2025年6月6日予定のispaceミッション2、民間初の月面着陸に向け最終準備完了
ベストカレンダー編集部
2025年6月1日 05:53
ミッション2月面着陸
開催日:6月6日
ispace、ミッション2 マイルストーン Success 8を達成
2025年5月31日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、証券コード9348)は、Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”において、月周回軌道上でのすべての軌道制御マヌーバを無事に完了したことを発表しました。この成功により、月面着陸に向けた準備が整い、いよいよ最終フェーズに突入します。月面着陸は、日本時間2025年6月6日午前4時24分に予定されています。
5月28日(水)午後5時27分(日本時間)に行われた軌道制御マヌーバの結果は良好であり、これによりミッション2のマイルストーンSuccess 8が達成されました。ispaceのエンジニアは、東京の日本橋にあるHAKUTO-Rミッション・コントロール・センターから、5月27日に軌道制御マヌーバを開始し、約10分間の主推進系の燃焼を予定通りに完了させ、円軌道への投入を成功させました。
RESILIENCEランダーの月周回軌道到達
2025年5月7日(水)午前5時41分(日本時間)に、RESILIENCEランダーは月周回軌道に到達しました。近月点(最も近い地点)では約70km、遠月点(最も遠い地点)では約5,800kmの楕円軌道で月を周回しています。現在、RESILIENCEランダーは高度約100kmの円軌道を約2時間ごとに1周しており、全3回の軌道制御マヌーバを行っています。
月面着陸予定日の6月6日には、午前3時20分頃より円軌道からの降下を開始し、約1時間でMare Frigoris(氷の海)に軟着陸を行う計画です。降下段階では、ランダーは自動制御により主推進系を逆噴射で燃焼し、徐々に減速しながら姿勢を調整します。なお、現在のところバックアップの着陸地点候補は3か所あり、運用の状況に応じて着陸予定日は6月6日午後から8日へ変更される可能性があります。
ミッションの背景と今後の展望
ミッション2のRESILIENCEランダーは、2025年1月15日(水)にSpaceX社のFalcon9によって打ち上げられ、その後、地球周回フェーズを経て月表面から高度約8,400㎞の地点を通過し、民間企業による商業用の月着陸船として史上初の「月フライバイ」に成功しました。
その後、低エネルギー遷移軌道上を約2カ月かけて進み、地球から最も離れた距離で約110万kmの地点まで到達しました。RESILIENCEランダーは、2025年5月7日に月周回軌道投入マヌーバに成功し、その後の運用においても順調な進捗を見せています。
CEO 袴田武史のコメント
株式会社ispaceの代表取締役CEOである袴田武史は、次のようにコメントしています。「今年1月15日に多くの関係者の皆さまと共に、様々な想いを載せたRESILIENCEランダーの深宇宙と月に向けた二度目の旅の始まりを見届けました。およそ4か月半の間、事前に設けた10個のマイルストーンのうち、ついにミッション1でも達成していた8個目のマイルストーンを達成しました。残るマイルストーンはあと2個。いよいよ、再起を遂げる瞬間が近づいてきました。」
ミッション2のライブ配信とマイルストーン
ispaceは、2025年6月6日(金)午前4時24分に予定されているミッション2の月面着陸を、公式YouTubeチャンネルでリアルタイムで配信します。午前3時10分から配信が開始される予定です。このミッションの成功は、日本初、アジア初となる民間月面着陸を意味します。
また、ispaceは打ち上げから月面着陸までの過程で、10段階のマイルストーンを設定しており、各マイルストーンの達成状況は適時に公開される予定です。これにより、後続の開発中のミッションにフィードバックを行い、さらなる技術の向上を図ります。
まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ミッション名 | Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON” |
| 着陸予定日 | 2025年6月6日午前4時24分(日本時間) |
| 軌道制御マヌーバの完了 | 2025年5月28日 |
| 月周回軌道到達日 | 2025年5月7日 |
| ランダー名 | RESILIENCE |
| バックアップ着陸地点候補 | 3か所 |
株式会社ispaceは、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業であり、今後も持続可能な宇宙開発を目指して活動を続けていく予定です。ミッション2の成功により、さらに多くの可能性が広がることが期待されます。
参考リンク: