine Leflaive)」にて、世界遺産「ブルゴーニュのクリマ」登録10周年記念式典が盛大に開催されました。この節目を祝うため、ワイン産地の首長やトップ・ドメーヌの当主、ユネスコ(UNESCO)の幹部、関係者、地域住民が一堂に会し、特別な一日となりました。

式典には、フランソワ・ルブサメン(領土整備・地方分権大臣)、オードレ・アズレ(ユネスコ事務局長)、ポール・ムリエール(ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ州知事)、フランソワ・ソヴァデ(前地方大臣)、ナタリー・クーンデルス(ディジョン市長)、アラン・スギュノー(ボーヌ市長)、ローレン・ドゥロネ(ブルゴーニュワイン生産者協会BIVB会長)、オベール・ド・ヴィレーヌ(クリマ協会名誉会長)、ジル・ド・ラルジエール(クリマ協会会長)など、多くの著名な出席者が名を連ねました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年──ドメーヌ・ルフレーヴで記念式典 画像 2

セレモニーの内容と「クリマ憲章」の署名

午後14時に、ドメーヌ・ルフレーヴのセラーを舞台に、「Le Pacte des Climats(クリマ憲章)」の公式署名式が執り行われました。会場は、地元ワイナリー関係者やクリマを支えてきた市民、自治体代表、ユネスコ関係者らで満席となり、厳かな雰囲気の中で式典が始まりました。

オベール・ド・ヴィレーヌ名誉会長は、クリマ登録に向けて10年以上を費やした関係者全員の尽力を称え、「これは生きた遺産です。私たちは自分たちだけでなく、次世代のためにも守り続けなければなりません。クリマは世代を超えて人と自然をつなぐ記憶そのものです」と強調しました。また、「私たちの責務は、謙虚さと敬意をもって、未来へと伝えていくことです」と述べました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年──ドメーヌ・ルフレーヴで記念式典 画像 3

ユネスコ事務局長の祝辞

続いて登壇したオードレ・アズレ ユネスコ事務局長は、「ブルゴーニュのクリマ登録は、人類の英知と自然の協働の証です。持続可能な価値創造は環境への敬意から生まれることを、ここブルゴーニュが世界に示しています。この偉業を成し遂げた皆様に心から敬意を表します」と祝辞を贈りました。

他にも、フランソワ・ルブサメン大臣、ポール・ムリエール県知事、フランソワ・ソヴァデ前大臣が登壇し、「クリマ」という歴史遺産の国際的価値や地域経済・観光振興における影響、教育・継承の重要性についてそれぞれ言及しました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年──ドメーヌ・ルフレーヴで記念式典 画像 4

地域の誇りと協働の重要性

ナタリー・クーンデルス ディジョン市長やアラン・スギュノー ボーヌ市長、ローレン・ドゥロネ BIVB会長からも、地域を超えて広がる協働の輪や、「クリマ」がもたらした誇りの共有が語られました。これにより、参加者は地域の絆を再確認し、今後の協力の重要性を再認識しました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年──ドメーヌ・ルフレーヴで記念式典 画像 5

文化とワインで彩る祝祭

記念式典はピュリニー・モンラッシェ村の名門「ドメーヌ・ルフレーヴ」で開催され、式典後のカクテル・レセプションでは同ドメーヌのワインが参列者に振る舞われました。また、一般公開イベントとして、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)をはじめ、村を代表する複数の著名ワイナリーが協力した特別テイスティングも実施され、多くの愛好家が各村のテロワールの個性を堪能しました。

会場では、ワイン畑のガイドウォークや地元アーティストによる音楽演奏、児童合唱団のパフォーマンスなど、参加者がクリマの文化的豊かさを体感できる多彩なプログラムが続きました。式典の余韻とともに、ブルゴーニュのクリマが育んだ偉大なワイン文化は、世代と国境を越えて祝福されました。

ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年──ドメーヌ・ルフレーヴで記念式典 画像 6

花火による祝賀

夕刻にはコート・ドールの丘を彩る花火が打ち上げられ、来場者たちはワイン片手に歓声を上げ、世界遺産としての誇りを新たにしました。これにより、式典は単なる記念行事にとどまらず、地域の文化と歴史を祝う重要なイベントとなりました。

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未来へのバトン──「守る」と「進化」を胸に

ユネスコ登録から10年、ブルゴーニュのクリマは「守る」だけでなく「進化」する象徴として、今や世界のワイン文化の指標となっています。今回の式典を通じて、地元自治体とワイン生産者、ユネスコ、そして一般市民が一体となって、次の世代への知恵と伝統の継承を改めて誓い合いました。

オベール・ド・ヴィレーヌ氏は、「クリマの精神は、世代を超えて受け継がれ、さらに未来へと進化していきます」と述べ、今後の展望を示しました。

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まとめ

項目 内容
イベント名 ブルゴーニュ「クリマ」世界遺産登録10周年記念式典
開催日 2025年7月4日
開催場所 ドメーヌ・ルフレーヴ(ピュリニー=モンラッシェ)
主な出席者 フランソワ・ルブサメン、オードレ・アズレ、ポール・ムリエール、ナタリー・クーンデルス、アラン・スギュノー、ローレン・ドゥロネ、オベール・ド・ヴィレーヌ、ジル・ド・ラルジエール
式典の内容 「クリマ憲章」の署名式、祝辞、文化的プログラム、花火

このように、ブルゴーニュ「クリマ」の10周年記念式典は、地域の文化と歴史を再確認し、未来への継承を誓った重要なイベントとなりました。ブルゴーニュのワイン文化は、今後も世代を超えて受け継がれていくことでしょう。