2025年5月29日発表の令和の父親像調査で判明した仕事と育児の理想と課題

令和の父親像に関する調査結果

XTalent株式会社が2025年5月29日に発表した調査によると、現代の父親像や仕事と育児の両立に関する意識について、多くの男性が新たな価値観を持っていることが明らかになりました。この調査は、264名の男性を対象に行われ、現代の父親が求める理想像や職場環境の影響についての実態を探るものです。

調査の実施期間は2025年5月7日から5月18日までで、対象者は20代から60代の男性に限定されています。調査結果は、企業の採用や定着戦略に役立つ貴重なデータとなっています。

理想の父親像と育児に対する意識

調査において、理想の父親像として最も高い支持を得たのは、「子どもの意思を尊重し、対話を大切にする」という考え方で、79.9%の男性がこの姿勢を支持しました。次に「子どもと向き合い、共に学び成長する」が75.4%で続き、さらに「パートナーと対等に家事や育児に関わる」が70.1%という結果でした。

これらの結果は、従来の家父長制的な価値観からの脱却を示しており、男性たちが家庭に対して積極的に関与したいという意識が強まっていることを反映しています。一方で、家長としての威厳や強さを示すことを重視する意見はわずか8.3%および4.5%と、低い数値に留まっています。

子どもの誕生による価値観の変化

調査の結果、9割の男性が子どもの誕生をきっかけに「仕事や家庭に対する考え方が変わった」と回答しました。具体的には、7割が「大きく変化した」とし、2割が「多少は変化した」としています。変化の内容としては、柔軟な働き方への関心が高まったり、短時間で高い成果を出そうとする意識が強まったことが挙げられます。

また、理想の仕事と育児のバランスについては、9割が「仕事を中断しても専念したい」と考え、さらに「仕事と育児を両立したい」との意見も多く見られました。特に、リーダー層の95.6%が育児への深いコミットを理想としており、役職別でもっとも高い数値を示しています。

両立を妨げる要因と職場環境の影響

理想の仕事と育児のバランスが実現できていない理由として、3割が「実現できていない」と回答し、その中の7割が「仕事が忙しく時間が取れない」との理由を挙げています。このことから、長時間労働が依然として大きな壁となっていることがわかります。

さらに、育児意欲にネガティブな影響を与える職場の特徴としては、「長時間労働が常態化している」ことや「過剰な業務量」が上位に挙げられています。これに対して、ポジティブな影響を与える職場環境としては、「柔軟な働き方」や「男性社員の理解と育児意欲」が重要視されています。

柔軟な働き方が育児意欲に与える影響

調査によると、7割の男性がリモートワークやフレックス制度の導入など、柔軟な働き方が育児意欲にポジティブな影響を与えると回答しています。理想の働き方としては、9割が「フルリモート」または「出社とリモートのハイブリッド」を望んでいることが分かりました。

また、男性の育児意欲には、育児に理解のある男性の上司や、育児休業を取得した男性社員の存在がポジティブな影響を与えることも明らかになっています。

転職・異動の意識と実態

育児と仕事の両立が難しい職場環境からの脱却を求めて、6割の男性が「転職や部署異動をした/検討したことがある」と回答しました。具体的には、4割が「転職や部署異動をしたことがある」または「具体的に活動中、近々実行に移す予定」と回答しています。

この調査結果からは、実際に行動に移した割合が一般社員で57.6%、マネージャー層で51.2%、リーダー層で38.9%と、層によって異なるものの、全体として高い数値が示されていることがわかります。

調査結果のまとめ

以上の調査結果からは、現代の父親たちが求める理想像や育児に対する意識が大きく変化していることが確認できました。また、長時間労働が両立を妨げる要因であることや、柔軟な働き方が育児意欲にポジティブな影響を与えることも分かりました。今後、企業はこのような意識の変化に対応した働き方の改善や職場環境の整備が求められると言えるでしょう。