2025年5月25日開催「ダウラギリV峰初登頂50周年記念講演会」で振り返る岡山大学山岳会の挑戦と歴史
ベストカレンダー編集部
2025年5月28日 05:48
ダウラギリV峰50周年講演会
開催日:5月25日

「ダウラギリV峰初登頂50周年記念講演会」の開催概要
国立大学法人岡山大学は、2025年5月25日に岡山大学津島キャンパスの岡山大学創立五十周年記念館において、「ダウラギリV峰初登頂50周年記念講演会」を開催しました。この講演会は、1975年に岡山大学ネパールヒマラヤ学術登山隊がネパールのダウラギリV峰(標高7,618m)に初登頂してから50年を迎えることを記念したものであり、当時の隊員たちによる貴重な証言や後進世代へのメッセージが披露されました。
講演会では、岡山大学山岳会の歴史とその意義を振り返るとともに、登山の精神を次世代へ継承する機会となりました。開会の式辞は片山貴寛山岳会事務局長が行い、那須保友学長が祝辞を述べました。

講演内容の詳細
講演会では、さまざまな時代の学術登山や国際遠征に関する講演が行われました。最初に、1967年からの遠征前の時代について、石原武美氏がヒマラヤ遠征に先立つ偵察活動について紹介しました。続いて、1975年のダウラギリV峰遠征に関する講演が行われ、登攀隊長の定金司郎氏が「大山からヒマラヤへ」と題して登頂への過程を語り、登頂者の森岡政明氏は「登頂者に選ばれて」と題して、選ばれた当時の思いや体験を共有しました。
また、湯本泰弘氏からは、隊員とシェルパの健康管理に関する取り組みについての報告があり、登山における健康管理の重要性が強調されました。

その後の遠征活動
講演会は1979年のガネシュ・ヒマールII峰(7,015m)、1986年のトリプラ・ヒウンチュリ峰(6,553m)、1990年のガッシャブルムI峰(8,068m)など、岡山大学山岳会のOBたちによる遠征経験やエピソードの紹介が続きました。これにより、岡山大学山岳会の活動の幅広さと深さが再確認されました。
さらに、石原武美氏は「熱帯農業の体験からネパール農業への寄与」と題し、登山をきっかけとした国際的なつながりの広がりや、登山と学術の融合的な成果についても発表しました。

講演会の締めくくりと感想
講演会の最後には、山﨑裕晶氏が閉会の言葉を述べ、「大山からヒマラヤへ、そして再び大山へ」と続く挑戦のリレーに触れながら、感慨深い思いを語りました。また、大山にある岡山大学校友会「山の家」の補修について、本学のサポートがあったことに言及する場面もありました。
香川会長は講演会を振り返り、「山岳会創部以来の歩みを一連で伺うことができ、大変感動しました。宇宙において、私たちが知覚できる物質は全体のわずか5%ほどと言われていますが、山の記録もまた同様で、表に現れる情報は一部にすぎません。その背後には、登山への思いや、記録に至るまでの過程といった『見えない部分』が大きく存在していることを、改めて実感しました。」と述べました。

岡山大学山岳会の精神の継承
今回の講演会を通じて、岡山大学山岳会の長年にわたる活動の軌跡とその精神は、今後の若い世代に力強く引き継がれることが期待されます。岡山大学は、地域中核・特色ある研究大学として、今後もさまざまな取り組みを行っていく方針です。

講演会の要点まとめ
内容 | 詳細 |
---|---|
開催日 | 2025年5月25日 |
開催場所 | 岡山大学津島キャンパス 創立五十周年記念館 |
主催 | 国立大学法人岡山大学 |
講演内容 | 岡山大学ネパールヒマラヤ学術登山隊の歴史と体験について |
講演者 | 定金司郎氏、森岡政明氏、石原武美氏、湯本泰弘氏、山﨑裕晶氏 |
この講演会では、岡山大学山岳会の活動やその意義が再確認され、次世代への継承が期待される内容が盛りだくさんでした。岡山大学の今後の取り組みにも注目が集まります。
参考リンク: