10XのStailer、7月にAI発注サービス開始で小売DXを加速
ベストカレンダー編集部
2025年5月20日 14:56
Stailer AI発注開始
開催日:7月1日

10XのStailerが「現場向けAI・DX」領域に進出
株式会社10X(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:矢本真丈、以下10X)は、主力の「Stailer(ステイラー)」の新戦略を発表しました。この戦略では、従来のネットスーパー立ち上げ・運営に特化したプラットフォームから、AIを活用し小売現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)全般を支えるマルチプロダクト(複数製品群)へと進化させることを目指しています。2025年中には、Stailerシリーズで5つのプロダクトを提供する予定です。
第一弾として、2025年7月に「Stailer AI発注」が公開される予定です。この新プロダクトは、小売業における発注業務の属人化や手作業による負荷を根本から解消することを目的としています。

背景:深刻化する人手不足と小売の生産性課題
近年、小売業界では人手不足が深刻化しており、特に国内のスーパーマーケット事業者においては、仕入原価の高騰とともに90%以上の事業者が「人手不足により事業継続に大きな影響がある」と回答しています。このような状況下で、労働生産性を向上させるためには、ネットスーパーのような一部業務のデジタル化にとどまらず、発注・価格設定・MD(マーチャンダイジング)・販促といった店舗運営全体の業務フローをデジタルを前提として再設計することが求められています。
このような背景から、10XはStailerの領域を「ネットスーパープラットフォーム」から「小売DXをまるごと支えるプラットフォーム」へと進化させ、経営課題に対応した複数のプロダクト群を提供することを決定しました。

「現場向けAI・DX」領域への進出・マルチプロダクト化
10Xは2020年にネットスーパープラットフォーム「Stailer」の提供を開始し、現在全国のスーパー・ドラッグストア13社に導入されています。提供開始から約4年間で、数百億円規模の流通総額へ成長し、導入企業の流通総額は市場成長率+10.5%に対して、平均+56.7%と大きく上回る成長を実現しています。
また、システムを導入するだけでなく、採算性の課題にも伴走し、デリシア社をはじめとする複数の導入企業が事業の黒字化を達成しています。このように、蓄積された知見を活かして小売事業者の経営課題を直接的に解決するために、StailerはAIを組み込み、業務上の活用を支援するプロダクトを展開します。

新プロダクトの紹介
今後、Stailerシリーズとして提供予定のプロダクトは以下の通りです。各プロダクトの提供開始時期や機能の詳細については、確定次第お知らせいたします。
- Stailer AI発注(2025年 7月)
小売業で長年課題とされてきた発注業務の属人化や手作業による負荷を根本から解消するSaaSです。AIが自動で最適な発注内容を提案し、担当者の経験や勘に依存せず、誰でも安定的に最適な判断を行うことが可能です。 - Stailer AIプライシング(2025年 冬)
インフレ環境下で仕入れ価格が上昇する中、粗利を確保するために商品ごとの価格操作が重要になります。AIが粗利益目標に応じた最適な商品・価格を自動で算出し、価格変更の影響を追跡することができます。 - Stailer MD(2025年 冬)
商品データや売場情報、販促情報を統一し、ネットスーパーだけでなく小売現場全体に関わるデータの集約・統合・活用を行う基盤です。 - Stailer OMNI(2026年 春)
店舗とオンラインを一気通貫でつなぐOMOアプリです。ユーザー体験の分断を解消し、IDや購買履歴を統合することで、個別の販促活動が可能になります。

Stailerブランドリニューアル
今回の戦略発表にあわせて、Stailerのブランドをリニューアルしました。新たなブランドコンセプトは「データとデジタル技術で未来を切り拓くリーダー」であり、これまで支えてきたネットスーパー領域を越えて小売業全体を支える存在へと進化する決意が込められています。
新しいロゴマークには業界をリードする存在として「旗」のモチーフが採用されており、右上に向かう構図で未来へ進む成長や変化を表現しています。また、Stailer公式サイトもリニューアル公開されました。

まとめ
株式会社10Xは、Stailerを通じて小売業界の現場向けAI・DX領域に進出し、労働生産性を向上させるための新たなプロダクト群を提供することを発表しました。具体的には、2025年中に5つのプロダクトを展開し、特に「Stailer AI発注」や「Stailer AIプライシング」などが注目されています。これにより、小売業界のデジタル化を推進し、経営課題の解決を図ることが期待されています。
プロダクト名 | 提供開始時期 | 主な機能 |
---|---|---|
Stailer AI発注 | 2025年 7月 | AIが最適な発注内容を提案 |
Stailer AIプライシング | 2025年 冬 | 最適な商品・価格を自動算出 |
Stailer MD | 2025年 冬 | MDデータの流通と活用の標準化 |
Stailer OMNI | 2026年 春 | 店舗とオンラインを統合するOMOアプリ |
このように、10Xの新たな取り組みは、小売業界におけるデジタル化と効率化を促進する重要なステップとなるでしょう。