2025年5月23日発売『ウーマン・トーキング』実話を基にしたサスペンス小説がNHK Eテレで話題に
ベストカレンダー編集部
2025年5月28日 12:31
ウーマン・トーキング発売
開催日:5月23日

NHK Eテレ「100分de名著」で話題の『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』
2025年5月23日、株式会社KADOKAWAから新たに出版された『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』は、著者ミリアム・テイヴズによる実話を基にしたサスペンス小説です。本書は、NHK Eテレの人気番組「100分de名著」で紹介され、カナダの作家マーガレット・アトウッドに絶賛されています。この作品の翻訳は、同番組の指南役であり、アトウッドの他の作品の翻訳も手掛ける鴻巣友季子が担当しています。
本作は、キリスト教系団体メノナイトの村で実際に起きた大量レイプ事件を題材にしています。物語は、女性たちが自らの未来を選ぶために集まり、会議を開くという形で進行します。彼女たちが直面する問題は、何もしないか、闘うか、村を出ていくかという選択であり、非常に深刻なテーマを扱っています。

『ウーマン・トーキング』のあらすじ
物語は、教団で起きた大量レイプ事件を背景に展開します。最年少の被害者はわずか3歳の少女で、事件は「悪魔の仕業」や「作り話」とされてきましたが、実際には村の身内によるものでした。事件が発生した日、村の男性たちが外出する2日間、女性たちは子どもを守るためにどのように行動するかを考えなければなりません。
この状況下で、彼女たちがどのようにして未来を選ぶのかが本作の核心です。文字の読めない女性たちが集まり、会議を開く「ウーマン・トーキング」という形式で物語が進行します。アトウッドが本作を「必読」と絶賛した理由は、現実の事件に基づいた深いテーマ性にあります。
今、読むべき4つの理由
本書を読むべき理由は、以下の4つです。
- アトウッドによる絶賛と翻訳者の背景
NHK Eテレ「100分de名著」で取り上げられるアトウッドの作品に関連して、本書も取り上げられています。アトウッドは自身のSNSで本作を絶賛し、その内容が現実の事件に基づいていることを強調しています。翻訳者の鴻巣友季子は、アトウッドの他の作品も手掛けており、彼女の翻訳によって本作の魅力がさらに引き立っています。 - 実在の事件を基にしたサスペンス
本作は、ボリビアにあるメノナイトの宗教コロニーで起きた実際の事件をモデルにしています。メノナイトは非暴力と無抵抗を主張するプロテスタントの宗派であり、その中で起こった暴行事件を描くことで、読者に深いメッセージを伝えています。著者のミリアム・テイヴズは、メノナイト信徒の両親の娘であり、その独自の視点から物語を描いています。 - 「生まれつき翻訳」の新しい形
本作は「生まれつき翻訳」と呼ばれるスタイルを採用しています。メノナイトの女性たちは教育を受けていないため、物語は男性の語り部であるオーガストの視点から描かれています。彼の視点を通じて、メノナイトの世界を覗き見ることができ、読者は異なる価値観に触れることができます。 - アカデミー賞受賞映画の原作
本作は第95回アカデミー賞脚色賞を受賞した映画「ウーマン・トーキング 私たちの選択」の原作です。映画と小説には異なる描写がありますが、原作を読むことで映画では描かれなかった重要な要素を理解することができます。
書誌情報と著者プロフィール
『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』の書誌情報は以下の通りです。
書名 | 著者 | 訳者 | 発売日 | 定価 | 判型 | ページ数 | ISBN | 発行 |
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ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択 | ミリアム・テイヴズ | 鴻巣友季子 | 2025年5月23日(金) | 1,518円(本体1,380円+税) | 文庫判 | 288ページ | 978-4-04-114743-6 | 株式会社KADOKAWA |
著者のミリアム・テイヴズは、カナダのマニトバ州出身で、メノナイト信徒の両親のもとに生まれました。彼女はアトウッド・ギブスン・トラスト・ライターズ小説賞を二度受賞しており、作品は高く評価されています。
翻訳者の鴻巣友季子は、英語圏の現代文学や古典の翻訳を手掛ける著名な翻訳家であり、彼女の作品は多くの読者に親しまれています。
まとめ
『ウーマン・トーキング ある教団の事件と彼女たちの選択』は、実際の事件を基にした深いテーマを持つ作品であり、アトウッドや鴻巣友季子の影響を受けた翻訳によってその魅力が引き立っています。フェミニズムや男女間の問題について考えさせられる内容は、多くの読者にとって興味深いものとなるでしょう。ぜひこの機会に手に取ってみることをお勧めします。
参考リンク: