東京コスモス電機への株主提案:取締役選任で企業価値向上を目指す

株主提案発表

開催日:6月1日

株主提案発表
東京コスモス電機に対する株主提案って何が目的なの?
株主提案は、東京コスモス電機の経営課題を解決し、企業価値と株主価値の向上を目指すために、取締役5名の選任を求めるものです。
提案された取締役候補者はどんな人たちなの?
提案された取締役候補者は、製造業や投資戦略、財務会計の専門家で、TOCOSの成長戦略を策定・実行するスキルを持っています。

東京コスモス電機株式会社に対する株主提案の概要

2025年5月20日、Global ESG Strategy(以下「GES」)は、東京コスモス電機株式会社(証券コード:6772、以下「TOCOS」)に対し、持続的な企業価値向上を目的とした株主提案を発表しました。この提案は、TOCOSの取締役5名の選任を求めるもので、同社の経営課題を解決し、株主価値の最大化を図ることを目的としています。

GESは、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点から中長期的な投資を行うファンドであり、日本の上場企業に対しても建設的な対話を通じて企業価値の向上を図ることを運用方針としています。TOCOSへの投資は2023年から始まり、現在、GESはTOCOSの株式を約27%保有しています。

東京コスモス電機株式会社に対する株主提案について 画像 2

TOCOSの経営課題

GESが指摘するTOCOSの経営上の課題は以下の通りです。

  1. 成長戦略の不存在
    TOCOSは2023年3月期に過去最高の連結売上高107億円を達成しましたが、2024年3月期は104億円、2025年3月期は105億円と、成長が鈍化しています。営業利益も減少傾向にあり、成長戦略が欠如していることが明らかです。
  2. 成長投資・株主還元の不実行
    TOCOSは第2次中期経営計画で20億円の成長投資を掲げていますが、実際には約2.2億円しか投資が行われていません。株主還元についても具体的な施策が示されていない状況です。
  3. 後継者及びサクセッションプランの不存在
    岩崎社長は70歳を迎え、明確な後継者候補がいないことは大きな経営課題です。取締役会は後継者問題を認識しているものの、解決策が示されていません。
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GESの取締役候補者と提案内容

GESは、TOCOSの経営課題を克服し、成長戦略を策定・実行するために必要なスキルと経験を有する取締役候補者を提案しています。提案されている候補者は、製造業を含む企業経営や投資戦略、財務会計の専門家であり、TOCOSの取締役としての役割を果たすことが期待されています。

具体的な候補者は以下の通りです:

  • 若林勇人氏(常勤取締役候補)
  • 西立野竜史氏(常勤取締役候補)
  • 門田泰人氏(常勤取締役候補)
  • 伊勢谷直樹氏(非常勤社外取締役候補)
  • 大木真氏(非常勤社外取締役候補)

特に、門田氏はGESの運用者であり、役員報酬を辞退する意向を示しています。GESは、提案された取締役候補者によりTOCOSの取締役会を刷新し、経営管理や成長戦略の策定を一元的に行う体制を整えることを目指しています。

現任取締役の評価と再任の是非

GESは、現任取締役である岩崎美樹氏、中島秀雄氏、宮田一智氏、久保田純氏について再任に反対しています。彼らはTOCOSの経営課題に対して具体的な対策を示すことができておらず、経営能力に疑問が残るためです。

特に中島氏は営業本部長としての実績があるものの、現経営体制の下での再任は適切ではないとされています。新たな経営体制の下で、彼らには執行担当幹部としての役割を期待したいと考えられています。

株主提案の詳細と今後の展開

GESは、2025年6月に開催予定の定時株主総会において、取締役5名の選任に加えて、取締役報酬の額設定に関する提案も行う予定です。これにより、TOCOSの経営課題を解決し、株主の利益を最大化することを目指しています。

株主提案に関する詳細は、別紙にて提供される予定です。また、GESはTOCOSの経営課題を解決するために、株主への情報公開を進めていく方針です。

提案内容 詳細
取締役5名の選任 GESが提案する候補者による取締役会の刷新
成長戦略の策定 TOCOSの経営課題を解決するための具体的な成長戦略の実行
株主還元の実施 株主還元に関する具体的な施策の提示

以上の内容から、GESはTOCOSの経営改善を目指し、株主提案を通じて企業価値の向上を図る姿勢を示しています。TOCOSの今後の動向に注目が集まります。