6月17日開催 日本テトラパックが描く資源循環の未来とは

資源循環の未来イベント

開催日:6月17日

資源循環の未来イベント
日本テトラパックは万博でどんな資源循環の取り組みを紹介したの?
日本テトラパックは大阪・関西万博の北欧パビリオンで、資源循環促進をテーマにしたイベントを開催し、製紙業やリサイクル事業者と連携した循環型経済の推進策を紹介しました。
資源循環を進める上での課題って何があるの?
日本では自治体ごとに紙ごみの収集方法が異なり、リサイクルが進みにくい点や、行政の採算性や取り組みスピードの遅さが課題で、官民連携による解決が求められています。

日本テトラパック 万博で描く「資源循環の未来」

2025年6月17日、食品加工処理機器および紙容器の充填包装システムの大手サプライヤーである日本テトラパック株式会社は、大阪・関西万博の北欧パビリオンにて、資源循環促進をテーマにした特別イベント「資源循環の未来:共創が生み出す新たな価値と可能性」を開催しました。このイベントは、国内外の成功事例を踏まえ、業界リーダーとともに資源循環の促進について考える機会となりました。

当日は、製紙業や資源循環に関わる業界関係者約40名が招待され、欧州製紙連合会の事務局長ヨリ・リングマン氏、王子ホールディングス株式会社のリサイクル推進部長島谷啓二氏、テトラパックのサステナビリティ部門副社長キンガ・シェラゾンが講演しました。これに加えて、資源循環をリードする専門家によるパネルディスカッションも行われ、古紙の循環型経済をどのように推進するかに焦点を当て、課題を共有し、業界連携による解決策を議論しました。

日本テトラパック 万博で描く「資源循環の未来」 — 共創の力で循環型社会の実現へ 画像 2

オープニングメッセージ:産官学民の連携の可能性を探る

オープニングでは、日本テトラパックの代表取締役社長ニルス・ホウゴーが登壇し、「日本政府が掲げている2050年までのカーボンニュートラルの達成を実現するためには、焼却ではなく、脱炭素に資する一層の循環型経済の推進が必要」と述べました。

さらに、彼は「産官学民の幅広い連携が不可欠であり、欧州の先進事例や国内の展望を通じて共創の可能性を探っていきたい」と強調しました。このメッセージは、参加者にとって重要な指針となり、イベント全体のテーマを明確にするものでした。

日本テトラパック 万博で描く「資源循環の未来」 — 共創の力で循環型社会の実現へ 画像 3

資源循環における課題と共創の可能性

イベントの初めに、ヨリ・リングマン氏による基調講演が行われました。彼は、欧州における資源循環の推進事例を紹介し、業界団体「4evergreen」の活動やEU包装・包装廃棄物規則(PPWR)への対応、2030年までに紙繊維系包装の90%リサイクルを目指す動向について触れました。

リングマン氏は、循環性向上には素材メーカーである製紙業者からリサイクル事業者までの包括的な連携が不可欠であり、時にはお互いに譲歩をしながら全体システムの最適化を図ることが重要であると主張しました。

日本テトラパック 万博で描く「資源循環の未来」 — 共創の力で循環型社会の実現へ 画像 4

講演者の意見

  • キンガ・シェラゾン(テトラパック サステナビリティ部門 副社長): 世界の温室効果ガス排出量の約3分の1は食品産業が占めており、2050年までに70%の増加が予想されていると述べ、循環型経済への移行の重要性を訴えました。
  • 島谷啓二氏(王子ホールディングス株式会社​ グループオペレーション本部 リサイクル推進部長): 世界と日本の古紙回収率・利用率が横ばいの状況を打破すべく、すべての未利用古紙をリサイクル可能にする取り組みが重要であると述べました。

パネルディスカッション:多角的な視点で活発な議論を展開

イベント後半では、「官民連携を通した紙製容器包装の循環型社会の実現」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。製紙会社、リサイクル事業者、容器メーカー、自治体がそれぞれ異なる視点から、地域と産業が一体となって取り組むべき持続可能な資源循環の仕組みについて議論しました。

パネリストには、イクレイ日本 事務局長内田東吾氏、大本紙料株式会社 代表取締役大本知昭氏、王子ホールディングス株式会社の島谷啓二氏、日本テトラパックのサステナビリティディレクター大森悠子が登壇し、株式会社Sinc CEO田中信康氏がファシリテーターを務めました。

議論の内容

  1. 現状把握: 日本では紙ごみの多くが可燃ごみとして処理され、自治体ごとに収集方法が異なるためリサイクルが進みにくい状況にある。
  2. 課題: 自治体ごとの対応は細分化しており、行政の採算性や取り組みのスピード感に課題がある。
  3. 今後の展望: 地域ごとの事情をふまえた最適な資源循環モデルが必要であり、自治体と民間が互いの特性を理解し対話しながら進めることが大切。

クロージング:サステナブルな未来への行動

日本テトラパックのサステナビリティディレクター大森悠子は、今後も多様なステークホルダーと連携し、「協力、譲歩、そして最適化」が重要であるという認識を改めて強調しました。共創を通じて、さらなる資源循環の推進に取り組むと述べました。

北欧パビリオン内で提供されるボトルドウォーターは、ゴールドパック株式会社にて製造され、王子ホールディングス株式会社のアルミ付き紙容器の古紙を使用した再生段ボールに梱包され、出荷・輸送されています。また、北欧パビリオン内には紙容器の専用回収箱が設置され、回収された紙容器は、大阪・関西万博の「難再生古紙のリサイクル」協賛者であるコアレックス信栄株式会社にてリサイクルされます。

まとめ

今回のイベントでは、資源循環の未来について多くの意見やアイデアが交わされ、業界全体での連携の重要性が再確認されました。持続可能な未来のためには、資源を有効に活用し、廃棄物を減らし、再利用・循環させていくことが求められています。

項目 内容
イベント名 資源循環の未来:共創が生み出す新たな価値と可能性
開催日 2025年6月17日
場所 大阪・関西万博 北欧パビリオン
参加者数 約40名
主要登壇者 ヨリ・リングマン氏、島谷啓二氏、キンガ・シェラゾン

日本テトラパックは、今後も業界関係者やパートナーと連携し、資源の循環利用とその価値の最大化に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していく方針です。

参考リンク: