2025年5月刊行の塩田武士最新作『踊りつかれて』が第173回直木賞候補に選出される背景と内容

直木賞候補ノミネート

開催日:5月27日

直木賞候補ノミネート
『踊りつかれて』ってどんな内容の小説?
『踊りつかれて』は、週刊誌の報道とSNSの誹謗中傷が人々の人生に与える影響を描いた社会派小説で、現代の情報社会の闇を鋭く問いかけています。
なぜこの作品が直木賞候補になったの?
塩田武士さんが現代社会の問題を徹底的に取材し、人と社会を深く描いた重要作で、発売前から多くのメディアや書店員から注目されているためです。

第173回直木賞候補作『踊りつかれて』の発表

2025年6月12日、株式会社文藝春秋から刊行された、現代を代表する社会派作家・塩田武士さんによる最新長篇『踊りつかれて』が、第173回直木三十五賞の候補作にノミネートされました。この作品は、発売前から各メディアからのインタビュー申し込みが殺到し、全国の書店員からも応援メッセージが寄せられています。

塩田武士さんは、この作品を「作家人生の節目となるような大切な作品」と位置づけており、今回のノミネートに対しても特別な思いを抱いています。直木賞の選考会は7月16日に都内で行われる予定です。

【第173回「直木賞」候補作発表】現代を代表する社会派作家・塩田武士による、新たな傑作長篇『踊りつかれて』が堂々のノミネート! 画像 2

作品のテーマと背景

『踊りつかれて』のテーマは「週刊誌の罪 × SNSの罰」という非常に現代的な問題を扱っています。塩田さんは、ネット社会における情報の氾濫が人々の生活にどのように影響を与えているのかを深く考察しています。特に、誹謗中傷が人の命にどれほどの影響を及ぼすかという危惧を抱いており、その思いが作品に反映されています。

塩田さんは「不確かでネガティブな情報が、私たちの生活に影響を与え過ぎています」と述べており、SNSの普及がもたらしたさまざまな問題について、鋭い視点で描写しています。

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あらすじの紹介

『踊りつかれて』は、言葉が異次元の暴力になる現代社会を舞台にしています。物語は、不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷を受けた人気お笑い芸人・天童ショージが自らの命を絶つところから始まります。また、バブル期の華やかな芸能界を駆け抜けた伝説の歌姫・奥田美月も、写真週刊誌のデタラメな報道に翻弄され、人前から姿を消すことになります。彼らが体験する絶望の深淵を描き出しています。

作品の序章「宣戦布告」では、SNSの匿名性に対する鋭い批判が展開され、読者に強烈なメッセージを投げかけています。ここでは、誹謗中傷を行う人々に対する反発と、彼らの行動がもたらす社会的影響が語られています。

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塩田武士さんの言葉

塩田さんは、作品に込めた思いを次のように語っています。「今書くべき小説とは何か――構想と取材に時間をかけ、徹底的に『人』と『社会』を描きました。この作品が直木賞の候補になったことは大きな喜びです。読者の方々、創作にご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。」

彼の言葉からは、作品に対する深い愛情と、現代社会に対する強いメッセージが感じられます。

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メディアの反響と書店員の声

『踊りつかれて』は、発売前から多くのメディアに取り上げられています。日経新聞や読売新聞、スポーツ報知など、さまざまな媒体でインタビューや書評が掲載されており、現代社会におけるSNSの影響や週刊誌の役割についての意見が交わされています。

また、全国の書店員からも応援メッセージが寄せられ、その文字数は累計2万2000字を超えています。書店員たちは、この作品がSNSやネット社会に対する警鐘を鳴らしていると評価し、読者にとって重要なメッセージを持つ作品であると認識しています。

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書店員からのコメント

  • 紀伊國屋書店西武東戸塚S.C.店の鶴見祐空さんは、「この作品は言葉を与えてくれました」と述べています。
  • 高坂書店の井上哲也さんは、「緊張と恐怖の現実をエンターテインメントに高めた見事な物語」と称賛しています。
  • ジュンク堂書店滋賀草津店の山中真理さんは、「SNSの波に踊らされる恐怖と人間愛が伝わる作品」と評価しています。

著者プロフィールと書誌情報

塩田武士(しおた・たけし)さんは、1979年に兵庫県で生まれ、関西学院大学を卒業後、神戸新聞社に入社しました。2010年に『盤上のアルファ』でデビューし、その後も数々の賞を受賞しています。特に『罪の声』や『存在のすべてを』は高く評価されており、社会派作家としての地位を確立しています。

書誌情報は以下の通りです。

書名 著者 判型 定価 発売日 ISBN
踊りつかれて 塩田武士 四六判上製カバー装 2,420円(税込) 2025年5月27日 978-4-16-391980-5

塩田武士さんの最新作『踊りつかれて』は、現代社会の問題を鋭く描いた作品であり、多くの人々に読まれるべき重要な一冊です。作品のテーマや背景、著者の思いを知ることで、より深く作品を楽しむことができるでしょう。

このように、塩田武士さんの『踊りつかれて』は、現代の社会問題を取り上げた重要な作品として、直木賞候補作にノミネートされました。今後の展開に注目が集まります。

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