2025年6月3日発表:子どものサッカーを習い事と考える世帯は65%、経済格差が影響する実態調査
ベストカレンダー編集部
2025年6月3日 14:49
子どものサッカー調査報告
開催日:6月3日

子どもがサッカーをすることは「習い事」と考える世帯が65%に達する調査結果
認定NPO法人「love.futbol Japan」が発表した最新の調査によると、子どもがサッカーをすることは「習い事」と考える世帯は全体の65%に達していることが明らかになりました。この調査は、経済的な貧困や社会格差によるサッカーの機会格差に関するもので、44都道府県の363世帯を対象に実施されました。
調査は毎年行われており、今回で5回目となります。調査結果は、サッカーが子どもたちにとってどのような意味を持つのか、また経済的な背景がどのように影響を与えているのかを示しています。

サッカーが子どもにとっての居場所である理由
調査の結果、93%の子どもが「サッカーは大切な居場所である」と感じていることが分かりました。特に、居場所と感じる理由として「誰かが応援してくれているから」という「応援される経験」が重要であることが確認されました。子どもたちにとって、サッカーは単なるスポーツではなく、社会的なつながりを持つ重要な場であることが示されています。
さらに、調査では以下のような重要なデータが得られました:
- 少なくとも27%の世帯が、所属チームで遠征や合宿が企画されているが参加していないと回答。
- 60%の世帯が、子どもがサッカーできるように食費を削っていると回答。
- 世帯年収が200万円以下の世帯は全体の約60%を占める。

経済的な要因がサッカー活動に与える影響
調査の中で、経済的な要因が子どもたちのサッカー活動にどのように影響を与えているかが明らかになりました。例えば、60%の世帯が子どもがサッカーをするために食費を削っていると回答しており、これはサッカーをすることと食費を削ることがトレードオフの関係にあることを示しています。
また、33%の世帯が子どもがサッカーをするために「借入」を経験したと回答しており、38%の子どもが「家計を心配してサッカーをやめると家族に話した経験がある」と述べています。このような状況は、経済的な理由からサッカーを諦める子どもたちが多いことを示唆しています。

子どもたちの経済的な背景とサッカーへの影響
調査結果からは、子どもたちが経済的な理由でサッカーを諦める際に「相談をしたいが相手がいない」と感じている世帯が54%に達していることも明らかになりました。このような背景から、子どもたちがサッカーを続けるためのサポートが必要であることが強調されています。
また、60%の世帯が子どもに家庭の経済事情を話したことがあると回答しており、そのうち49%は子どもが小学生の頃にその話をしていることが分かりました。約30%の世帯は「諦めさせる」ことを目的に話していることも注目すべき点です。

サッカーを通じて得られる非認知能力
調査では、子どもたちがサッカーを通じて身につけたと感じる非認知能力についても言及されています。特に、「最後まで諦めない」、「継続して頑張る」などの【自分を高める力】や、「仲間を大切にする」、「他者と協力する」などの【他者と繋がる力】が高く評価されています。
一方で、「自信を持つ」、「前向きでいる」などの【自分と向き合う力】は傾向的に低い結果となっています。このことは、サッカーが子どもたちに与える影響が多面的であることを示しています。

今後の支援への期待と調査結果のまとめ
調査結果として、100%の世帯が今後もこのような支援を希望すると回答しており、5年連続で同様の結果が得られています。74%の世帯が中古用品の寄贈を希望しており、昨年と同等の結果となっています。これらのデータは、子どもたちのサッカーを支援する活動が今後も重要であることを示しています。
調査項目 | 結果 |
---|---|
子どもがサッカーを習い事と考える世帯 | 65% |
サッカーが大切な居場所と感じる子ども | 93% |
食費を削ってサッカーを続けている世帯 | 60% |
経済的理由で借入を経験した世帯 | 33% |
経済事情を話したことがある世帯 | 60% |
今後も支援を希望する世帯 | 100% |
この調査は、子どもたちが直面している体験格差の問題を可視化し、日本スポーツ界と共有することで、より良い環境を提供するための重要な一歩となるでしょう。サッカーを通じて得られる経験やスキルは、子どもたちの成長にとって欠かせない要素であることが再確認されました。
参考リンク: