2025年8月稼働予定、名古屋にAmazon西日本最大物流拠点誕生
ベストカレンダー編集部
2025年7月1日 16:17
名古屋物流拠点新設
開催日:8月1日

Amazonと三菱地所、名古屋市に物流拠点を新設
2025年7月1日、アマゾンジャパン合同会社と三菱地所株式会社は、愛知県名古屋市に新たな物流拠点(フルフィルメントセンター:FC)を設立することを発表しました。この新拠点は、三菱地所が運営する「ロジクロス名古屋みなと」をAmazon専用に設計し、延床面積は約12万5千平方メートル、商品保管容量は約137万立方フィートとなり、西日本最大のFCとなる予定です。稼働開始は今年の8月を予定しています。
本拠点では、持続可能な施設運営を実現するために、地中熱空調システムや壁面設置の太陽光発電設備など、先進的な技術が導入されます。これにより、施設運営に伴う温室効果ガスの排出やエンボディドカーボンの削減が期待されています。

持続可能な技術の導入
新たな物流拠点では、地中熱ヒートポンプを利用した空調システムが導入されます。このシステムは、国内最大規模となる200本の地中熱交換器を使用し、地下100メートルから安定した熱エネルギーを取り出します。この技術により、冷房および暖房のエネルギー消費量が約30%削減される見込みです。これは、Amazon全体の物流拠点においても先進的な取り組みとされています。
また、建物の屋根部分には太陽光発電設備が設置され、建屋の壁面にも世界初の試みとして太陽光発電設備が導入されます。これにより、合計の発電設備容量は5.5メガワット(MW)となり、国内の物流施設において最大級の発電能力を持つことになります。さらに、2.9メガワット時(MWh)の蓄電池も併設され、雨天や夜間でもカーボンフリーエネルギーを活用することが可能です。

環境への配慮と地域社会との共生
新拠点は、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において最高評価基準である6つ星を取得しており、低炭素型コンクリートの採用や雨水利用による水使用量の削減にも取り組んでいます。具体的には、資材の調達から廃棄・リサイクルに至るまで、ライフサイクルで約30%の温室効果ガス削減が見込まれています。雨水は貯留槽に貯められ、お手洗いなどで利用されることで、従来のFCと比べて上水道の使用量を約40%削減することが期待されています。
さらに、地域社会への貢献として、本拠点は名古屋市より津波避難ビルに指定されており、津波発生時には地域住民が一時的に避難できる場所としても機能します。また、最寄り駅である荒子川公園駅からの歩行者用通路も一般開放され、地域住民に配慮した設計となっています。

働く機会の創出と安全な職場環境
この物流拠点では、職場の安全・衛生管理者、商品の品質管理者、設備の保全管理者など、さまざまな職種で数千の働く機会が創出されます。経験のない方でも活躍できる場が提供され、定期的なトレーニングやスキルアップの機会も設けられています。また、自然光を多く取り入れた設計やカフェテリア、マザーズルーム、バリアフリー対応のお手洗いなど、働く人々の心身の健康に配慮した環境が整えられています。
さらに、業務の効率化を図るために、ロボットを活用した商品棚の移動や自動梱包機の導入も行われ、働く人々の業務をサポートする仕組みが整っています。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | 愛知県名古屋市 |
施設名 | ロジクロス名古屋みなと |
延床面積 | 約12万5千平方メートル |
商品保管容量 | 約137万立方フィート |
稼働開始予定 | 2025年8月 |
太陽光発電設備容量 | 5.5メガワット(MW) |
蓄電池容量 | 2.9メガワット時(MWh) |
BELS評価 | 6つ星 |
このように、Amazonと三菱地所が協力して新たに設立する物流拠点は、持続可能な技術の導入や地域社会との共生を目指した設計がなされており、今後の展望が期待されます。物流業界における新たな取り組みとして、注目される施設となるでしょう。