2025年5月19日竣工のクミアイ化学子会社新プラント、半導体向けビスマレイミド類生産体制を強化
ベストカレンダー編集部
2025年5月26日 14:55
BMI類新プラント竣工
開催日:5月19日

クミアイ化学、半導体向けビスマレイミド類の生産体制を強化
2025年5月26日、クミアイ化学工業株式会社は子会社であるケイ・アイ化成株式会社の新プラントが完成したことを発表しました。この新プラントの設立は、半導体向け製品であるビスマレイミド類(以下、BMI類)の需要の高まりに対応するためのもので、化成品事業の成長を加速させる重要なステップとなります。
デジタル技術の進展により、私たちの生活は大きく変化しています。特に、高速通信化や人工知能(AI)の普及は、私たちの日常生活において利便性を高めています。このようなデジタル化社会を支える半導体分野の市場規模は、世界半導体市場統計(WSTS)によると2024年には前年比16.0%増の6,112億米ドルに達し、過去最高を更新する見込みです。2025年も引き続き成長が期待されています。

半導体の温度上昇問題とBMI類の役割
半導体技術の進化に伴い、高速データ処理が求められる一方で、温度上昇への対策が重要な課題となっています。半導体が小型化・高密度化することで、自己放熱が難しくなり、これが半導体の寿命短縮や熱暴走のリスクを高める要因となります。そのため、冷却システムや耐熱性のある材料が必要とされます。
この点において、ケイ・アイ化成が製造するBMI類は重要な役割を果たします。BMI類は熱硬化性樹脂のモノマーであり、積層板や複合材料などに使用される樹脂に耐熱性や強靭性を付与することが可能です。さらに、炭素繊維を含浸させることで耐熱性や強度が向上し、航空機の機体やレジャー用品など多岐にわたる分野での利用が進んでいます。同社のBMI類の供給量は国内でトップクラスを誇ります。

新プラントの竣工と今後の展望
新プラントの建設は、BMI類の生産体制を一層強化するために進められ、2025年5月19日(月)に竣工しました。この新プラントは、生成AIサーバー向け電子材料の需要増加や、通信ネットワークの拡充に伴い注目されている低軌道衛星(LEO)向けの新たな利用にも対応しています。今後、BMI類の需要拡大が見込まれる中で、生産体制の強化により高まる需要を取り込むことが期待されています。
さらに、クミアイ化学グループは新たなBMI誘導体の開発や新規顧客、用途の開拓を進めており、化成品事業の成長を加速させる方針です。このような取り組みは、半導体市場の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現するための重要な要素となるでしょう。

ケイ・アイ化成の事業概要
ケイ・アイ化成株式会社は1975年に設立され、電子材料向けのBMI類の他にも、農薬や医薬中間体などの各種有機中間製品の製造販売および研究開発を行っています。具体的には、以下の3つの事業を展開しています。
- 化成品事業: 電子材料向けBMI類の製造販売および農薬・医薬中間体の研究開発を行う。
- 産業薬品事業: 殺菌剤や防腐剤などの製造販売・研究開発を行い、その技術を温泉消毒剤などに応用。
- バイオ製品事業: 微生物を活用した安全性の高い飼料や飼料添加物、受託培養などの製造販売・研究開発を行う。
クミアイ化学の企業理念と今後の方向性
クミアイ化学工業株式会社は、農薬メーカーとして70年以上の歴史を有し、「いのちと自然を守り育てる」をメインテーマに掲げています。農薬や化成品の創製・製造・販売を通じて、世界市場を見据えた新農薬や農業生産技術の開発に取り組んでおり、さまざまな社会課題の解決に貢献しています。
今後も、クミアイ化学は半導体市場のニーズに応じた製品開発を進めるとともに、持続可能な成長を目指して新たな技術革新に取り組む姿勢を保ち続けるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
プラント竣工日 | 2025年5月19日 |
主な製品 | ビスマレイミド類(BMI類) |
事業内容 | 化成品事業、産業薬品事業、バイオ製品事業 |
設立年 | 1975年 |
企業理念 | いのちと自然を守り育てる |
以上の情報から、クミアイ化学の新たなプラントの完成は、半導体市場のニーズに応えるための重要な一歩であることがわかります。今後の展開にも注目が集まります。
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