2025年6月12日打上げ成功!QPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」の初交信と今後の展望
ベストカレンダー編集部
2025年6月12日 05:42
QPS-SAR11号機打上げ成功
開催日:6月12日
QPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」の打上げ成功の報告
2025年6月12日、日本時間の03時23分に、株式会社QPS研究所からのプレスリリースが発表されました。このリリースでは、QPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」が同日0時31分にニュージーランド・マヒア半島の発射場Launch Complex 1から打上げられ、初交信に成功したことが伝えられています。打上げはロケット・ラボ社のロケットElectronによって行われ、ミッション名は「The Mountain God Guards」です。
打上げから約50分後に衛星分離に成功し、その後約35分後には「ヤマツミ-Ⅰ」との初交信が無事に行われました。これにより、衛星の各機器が正常に作動していることが確認され、衛星の健康状態も良好であることが報告されました。今後は、アンテナの展開や初画像の取得を目指して調整を進める予定です。
打上げに関するコメント
打上げ成功について、ロケット・ラボのCEOであるPeter Beck氏は、QPS研究所との契約に基づく8回の打上げミッションのうち4回目の打上げが完璧に実現されたことを喜びました。彼は、エレクトロンが小型衛星専用打上げのリーダーであることの信頼性と機敏性を示す素晴らしい成果であると評価しました。また、今回の打上げがQPS研究所の最新ミッションで達成されたことは、衛星コンステレーション構築のための専用打上げの利点を示す良い例であると述べています。
一方、QPS研究所の代表取締役社長である大西俊輔氏は、「10号機『ワダツミ-Ⅰ』に続き、11号機『ヤマツミ-Ⅰ』も打上げから初交信までの流れを順調に進めることができた」とコメントしています。彼は、QPS研究所のチームの開発力とロケット・ラボ社のチームの協力による成功であると強調し、今後のさらなる打上げに向けての意気込みを示しました。
QPS-SARプロジェクトの概要
QPS研究所が開発した小型SAR衛星「QPS-SAR」は、収納性が高く、軽量でありながら大型の展開式アンテナを搭載しています。このアンテナにより、強い電波を発信することが可能となり、従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストで高精細な画像を取得できるという特長があります。QPS-SARは、民間SAR衛星としては世界トップレベルの46cm分解能を誇ります。
QPS研究所は、2028年5月末までに24機、最終的には36機の衛星コンステレーションを構築し、平均10分毎に準リアルタイム観測データを提供するサービスを目指しています。このプロジェクトは、宇宙ビジネスの発展に寄与する重要な取り組みの一つです。
株式会社QPS研究所の企業情報
株式会社QPS研究所は、2005年に福岡で設立された宇宙開発企業です。社名の「QPS」は「Q-shu Pioneers of Space」の略であり、九州の地から日本および世界の宇宙産業の発展に貢献することを目指しています。QPS研究所は、九州大学での小型人工衛星開発の技術を基に、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みを行っています。
同社は、全国25社以上のパートナー企業と連携し、宇宙技術の開発を進めています。また、QPS研究所の本社は福岡市中央区天神に位置し、代表取締役社長は大西俊輔氏です。企業の詳細については、公式ウェブサイト(https://i-qps.net/)で確認できます。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 打上げ日時 | 2025年6月12日 0時31分(日本時間) |
| 打上げロケット | ロケット・ラボ社のElectron |
| ミッション名 | The Mountain God Guards |
| 衛星名 | QPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」 |
| 初交信成功時刻 | 打上げから約85分後 |
| QPS-SARプロジェクト目標 | 2028年までに24機、最終的に36機の衛星コンステレーションを構築 |
今回のQPS-SAR11号機「ヤマツミ-Ⅰ」の打上げ成功は、QPS研究所にとって重要なマイルストーンであり、今後の宇宙ビジネスの発展に寄与することが期待されます。衛星データビジネスや宇宙ベンチャーの分野において、さらなる進展が見込まれます。
参考リンク: