6月23日発表!肥前吉田焼の伝統と革新を支える新プロジェクト
ベストカレンダー編集部
2025年6月23日 10:15
肥前吉田焼再生挑戦
開催日:6月23日
肥前吉田焼の伝統と未来に向けた挑戦
佐賀県嬉野市の吉田地区は、400年の歴史を持つ肥前吉田焼の産地として知られています。近年、この地域では「よしださんち。」プロジェクトがスタートし、伝統工芸の再生に向けた新しい挑戦が行われています。2025年6月23日に発表されたこのプロジェクトの成果は、全国及び世界から多くの関係人口を呼び込み、地域の活性化に寄与しています。
プロジェクトの中心には、肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会があり、彼らは「若手の育成/増加」を重要な課題として掲げています。高齢化が進む中、伝統技術の継承が危ぶまれる中で、次世代に向けた取り組みが急務とされています。
プロジェクトの具体的な施策
2024年度におけるプロジェクトの進展は多岐にわたります。以下に、特に注目すべき6つの施策を紹介します。
1. 肥前吉田焼ギャラリーの開設
吉田地区に新たにオープンした「肥前吉田焼ギャラリー」は、若手クリエイターや海外アーティストとのコラボレーションを促進する場として設計されています。古民家をリノベーションしたこのギャラリーは、伝統と現代が融合したスペースで、作品の展示やワークショップが行われています。
ギャラリーの住所は、佐賀県嬉野市嬉野町大字吉田丁4006-2です。今後、若手作家の作品が増えれば、販売も開始される予定です。
2. 九州大学とのコラボレーション
九州大学芸術工学部との連携により、肥前吉田焼の可能性を探る共同研究が行われています。学生たちは、現地視察や中間発表を経て、最終プレゼンテーションを行い、窯元での新しい器の開発が決定しました。
具体的な作品の一例として、加藤愛さんと副千製陶所のコラボによる「嬉野浮立用磁器製横笛」が挙げられます。この作品は、2025年4月に行われる第121回有田国際陶磁展で受賞歴を持つなど、注目されています。
3. アーティスト in レジデンス
海外からのアーティストを招待し、作品制作を行う「アーティスト in レジデンス」プログラムも継続されています。トルコやオランダ、フィンランドからのアーティストが参加し、地域との交流を深めています。
このプログラムは、地域の伝統工芸と国際的なアートシーンを結びつける重要な役割を果たしています。
4. 磁器と3Dプリンティングのデザインコンペティション
肥前吉田焼と若手クリエイターの高橋鴻介氏が共同で開発した「Corcelain」は、3Dプリンタで出力したパーツを組み合わせてカスタマイズできる器です。この器を用いたデザインコンペティションが開催され、371点の応募がありました。
受賞作品には、「Corcelain Vase Kit」や「Hook a Tea」などがあり、世界中からのアイデアが集まりました。
5. 肥前吉田焼マーケティング部の立ち上げ
新たに設立された「肥前吉田焼マーケティング部」は、クリエイターやマーケッターが協力し合う場として機能しています。勉強会や自主的な課活動を通じて、地域の魅力を発信する取り組みが進められています。
現在、SNS課やスタイリング課が立ち上がり、SNSを通じての情報発信が強化されています。
6. 脱炭素を目指した磁器「うづら」の受賞
肥前吉田焼では、脱炭素や不良品率の低下を目指した陶土「晟土」の開発が進められています。この取り組みが評価され、第一回「SAGA DESIGN AWARD」でグランプリを受賞しました。
この製品は、焼成時の二酸化炭素排出量を40%削減し、強度も向上させることに成功しています。
まとめ
肥前吉田焼の次の100年に向けた「よしださんち。」プロジェクトは、伝統工芸の存続と発展に向けた多様な取り組みを進めています。これにより、地域の活性化や若手クリエイターの育成が期待されています。
以下に、プロジェクトの主要な施策をまとめました。
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 肥前吉田焼ギャラリーの開設 | 若手クリエイターやアーティストとのコラボ作品を展示 |
| 九州大学とのコラボレーション | 共同研究による新しい器の開発 |
| アーティスト in レジデンス | 海外アーティストによる作品制作 |
| デザインコンペティション | 3Dプリンティングを用いた器のカスタマイズ |
| 肥前吉田焼マーケティング部の設立 | 地域の魅力を発信する活動の強化 |
| 脱炭素磁器「うづら」の受賞 | 環境に配慮した製品の開発 |
このように、肥前吉田焼の未来に向けた取り組みは多岐にわたり、地域全体が一丸となって新しい時代を迎えようとしています。今後も、さらなる発展が期待されるでしょう。
参考リンク: