2025年5月実施の退職代行サービス調査で明らかになった世代間の価値観の違い
ベストカレンダー編集部
2025年5月30日 17:21
退職代行認知度調査
開催期間:5月20日〜5月22日

退職代行サービスの認知度に関する調査結果
2025年5月30日、東晶貿易株式会社が実施した退職代行サービスに関する調査結果が発表されました。この調査は、全国の20代から50代の男女を対象に行われ、退職代行サービスの認知度や利用意向、利用者に対する印象など、多角的な質問を通じて世代間の意識の差を明らかにしました。調査結果は、特に若年層と中高年層の間での価値観の違いを浮き彫りにしています。
調査は2025年5月20日から5月22日の間にインターネットアンケート方式で実施され、有効回答数は201件にのぼりました。退職代行サービスは、近年テレビやSNSで頻繁に取り上げられるようになり、関心が高まっています。

世代間の認知度の違い
調査の結果、退職代行という言葉を「聞いたことがある」と答えた人は全体の大多数を占めましたが、特に20〜30代の若年層では「内容まで理解している」と回答した割合が高いことが分かりました。これは、SNSやネットメディアを通じて情報に接する機会が多いことが影響していると考えられます。
一方で、40代以上の中高年層では「名前だけ知っている」または「知らない」といった回答も一定数存在し、認知の深さにギャップがあることが明らかになりました。このことは、退職代行サービスに対する評価や共感度にも影響を与えていると考えられます。

退職代行に対する共感の違い
「退職代行を使う人に共感できますか?」という問いに対して、20〜30代の若年層では「とても共感できる」「ある程度共感できる」と回答した人が70%以上を占めました。これは、心理的負担や対人関係のトラブルを避けたいという現代的な志向が影響しているとされます。
一方、40代以上では「どちらとも言えない」「共感できない」といった慎重・否定的な意見が目立ち、「自分にはできないが理解はできる」という距離を置いた受け止め方も見られました。この結果は、職場との関係や責任感に対する考え方が世代ごとに異なることを示しています。

印象の違い:合理性と逃げ
退職代行サービスを利用する人に対する印象についても、世代間での意見の分かれが見られました。20〜30代では「やむを得ない事情があると思う」「合理的で賢い選択だ」といったポジティブな印象が多く、実用的な手段として前向きに捉える傾向が強いことが分かりました。
反対に、40代以上では「甘えているように見える」「職場に対して礼儀を欠いている」といった否定的な声が多く、退職という行為に対して自分の口で伝えるのが筋という従来の価値観が根強く残っていることが浮き彫りになりました。これらの意見の差は、社会人としての経験年数や、終身雇用・年功序列といった時代背景の影響によるものと考えられます。

退職代行サービスの利用意向と背景
退職代行サービスの利用意向に関しては、年代による違いが見られました。20〜30代では「ぜひ利用したい」「できれば使いたい」と前向きな回答が約39%と比較的多く、一方で40代以上ではその割合が約27%にとどまっています。
逆に40代以上では「使わない」が32.6%と最も多く、若年層より慎重な姿勢が目立ちます。若い世代ほど退職代行を選択肢として受け入れやすく、年齢が上がるにつれて自己解決を重視する傾向があると考えられます。

価値観の変化と退職代行の広がり
退職代行サービスが広まりを見せている背景には、20〜30代の若者の価値観の変化が影響しています。特にストレスや無駄な対話を避ける傾向が強く、対人関係での摩擦を回避する意識が高まっています。
一方で、40代以上の回答者は「ブラック企業やハラスメントの問題」を指摘する声が多く、職場環境の悪化が退職代行サービスの必要性を高めているという見解が主流です。これらの違いは、若年層が個人の心理的ストレスにフォーカスしているのに対し、中高年層は組織構造の問題を背景とする傾向があることを示しています。
退職のスタイルの変化と今後の展望
本調査を通じて、退職代行サービスは世代によってその意味合いが大きく異なることが明らかになりました。若者にとってはストレス回避や効率性を重視した「選択肢のひとつ」であり、中高年にとっては「社会人としてのけじめ」が問われる存在となっています。
どちらの立場にも一理あるからこそ、重要なのは相手の背景や状況に理解を示す姿勢です。働き方が多様化する現代において、退職の在り方も一律では語れない時代に突入しています。
まとめ
項目 | 20〜30代 | 40代以上 |
---|---|---|
退職代行の認知度 | 高い(内容まで理解している) | 低い(名前だけ知っている) |
退職代行に対する共感 | 高い(70%以上が共感) | 低い(慎重・否定的) |
利用意向 | 39%が利用したい | 27%が利用したい |
印象 | 合理的で賢い選択 | 甘えている、礼儀を欠いている |
この調査結果は、退職代行を通じて見えてくる辞める自由と辞めさせる環境の両方を見直す必要性を示唆しています。世代間の価値観の違いを理解し、柔軟な働き方を模索することが、今後の社会において求められるでしょう。
参考リンク: