6月13日開催!映画『認知症世界の歩き方』トークイベントで偏見をほどく視点を探る

映画化記念トークイベント

開催日:6月13日

映画化記念トークイベント
映画『認知症世界の歩き方』ってどんな内容なの?
映画『認知症世界の歩き方』は、認知症に対する偏見をなくすためのヒューマンドラマで、2026年秋に公開予定です。
次回のトークイベントはいつ開催されるの?
次回のトークイベントは2025年6月13日(金)にオンラインで開催され、さらに7月8日には福岡でも開催されます。

映画『認知症世界の歩き方』の実写化記念トークイベントが開催されました

2025年5月13日(火)、東京・千駄ヶ谷にて、映画『認知症世界の歩き方』の実写映画化決定を記念したトークイベント「脱偏見のために、デザインと映画は何が可能か vol.1」が開催されました。このイベントには、作家の岸田奈美さんをゲストに迎え、約250名が参加しました。会場には約60名、オンラインでは約180名が参加し、認知症に対する社会の見方を問い直す熱のこもった夜となりました。

『認知症世界の歩き方』映画化記念、新トークシリーズvol.1を開催! 画像 2

イベントの目的とテーマ

本イベントシリーズは、映画『認知症世界の歩き方』の制作決定を記念し、「偏見をほどくための視点」を探ることを目的として開催されています。認知症に関する誤解や固定観念は、私たちの行動や関係性に無意識の影響を与え、さまざまな生きづらさを生み出す要因となります。このシリーズでは、認知症に限らず多様な分野で「脱偏見」に挑むゲストを迎え、デザインと映画という手法を通じて、それらの偏見をどのようにほどき、新しい視点を社会に届けていけるのかを考えていきます。

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トークイベントの詳細

シリーズ第1回となる今回は、岸田奈美氏をゲストに迎え、彼女の体験から向き合ってきた「偏見」や“伝える”という行為の持つ力について語っていただきました。対談のお相手は、本映画のプロデューサーを務める筧裕介氏(issue+design代表)で、進行は同団体理事の但馬武氏が務めました。

イベント概要 詳細
タイトル 脱偏見のために、デザインと映画は何が可能か vol.1
日時 2025年5月13日(火)18:30〜20:30
会場 SCC千駄ヶ谷コミュニティセンター(東京都渋谷区神宮前1丁目1−10)
登壇者 岸田奈美(作家)、筧裕介(issue+design代表)、但馬武(issue+design理事)
参加者数 会場 約60名/オンライン 約180名
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岸田奈美さんの体験と認知症への理解

岸田奈美さんは、心筋梗塞で父を亡くし、車いすユーザーの母、知的障害のある弟、認知症のおばあさまとの日々をnoteやSNSで発信しています。特に印象的だったエピソードは、弟にまつわる実体験です。周囲に「迷惑」をかけるかもしれない行動を、施設の職員が止めずに見守ったことで、弟が納得し、学ぶことができたという経験を語りました。

「地域で生きるには、時には“必要な迷惑”もある」という岸田さんの言葉は、偏見をなくすための新しい視点を提供しました。彼女は、認知症のおばあさまとの体験を通じて、その難しさを実感し、「身近じゃないと、認知症についてなかなか知ろうとしない」という現実を指摘しました。

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ユーモアを交えた発信の重要性

筧裕介氏は、岸田さんのように「ユーモアを交えた発信」をすることが、認知症のようなテーマに触れる機会を増やすと語りました。「軽やかに語れることが理想」とし、家族に向き合うことの難しさについても触れました。岸田さんは、家族に対して向けていたまなざしを少し引き下げ、他人として関わる余白があっても良いと語りました。

彼女は、自らのnoteに「2割しか笑いにできていない。残りの8割は本当にしんどいこと」と書いていますが、それでも「笑ってくれる人がいることが、支えになった」と振り返ります。

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認知症に対する偏見をなくすための映画

映画『認知症世界の歩き方』は、20万部を超えるヒットとなった書籍が実写映画化されるもので、2026年秋に日本での公開を皮切りに、台湾やフランスなど世界各国での上映を予定しています。この映画は、「認知症は怖い」「認知症は悲劇」といった固定観念をくつがえす、心温まるヒューマンドラマのロードムービーです。

制作費を募るクラウドファンディングは、2025年初夏に世界8か国で実施予定で、その詳細は特設支援ページで確認できます。映画のプロデューサーは筧裕介氏(issue+design代表)、監督・脚本は田村祥宏氏(株式会社イグジットフィルム代表)です。

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今後の展開と次回イベントの予定

次回のイベントは、「脱偏見のためにデザインと映画は何が可能か」をテーマに、全国キャラバンを行います。いずれもアーカイブ視聴が可能です。

  • vol.2 オンライン
    日時:6月13日(金)15:00-17:30
    ゲスト:松田文登(ヘラルボニー代表)
  • vol.3 福岡・オンライン
    日時:7月8日(火)18:30-20:30
    ゲスト:田口一成(ボーダレス・ジャパン CEO)
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参加者の声とイベントの反響

イベント終了後のミートアップでは、岸田さんや筧氏のもとに参加者の列ができ、温かな余韻が会場を包みました。参加者からは以下のような感想が寄せられました。

  1. 「偏見を“なくす”のではなく、気づき合うことが大事だと実感しました。」(参加者A)
  2. 「家族という近すぎる関係が、優しくなるのを難しくするという言葉が刺さりました。」(参加者B)
  3. 「重たいテーマだと思っていたけど、笑いながら楽しい時間でした。」(参加者C)
  4. 「“わかりやすさ”よりも、“わかろうとする姿勢”が大切なんだと感じました。」(参加者D)
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まとめ

映画『認知症世界の歩き方』の実写化記念トークイベントは、認知症に対する偏見をなくすための重要な一歩となりました。岸田奈美さんの体験や、参加者との対話を通じて、認知症に対する理解を深めることができたことは大変意義深いものでした。今後も、映画制作やイベントを通じて、認知症に関する偏見を解消し、新たな視点を社会に届ける活動が続けられていくことが期待されます。

イベント情報 詳細
イベント名 脱偏見のために、デザインと映画は何が可能か vol.1
日付 2025年5月13日
参加者数 約250名(会場60名、オンライン180名)
次回イベント vol.2(オンライン)6月13日、vol.3(福岡・オンライン)7月8日

このように、映画『認知症世界の歩き方』を通じた活動は、認知症に対する理解を深めるだけでなく、偏見を解消するための重要な取り組みであることが示されました。今後の展開にも注目が集まります。

参考リンク: