2025年6月開催ゲーム業界プログラマー調査で将来性と課題を分析

ゲーム業界調査結果発表

開催期間:6月9日〜6月11日

ゲーム業界調査結果発表
ゲーム業界のプログラマーって将来性あるの?
調査によると約9割のゲーム業界プログラマー・エンジニアが現在の職種に将来性を感じています。技術進歩やユーザー増加がその理由です。
なぜゲーム業界のプログラマーは辞めてしまうことが多いの?
主な理由は長時間労働や厳しい納期、給与や待遇への不満、そして将来性に対する不安です。これらが人材流出の大きな要因となっています。

ゲーム業界のプログラマー・エンジニアに関する調査結果

株式会社Hiraku agentは、2025年6月9日から11日までの期間に、ゲーム業界で働くプログラマー・エンジニアを対象に「ゲーム業界のプログラマー・エンジニアのキャリア形成」に関する調査を実施しました。この調査は、PRIZMAによるインターネット調査で、1,018人の回答を基にしています。調査の目的は、ゲーム業界におけるプログラマー・エンジニアのキャリア形成や将来性に対する意識を探ることです。

【ゲーム業界のプログラマー・エンジニアに調査】9割以上が将来性を実感する一方、「長期労働」「納期」といったハードさによる離職も。 画像 2

将来性を感じるプログラマー・エンジニアの実態

調査の結果、ゲーム業界のプログラマー・エンジニアは、現在の職種に対して非常に高い将来性を感じていることが明らかになりました。具体的には、約9割が『とても感じている(42.3%)』または『ある程度感じている(46.9%)』と回答しています。

  • 将来性を感じる理由:
    • ゲーム開発のクオリティ要求の向上(30代/男性/静岡県)
    • 業界の発展性(40代/男性/長崎県)
    • ユーザー数の増加(40代/男性/千葉県)
  • 将来性を感じない理由:
    • 仕事量に対する給料の低さ(30代/女性/大阪府)
    • AI技術の発展による雇用の不安(40代/男性/大阪府)
    • 業界自体の衰退(50代/男性/東京都)

このように、将来性を感じるプログラマー・エンジニアが多い一方で、仕事の厳しさや報酬に対する不満も存在することが分かりました。

【ゲーム業界のプログラマー・エンジニアに調査】9割以上が将来性を実感する一方、「長期労働」「納期」といったハードさによる離職も。 画像 3

キャリア形成におけるロールモデルの存在

キャリア形成において、ロールモデルやメンターの存在は重要です。調査では、約9割のプログラマー・エンジニアが『社内にいる(58.6%)』または『社外にいる(33.4%)』と回答し、メンターやロールモデルが存在することが明らかになりました。これは、エンジニアとしての成長や指針が共有されている環境が整っていることを示しています。

また、ゲーム業界内での転職がキャリア形成に有効であると考えるプログラマー・エンジニアも多く、約9割が『とても有効だと思う(43.5%)』または『やや有効だと思う(49.1%)』と回答しました。このことから、業界内でのスキル拡張やキャリアアップが一般的であることが伺えます。

【ゲーム業界のプログラマー・エンジニアに調査】9割以上が将来性を実感する一方、「長期労働」「納期」といったハードさによる離職も。 画像 4

人材流出の要因と理想的な評価制度

しかしながら、ゲーム業界からの人材流出の要因として、最も多く挙げられたのは『長時間労働・ハードな納期(44.4%)』であり、次いで『キャリアの将来性への不安(41.3%)』や『給与・待遇の不満(38.7%)』が続きました。これらの要因は、プログラマー・エンジニアが業界を離れる理由として大きな影響を与えていることが分かります。

また、理想的なスキル評価制度について尋ねたところ、最も多くの回答が『キャリアパスに応じた評価軸が明確に示されている(43.8%)』というものでした。続いて『担当業務や成果が明確に可視化され、正当に評価される(40.8%)』や『チームへの貢献やコミュニケーションも評価に含まれる(34.2%)』といった意見があり、評価制度の透明性や妥当性が求められていることが分かります。

【ゲーム業界のプログラマー・エンジニアに調査】9割以上が将来性を実感する一方、「長期労働」「納期」といったハードさによる離職も。 画像 5

まとめと今後の展望

今回の調査を通じて、ゲーム業界におけるプログラマー・エンジニアのキャリア形成に関する意識と実態が明らかになりました。業務内容においては、ゲームクライアントやサーバー、ツール開発を中心に、グラフィックスやAIといった先端技術に携わる割合も高く、専門分化が進んでいることが示されています。

また、約9割のプログラマー・エンジニアが将来性を感じている一方で、仕事量と給料の不均衡やAI技術の進展による不安を抱えていることも事実です。さらに、転職がキャリアの成長に寄与するという意識が広がっている一方で、長時間労働や報酬面での不満が人材流出を引き起こしている現状があります。

理想的な評価制度の構築や働きやすい環境の整備が求められる中、業界全体の持続的な発展には、これらの課題解決が不可欠です。プログラマー・エンジニアが長期的に活躍できる環境を整えるためには、働き方や評価制度、学習機会の整備が重要であると言えるでしょう。

調査項目 結果
将来性を感じる割合 約9割
将来性を感じる理由 クオリティ要求の向上、業界の発展、ユーザー数の増加
人材流出の主な要因 長時間労働・ハードな納期、将来性への不安、給与・待遇の不満
理想的な評価制度の要素 評価軸の明確化、業務・成果の可視化、チーム貢献の評価

この調査結果は、ゲーム業界におけるプログラマー・エンジニアの現状を把握する上で重要な情報を提供しており、今後の業界発展のための指針となるでしょう。

参考リンク: