2025年新入社員のキャリア志向が多様化、管理職・専門家志向減少傾向

新入社員意識調査2025

開催期間:3月25日〜4月24日

新入社員意識調査2025
新入社員ってどんな役割を将来担いたいと思ってるの?
2025年度入社の新入社員は、専門家志向が27.0%、管理職志向が25.2%、未定23.5%、キャリア志向なし23.3%と4つの志向がほぼ同率で分散しています。
新入社員はキャリア形成の支援に何を期待してるの?
新入社員の54.3%が上司に相談できる機会を望み、次にキャリアセミナーや勉強会の開催、上司以外の社員への相談機会を求めています。

新入社員意識調査2025の概要

2025年度入社の新入社員を対象にした「新入社員意識調査2025」が、ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所によって実施されました。この調査は、2025年3月25日から4月24日までの期間に行われ、合計3,933人の新入社員からの回答が集められました。調査の目的は、新入社員が将来のキャリアについてどのように考えているのか、また企業に対してどのような期待を持っているのかを把握することです。

調査結果は、近年の企業の人材戦略におけるキャリア自律の重要性を反映しており、働き方に対する価値観の多様化が進んでいることを示しています。この背景を踏まえ、調査結果の詳細を以下にまとめます。

【新入社員意識調査2025】将来会社で担いたい役割、12年で「管理職」「専門家」が徐々に減少、「なし」「今後決めたい」が増加傾向 画像 2

調査結果の詳細

調査結果は以下の5つの主要なポイントにまとめられます。

  1. 担いたい役割とその変化

将来会社で担いたい役割に関する質問に対し、最も多かった回答は「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」で27.0%でした。次に「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」が25.2%、続いて「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」が23.5%、最後に「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」が23.3%でした。これらの項目はほぼ同率であり、全体的に分散した結果となっています。

特に注目すべきは、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」という回答が過去最高の割合を記録した点です。また、2014年度からの比較においても、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい」という回答は9.4ポイント減少し、過去最低の割合となりました。

  1. 管理職になりたい理由

管理職を志望する新入社員に対し、その理由を尋ねたところ、最も多かったのは「人を束ねて大きな仕事をしてみたい」で36.6%でした。次いで「仲間と仕事をするのが好きだから」が34.6%、最後に「将来経営層として会社を引っぱっていきたいから」が21.8%という結果になりました。この結果から、仲間との協力を重視する傾向が見て取れます。

また、「将来経営層として会社を引っぱっていきたい」という回答は11年前と比較して15ポイント以上減少しており、時代の変化が反映されています。

  1. 専門家になりたい理由

専門家を志望する新入社員に対しては、「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたい」という理由が55.2%と半数以上を占めました。次いで「専門家として一つの分野を追究してみたいから」が37.3%でした。この結果は、専門性を高めることへの意識が高まっていることを示しています。

過去のデータと比較すると、この傾向は2014年度から徐々に増加していることが確認されており、専門性を重視する姿勢が強まっています。

  1. リーダーのイメージ

リーダーに対するイメージについて尋ねたところ、「リーダーシップが求められそう」という回答が51.5%で最も多く、次いで「成長できそう」が35.3%、「やりがいがありそう」が34.7%という結果になりました。リーダーになりたいと考える人とそうでない人で比較すると、リーダーになりたい人は「やりがいがありそう」というポジティブな印象を持つ傾向が強く、逆にリーダーになりたくない人は「難しそう」といったネガティブな印象を持つ傾向が見られました。

  1. キャリア形成支援に対する期待

キャリア形成支援についての期待を尋ねた結果、最も多かったのは「上司に相談できる機会をつくってほしい」で54.3%でした。次いで「キャリア形成についてのセミナーや勉強会などを開催してほしい」が36.8%、最後に「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい」が33.7%という結果になりました。このデータは、新入社員が上司との対話を通じてキャリアを形成していきたいと考えていることを示しています。

【新入社員意識調査2025】将来会社で担いたい役割、12年で「管理職」「専門家」が徐々に減少、「なし」「今後決めたい」が増加傾向 画像 3

キャリアに対する考察と今後の展望

調査結果からは、新入社員のキャリアに対する考え方が多様化していることが明らかになりました。「管理職志向」や「専門家志向」が減少し、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」という回答が増加していることは、働き方に対する価値観が変化していることを示しています。

また、男女別の回答では、男性は「管理職志向」が高く、女性は「キャリア志向なく、楽しく仕事をしたい」が高い傾向が見られました。このような多様な価値観を受け入れる企業文化が求められています。

新入社員のキャリア形成を支援するためには、以下の3点が重要です。

  • 任された仕事を確実にやりきること
  • 内省を習慣的に行い、PDCAを回すこと
  • 現在の力量よりやや高い目標を持ち続けること

これらの取り組みを通じて、新入社員は自らのキャリアを形成し、成長を遂げることが期待されます。

【新入社員意識調査2025】将来会社で担いたい役割、12年で「管理職」「専門家」が徐々に減少、「なし」「今後決めたい」が増加傾向 画像 4

調査結果のまとめ

項目 結果
担いたい役割 専門家27.0%、管理職25.2%、未定23.5%、志向なし23.3%
管理職になりたい理由 人を束ねて大きな仕事をしてみたい36.6%
専門家になりたい理由 いざというときに専門性を活かして仕事をしたい55.2%
リーダーのイメージ リーダーシップが求められそう51.5%
キャリア形成支援に対する期待 上司に相談できる機会54.3%

以上の調査結果から、新入社員のキャリア形成に対する考え方と企業への期待が明らかになりました。多様な価値観を受け入れ、適切な支援を行うことで、企業の成長にもつながることが期待されます。

参考リンク: