第43回向田邦子賞贈賞式で兵藤るり氏が受賞、祝福コメントも

第43回向田邦子賞贈賞式の開催

2025年6月24日、東京都内で行われた第43回向田邦子賞贈賞式では、優れた脚本作家に贈られるこの名誉ある賞が、兵藤るり氏に授与されました。この贈賞式は、株式会社東京ニュース通信社が主催し、向田邦子賞委員会が運営しています。受賞作は、2024年10月20日から12月22日まで放送予定のテレビ朝日制作の「マイダイアリー」です。

贈賞式では、兵藤るり氏が受賞の喜びを語り、岡田惠和選考委員による選考経過の説明や、大森美香選考委員からの賞状授与が行われました。また、株式会社東京ニュース通信社の代表取締役社長である奥山卓氏からは、本賞の特製万年筆と副賞の賞金が贈呈されました。

兵藤るり氏の受賞スピーチ

兵藤るり氏は、受賞スピーチの中で「向田邦子賞という栄誉のある賞を受賞できて、非常にうれしく思っております」と述べ、受賞の意義について語りました。彼女は、受賞の発表時に「この賞は、私の本を信じて最後まで見届けてくださった視聴者の方、最後まで丁寧に演じてくださった役者の方、スタッフの方のためにもらうのだ」と述べたことを振り返り、作品とのつながりの重要性についても触れました。

彼女は、脚本家としての道を歩む前に読んだ小説「阿修羅のごとく」に感銘を受け、向田邦子さんの名を冠した賞を受け取ることができたことに深い感慨を抱いていると語りました。また、坂元裕二氏とのゼミでの経験が彼女にとってかけがえのないものであったことも強調しました。これからもストイックに、丁寧に誠実に作品に向き合っていく決意を新たにし、次世代に向けたメッセージを発信していきたいと述べました。

「マイダイアリー」の出演者からの祝福コメント

贈賞式では、受賞作「マイダイアリー」に出演している俳優たちからの祝福の言葉も寄せられました。望月歩さんは、作品作りに参加できたことに感謝し、脚本を読んでいる時の感覚を「人生の日記を読み返しているような」と表現し、その中での幸せな時間を振り返りました。

また、清原果耶さんは「るりさんが大切に紡いだ数々の言葉」に感銘を受けたことを述べ、再び兵藤氏の作品に参加したいという意欲を示しました。さらに、佐野勇斗さんも「マイダイアリー」の脚本に強く惹かれ、作品の魅力を語り、兵藤氏のさらなる活躍を期待するとともに、再度の共演を願う気持ちを表明しました。

作品情報と兵藤るり氏のプロフィール

「マイダイアリー」は、2024年10月20日から12月22日までテレビ朝日で放送される予定です。音楽は小山絵里奈氏が担当し、企画・プロデュースは清水一幸氏、演出は穐山茉由、瑠東東一郎、髙橋浩、田口仁の各氏が行います。制作プロダクションは東映東京撮影所で、制作著作はABCテレビです。

出演者には、清原果耶、佐野勇斗、吉川愛、見上愛、望月歩、坪倉由幸、中村ゆり、勝村政信などが名を連ねています。兵藤るり氏は1996年12月29日生まれで、東京都出身です。お茶の水女子大学理学部数学科を中退し、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域に進学しました。2020年には「就活生日記」で脚本家デビューを果たし、以降も多くのテレビドラマに携わっています。

向田邦子賞について

向田邦子賞は、故・向田邦子さんの功績を称えるために1982年に制定されました。テレビドラマの脚本家として数々の名作を世に送り出してきた向田邦子さんの精神を受け継ぎ、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞です。選考は、歴代受賞者を含む選考委員によって行われ、前年度に放送されたテレビドラマを対象に選考が行われます。

選考委員には、大森寿美男氏、岡田惠和氏、大森美香氏、井上由美子氏、坂元裕二氏などが名を連ねており、厳正な審査のもと受賞作品が決定されます。

第43回向田邦子賞贈賞式では、兵藤るり氏の受賞を祝し、彼女の脚本に対する情熱や、作品に込められた思いが多くの人々に伝わる素晴らしい瞬間が生まれました。これからの彼女の活躍が期待される中、彼女の作品が多くの人々に感動を与え続けることを願っています。