2025年6月2日開催|五月加工と日本エネルギー機構が語る製造業と再生可能エネルギーの未来

製造業と再エネ対談

開催日:6月2日

製造業と再エネ対談
レーザーマーキングって何がすごいの?
レーザーマーキングは非接触でインクや溶剤を使わず、金属やプラスチックなど多様な素材に高精度な印字が可能で、環境負荷が低い技術です。
再生可能エネルギーの導入が製造業にどう役立つの?
再生可能エネルギーの導入支援は、企業が無理なく環境配慮型の製造に取り組めるようにし、エネルギーコストの安定化と持続可能な社会づくりに貢献します。

再生可能エネルギーとものづくりの融合

2025年6月2日、東京都渋谷区に本社を置く日本エネルギー機構と、東京都町田市に拠点を構える株式会社五月加工が「ものづくりの未来と持続可能性」について対談を行った。この対談の背景には、両社が共に持つ「現場から社会を変える」という強い想いがある。特に、再生可能エネルギーの導入支援を行う日本エネルギー機構と、最先端のレーザーマーキング技術を有する五月加工が手を組むことで、製造業とエネルギー産業の交差点に新たな価値を生み出すことが期待されている。

この対談は、環境への配慮と持続可能な製造方法の模索が進む中で、両社がどのように協力し合い、地域社会に貢献していくかを探る重要な機会となった。

【対談レポート】五月加工×日本エネルギー機構、製造業と再エネの交差点 画像 2

株式会社五月加工のレーザーマーキング技術

株式会社五月加工は、金属、プラスチック、木材、セラミックなど多様な素材に対応するレーザーマーキングを専門とする企業である。ファイバーレーザー、CO₂レーザー、UVレーザー、ダイオードレーザーといった複数のレーザー機器を駆使し、従来では加工が難しかった素材に対しても高精度なマーキングを実現している。

代表取締役の木村泰之氏は、神奈川県のメーカー代理店「ヨコハマシステムズ」で技術職として勤務していた際に、製造現場におけるマーキング需要の高まりを実感した。木村氏は「見た目の美しさと品質の両立が求められる製造業の中で、マーキング技術の重要性が高まっている」と述べ、独立して五月加工を立ち上げた背景を語った。

同社では、3Dスキャナーを活用して曲面や円筒形状へのレーザーマーキングにも対応しており、単なるロゴや番号の印字にとどまらず、意匠性やデザイン性を高める加工で製品価値の向上を目指している。

持続可能なものづくりの実践

五月加工のレーザーマーキング技術は、非接触かつインクや溶剤を使用しないため、環境負荷が非常に低い点が特徴である。この特性を活かし、同社はSDGsを意識した取り組みを積極的に展開している。例えば、相模原市で開催された地域イベントでは、バイオマス素材であるコルクにレーザーデザインを施し、環境配慮型のものづくりを実践した。

木村氏は、素材選びから加工技術に至るまで、すべてに「環境への配慮」が貫かれていることを強調した。これに対して、日本エネルギー機構の代表取締役社長・猪熊克己氏も深く共感を示し、企業が無理なく再生可能エネルギーを導入できる仕組みづくりの重要性を訴えた。

SDGs推進に立ちはだかる課題

中小製造業がSDGsに取り組むうえで、現実的な課題が多く存在する。木村氏は「設備投資のハードル」をその代表例として挙げ、高性能なレーザー機器や専用ソフトウェアの導入には巨額の資金が必要であると指摘した。製造業全体で賃金水準が上がりにくい環境では、未来への投資を後回しにしがちである。

さらに、日本の家庭用電源が100ボルトを前提としている一方で、工業用機械は300ボルト程度の電力を必要とする場合が多く、技術的なハードルも存在する。これらを乗り越えるためには、行政や業界団体、金融機関が連携し、中小企業が無理なく導入できる支援制度や補助金スキームを整備することが不可欠である。

地域連携とものづくりの未来

五月加工は、木村氏が前職で勤務していた「ヨコハマシステムズ」との関係を維持し、技術連携や顧客紹介を通じて地域産業の活性化を図っている。また、日本エネルギー機構も地域工場や中小企業との協業を重視し、単なる電力供給にとどまらず、“共に未来をつくるパートナー”として再生可能エネルギーの普及・導入支援を行っている。

両社は、電力の安定供給はもちろん、導入後の運用・管理サポートまで含めたトータルソリューションを提供することで、地域社会の持続可能な発展に貢献している。対談では、単にコストや技術の話だけでなく、「地域に根ざし、社会と共に成長する」というビジョンが語られ、新たな地域価値を創造する可能性が探られた。

現場から社会を変える力

今回の対談を通じて明らかになったのは、「美しさ」と「持続可能性」を両立するものづくりが、現場から社会を変える力を秘めているということである。最新技術を追求しつつ、環境・社会課題への対応を同時に進めることは簡単ではないが、その挑戦こそが製造業の未来を切り拓く原動力となる。

地域から始まる革新は、必ずや社会全体へと波及していく。両社はそれぞれの現場から、「ものづくり」と「エネルギー」を通じた新しい価値を創造し続けることが期待される。

企業情報

企業名 代表取締役 所在地 事業内容 URL
株式会社五月加工 木村 泰之 東京都町田市真光寺町1054-14 レーザーによる金属部品、樹脂部品へのマーキング及び加飾加工業など https://satukikakakou.com
日本エネルギー機構株式会社 猪熊 克己 東京都渋谷区桜丘町27-1 エグゼクティブ渋谷203 再生可能エネルギー導入支援、PPAモデル推進など https://nihon-energy.co.jp

この対談を通じて、製造業とエネルギー産業の交差点における新たな取り組みが明らかになり、今後の展開に注目が集まる。両社の活動が、地域社会にどのように影響を与えるのか、今後の動向が期待される。