楽天とBrave1が協力、ウクライナ企業が5月21日からDSEI Japan 2025に出展

DSEI Japan 2025出展

開催期間:5月21日〜5月23日

DSEI Japan 2025出展
楽天とBrave1が協力する目的は何?
楽天とBrave1は、ウクライナのスタートアップ企業が日本市場に進出できるよう支援し、防衛技術イノベーションを促進することを目的としています。
DSEI Japan 2025ではどんなことが行われるの?
DSEI Japan 2025では、ウクライナのスタートアップ企業が最新の防衛技術や製品を展示し、日本市場への進出を後押しするためのブース出展が行われます。

楽天とBrave1の協力によるウクライナスタートアップ支援

楽天グループ株式会社(以下「楽天」)は、ウクライナの防衛技術イノベーションを支援する政府機関であるBrave1と協力し、ウクライナのスタートアップ企業に対する支援を行うことを決定しました。この取り組みは、ウクライナのスタートアップ企業が日本の政府機関および潜在的なパートナーと連携できるようにすることを視野に入れています。

具体的には、楽天は2025年5月21日(水)から5月23日(金)まで開催される「DSEI Japan 2025」において、ウクライナのスタートアップ企業による最新イノベーション技術や製品を紹介するブース出展を支援します。この展示会は日本で唯一の大規模な防衛・安全保障総合展示会であり、ウクライナの企業が日本市場に進出するための重要な場となります。

出展企業とその技術

今回の取り組みでBrave1が支援するウクライナのスタートアップ企業のうち、6社が「Brave1 Powered by Rakuten」のブースに出展します。これらの企業は、無人航空機(UAV)や医療技術(MedTech)、仮想空間技術(DigitalTwin)など、さまざまな分野において豊富な実務経験を持っています。出展予定の企業は以下の通りです。

  • Dwarf Engineering LLC(ドワーフエンジニアリング)
  • Farsight Vision LLC(ファーサイトビジョン)
  • Griselda(グリセルダ)
  • LifesaverSIM(ライフセーバーシム)
  • Skyfall Industries LLC(スカイフォールインダストリーズ)
  • Swarmer(スウォーマー)

これらの企業は、最新の技術を駆使しており、特に防衛分野において重要な役割を果たしています。各企業の具体的な技術や製品について、以下で詳しく説明します。

Dwarf Engineering LLC

Dwarf Engineeringは、ドローン向けの耐障害性に優れたソフトウェアおよびハードウェアシステムを専門としています。特に、独自のソリューションであるNarsilは、電波妨害が発生する現代の戦場でのドローンの運用を可能にします。Narsilを搭載したドローンは、制御信号が妨害されても自律的にミッションを遂行できます。

Farsight Vision LLC

Farsight Visionは、防衛およびセキュリティ向けのAIを搭載した地理空間インテリジェンスを提供しています。彼らの製品は、ドローンで撮影した映像を自動で2D/3Dマップに変換し、物体や変化を検出する機能を備えています。ウクライナ軍の情報・監視・偵察任務を支援しています。

Griselda

Griseldaは、リアルタイムな状況認識と迅速な対応機能を提供する防衛技術プラットフォームです。このプラットフォームは、戦場での脅威を検出し、情報検証とリスク評価を行うことで、迅速な意思決定を可能にします。

LifesaverSIM

LifesaverSIMは、ゲームベースのシミュレーションを通じて救命スキルの習得を支援するプラットフォームです。このツールは、ウクライナ軍部隊のトレーニングツールとして機能し、迅速なスキル習得を可能にします。

Skyfall Industries LLC

Skyfallは、ウクライナ最大のUAVメーカーであり、ドローン運用において100万回以上の実績を持っています。彼らのドローン「Vampire」は、その効率性と汎用性が高く評価されています。

Swarmer

Swarmerは、複数の無人機やロボットが自律的に動作し、大規模な協調で連携できるソフトウェアシステムを提供しています。この技術により、無人機の相互運用やシームレスな連携が可能となります。

楽天の支援活動と今後の展望

楽天は「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことをミッションに掲げており、ウクライナにおける人道支援活動にも積極的に取り組んでいます。ウクライナでの人道危機を受けて、楽天は「ウクライナ人道危機緊急支援基金」を立ち上げ、13億円以上の募金を集めました。

また、楽天が運営するメッセージングアプリ「Rakuten Viber」のウクライナでの普及率は98%に達しており、2024年にはキーウに新オフィスを設立する計画があります。これにより、ウクライナの経済活動の活性化に寄与することを目指しています。

Brave1の役割と背景

Brave1は、2023年に設立されたウクライナ政府による防衛技術クラスターであり、民間スタートアップ企業を支援するために設立されました。Brave1は、最先端の防衛技術の開発と実装を促進し、ウクライナの防衛能力を向上させることを目指しています。

これにより、ウクライナのスタートアップ企業は、迅速に先進技術を装備し、戦場でその有効性を実証することが可能になります。Brave1を通じて、ウクライナの防衛産業はさらなる成長を遂げることが期待されています。

企業名 主な技術・製品
Dwarf Engineering LLC ドローン用耐障害性ソフトウェア・ハードウェア
Farsight Vision LLC 地理空間インテリジェンス
Griselda リアルタイム状況認識プラットフォーム
LifesaverSIM ゲームベースの救命スキルトレーニング
Skyfall Industries LLC UAVメーカー
Swarmer 自律的無人機運用ソフトウェア

以上のように、楽天とBrave1の協力により、ウクライナのスタートアップ企業は日本市場への進出を果たし、ウクライナの復興と発展に寄与することが期待されています。これらの取り組みは、ウクライナの人々にとっても大きな希望となるでしょう。