佐賀県唐津市で5月25日開始「ネイチャーポジティブ」な地域づくりの挑戦
ベストカレンダー編集部
2025年5月25日 14:44
ネイチャーポジティブ開始
開催日:5月25日

自然共生サイト・相知町横枕自然共生区域からはじまる「ネイチャーポジティブ」な挑戦
唐津Farm&Food(所在地:佐賀県唐津市)は、2025年5月25日より、佐賀県唐津市相知町・横枕区において「ネイチャーポジティブ」な地域づくりを目指した取り組みを展開しています。この地域は、住民とともに守り育ててきた里山であり、佐賀県初の自然共生サイトとして認定されており、持続可能な生物多様性の保全モデルとして注目されています。

春の自然観察会の開催
2025年5月18日には、佐賀県自然史研究会との共催で「春の自然観察会」が開催されました。このイベントには、佐賀大学の徳田教授をはじめとする専門家や教員、地域住民、子どもたちが参加しました。参加者は、田んぼやため池、森、神社、水路など多様な環境を巡りながら、アカハライモリやカエル類など、里山の生きものたちとの出会いを楽しみました。
観察後には、横枕公民館にて「発見シェアタイム」が実施され、参加者同士が自然の中で得た気づきを語り合う機会が設けられました。この時間は、人と自然のつながり、そしてこの土地の価値を改めて実感する貴重な時間となりました。

横枕の取り組みが地域での発信を強化
2025年5月22日には、北九州市の「いのちのたび博物館」で開催されたシンポジウム『ネイチャーポジティブな社会を九州の地から』において、横枕の取り組みが地域事例として紹介されました。このシンポジウムでは、九州各地の自然共生サイトによる発表が行われる中、横枕からは住民代表が登壇し、代々受け継がれてきた里山の保全活動と世代を超えた協働のあり方について発信しました。
相知町横枕自然共生区域は、未来へと続く「ネイチャーポジティブ」な挑戦を象徴する場所であり、人と自然の共生を体現する日本のSATOYAMA文化が息づいています。この地域の活動は、広がるだけでなく深く根づき、共生の意識を深化させています。

地域発のネイチャーポジティブな取り組み
横枕での活動は、里山に根ざした生物多様性や文化的価値を再発見し、暮らしの中で自然との共生を実践するものです。これは、1926年に柳宗悦が提唱した「民藝運動」の理念——“日常の中の美”を尊ぶ精神——にも通じます。
自然との共生を「美」としてとらえる、日本の昔ながらの文化や地域の暮らしのあり方そのものが、まさに「ネイチャーポジティブ」な価値を体現しています。また、横枕神社のイスノキが、自然共生サイトの追加、認定のきっかけとなったことも特筆すべき点です。

国際的な視野での活動の広がり
2025年5月22日には、国際的な再生型コミュニティネットワーク「ERC(Eco Restoration Communities)」の公式Instagramでも、横枕での活動が“世界生物多様性の日”のアクションとして紹介されました。小さな里山の取り組みが国際的に共有されることで、「ネイチャーポジティブ」という理念が地域と世界をつなぐキーワードとして広がり、深化していこうとしています。
このように、横枕の活動は地域の枠を超え、国際的な視野でも注目されることとなりました。地域の特性を生かしながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進められています。

今後の展望と取り組みの継続
唐津Farm&Foodでは、今後も地域住民や専門家と連携しながら、調査・観察・教育活動を通じて、佐賀から全国へ、さらには世界へと「ネイチャーポジティブ」な社会づくりを広げていく計画です。この取り組みは、地域の生物多様性を保護し、次世代にその価値を伝える重要な活動となります。
具体的な活動内容としては、以下のような項目が挙げられます:
- 地域住民との協働による生物多様性の保全活動
- 教育プログラムの開発と実施
- 地域資源を活用した持続可能な農業の推進
- 国際的なネットワークとの連携強化
これらの活動を通じて、地域の特性を生かしながら、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続していく考えです。
日付 | イベント | 内容 |
---|---|---|
2025年5月18日 | 春の自然観察会 | 地域住民と専門家が参加し、自然観察を通じて里山の生きものと出会う。 |
2025年5月22日 | シンポジウム | 横枕の取り組みが地域事例として紹介され、住民代表が登壇。 |
以上のように、相知町横枕自然共生区域におけるネイチャーポジティブな取り組みは、地域の文化や自然を次世代に伝えるための重要な活動となっています。これからの活動がどのように進展していくのか、注目されるところです。
参考リンク: