2025年6月16日開始予定、ドコモのCARTA HD公開買付けと業務提携の全貌
ベストカレンダー編集部
2025年6月16日 18:49
CARTA HD公開買付け
開催日:6月16日

株式会社CARTA HOLDINGSの公開買付け(TOB)に関する意見表明
2025年6月16日、株式会社CARTA HOLDINGS(東京都港区、代表取締役社長執行役員兼CEO:宇佐美 進典、東証プライム市場:証券コード3688、以下「CARTA HD」)は、取締役会を通じて、株式会社NTTドコモ(以下「ドコモ」)が提案する公開買付け(TOB)に対する意見を表明しました。この公開買付けは、CARTA HDの普通株式及び新株予約権に対して行われるものであり、CARTA HDは現時点において賛同の意見を表明し、株主及び新株予約権の所有者に対して応募を推奨することを決議しました。
さらに、CARTA HDはドコモ及びその親会社である株式会社電通グループ(以下「電通グループ」)との間で業務資本提携契約を締結することも決定しました。この公開買付けは、ドコモと電通グループがCARTA HDの全株式を取得し、同社の非公開化を目指す一連の取引の一環として実施されます。

データ活用の重要性と「Single ID Marketing」
AI時代の到来に伴い、企業のマーケティングにおいて生活者データなどの様々なデータの活用が重要視されています。しかし、多くの日本企業はマーケティングプロセスごとに異なるデータソースを使用しており、データが分断されているという課題を抱えています。
ドコモは、約1億のdポイントクラブ会員基盤を持ち、会員情報や行動・購買情報といった高価値データを保有しています。これらのデータをID単位で一元的に活用し、顧客分析から施策評価までを行う「Single ID Marketing」に取り組んでいます。
CARTA HDはデジタルマーケティング事業を主力としており、AIやテクノロジーを活用した広告配信や広告運用を行っています。今回の提携により、ドコモグループの生活者行動・購買データや加盟店ネットワーク、電通グループのマーケティングノウハウ、CARTA HDのデジタルマーケティング事業の実行力を組み合わせ、IDベースでの生活者データをシームレスに活用できるソリューションを実現することを目指します。
業務資本提携によるシナジーの実現
業務資本提携により、CARTA HDとドコモ、電通グループは以下のシナジーを実現することを目指しています:
- データを活用した総合的なマーケティング支援:AIやテクノロジーを活用したデジタルマーケティングの実行力と、電通グループの事業成長支援ノウハウを融合させ、約1億人の会員基盤に基づく「トータルマーケティングソリューション」を展開します。
- 販売チャネルの拡大:ドコモグループの加盟店ネットワークとCARTA HDの広告会社との商流を活用し、クライアント企業へのアプローチを多様化します。
- 機能統合による生産性向上:D2CとCARTA HDの機能を統合し、広告配信の精度やスピードを高め、マーケティング支援の質を向上させます。
これにより、データを活用したマーケティング支援が可能となり、各クライアント企業のマーケティング投資の効果を最大化し、企業価値の向上を図ることができます。
公開買付けの詳細と今後の見通し
公開買付けの具体的な詳細については、以下の通りです:
項目 | 詳細 |
---|---|
公開買付者 | 株式会社NTTドコモ |
買付けの期間 | 各国競争法上のクリアランス取得後に開始予定 |
買付けの価格 | 普通株式1株あたり2,100円 |
買付予定数 | 11,928,855株 |
株主構成 | 電通グループが53.13%、その他少数株主が46.87% |
公開買付け成立後、全ての株式が取得できなかった場合、ドコモは電通グループとともに株式併合の手続きを要請し、CARTA HDの株主をドコモ及び電通グループのみにする手続きを実施します。これにより、CARTA HDは上場廃止となり、ドコモの連結子会社となる見込みです。
以上の情報から、CARTA HDはドコモとの提携を通じて、デジタルマーケティングの新たな展開を目指していることがわかります。今後の動向に注目が集まります。
参考リンク: