アサヒビールの「未来のレモンサワー」が日本マーケティング大賞グランプリ受賞！

第17回 日本マーケティング大賞の発表

2025年5月14日、日本マーケティング協会は「第17回 日本マーケティング大賞」の受賞者を発表しました。この賞は、2024年における優れたマーケティング活動を表彰するもので、選考委員会は96件の推薦プロジェクトの中から、アサヒビール株式会社の「未来のレモンサワー」をグランプリに選出しました。

表彰式は2025年6月12日（木）に品川プリンスホテル メインタワーの36階ガーネットで開催される予定です。時間は15:10から16:20までとなっています。

受賞プロジェクトの概要

今回の日本マーケティング大賞では、以下のプロジェクトが受賞しました。

1. グランプリ
   テーマ: 世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」の挑戦
   企業名: アサヒビール株式会社
2. 準グランプリ
   テーマ: 座ってイイッスPROJECT
   企業名: 株式会社マイナビ
3. 奨励賞
   • 「職場のロリエ」「学校のロリエ」
     企業名: 花王株式会社
   • エレキソルト スプーン
     企業名: キリンホールディングス株式会社
   • 「彩る美容液」という新提案。資生堂「ファンデ美容液」
     企業名: 資生堂ジャパン株式会社
   • 「グラングリーン大阪」プロジェクト
     企業名: グラングリーン大阪開発事業者JV9社
   • ツインバード リブランディングプロジェクト
     企業名: 株式会社ツインバード
4. 地域賞
   • 関西地区: バルチカ03
     企業名: JR西日本SC開発株式会社／JR西日本大阪開発株式会社
   • 九州地区: 日本の放置竹林を、資産に変える。ご当地クラフトメンマ『延岡メンマ』
     企業名: LOCAL BAMBOO INC.
   • 北海道地区: ミルクランド北海道「牛乳飲みてぇ!総選挙」＆「牛乳が飲みたくなるあんぱん」
     企業名: ホクレン農業協同組合連合会

各受賞プロジェクトの詳細

グランプリ: 未来のレモンサワー

アサヒビール株式会社の「未来のレモンサワー」は、2024年6月に発売される予定で、世界初の本物のレモンスライス入りチューハイです。この商品は、開栓時に缶の底からレモンが浮かび上がるという視覚的な楽しさを提供し、レモンをかじることで食感を楽しむことも可能です。味覚や嗅覚だけでなく、五感全てを使って楽しめる新しいRTD（Ready to Drink）として注目されています。

アサヒビールは、原材料調達や品質保証、装入設備の開発において多くのイノベーションを実現し、エリア限定販売方式を採用することで、顧客の購入意欲を高めました。その結果、通常のRTDの約2倍の価格にもかかわらず、売り切れる店舗が続出しました。

準グランプリ: 座ってイイッスPROJECT

株式会社マイナビが展開する「座ってイイッスPROJECT」は、アルバイトの立ちっぱなし問題を解決するために開発された「マイナビバイトチェア」が中心となっています。このチェアは、業務中でも立ったり座ったりしやすく、軽量でコンパクトなデザインであり、姿勢良く座れることを重視しています。

日本ではレジの立ち仕事が一般的ですが、海外では座ることが当たり前となっています。マイナビは、働く人への配慮を促進するために、このチェアを開発しました。調査によると、座って接客が許可されているアルバイトはわずか23%であり、雇用主の73%が座って接客することに好意的であることが明らかになっています。

奨励賞の受賞プロジェクト

職場のロリエ / 学校のロリエ

花王株式会社は、2022年にロリエのリブランディングを行い、「生理をもっと過ごしやすく」というパーパスを設定しました。特に「職場のロリエ」は、急に生理が来た際の困りごとを解決するために生理用ナプキンを備品化するプロジェクトです。400社以上の賛同を得て、学校や自治体とも連携して活動を広げています。

エレキソルト スプーン

キリンホールディングス株式会社は、減塩食品の味を向上させる食器型デバイス「エレキソルト スプーン」を開発しました。このデバイスは、食塩の過剰摂取という社会課題に対して、食器を変えるだけで減塩食をより美味しく楽しむ新しいアプローチを提供しています。

ファンデ美容液

資生堂ジャパン株式会社は、スキンケアとファンデーションを融合させた新カテゴリー「ファンデ美容液」を提案しました。コロナ禍による市場の変化に応じて、従来の「美容液ファンデ」とは逆の発想で、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込める「セラムファースト技術」を採用しました。

グラングリーン大阪プロジェクト

グラングリーン大阪開発事業者JV9社は、みどりとイノベーションの融合を目指し、まちづくりを進めています。開業半年で1000万人以上の来場者を記録し、地域の価値向上に貢献しています。

ツインバード リブランディングプロジェクト

株式会社ツインバードは、自社の魅力を再構築するためにリブランディングを実施しました。匠の技術を活かした商品ラインを新たに立ち上げ、オンラインストアの成長も促進しています。

地域賞受賞プロジェクトの詳細

関西地区: バルチカ03

JR西日本SC開発とJR西日本大阪開発は、大阪駅直結のオフィスビル「イノゲート大阪」に飲食ゾーン「バルチカ03」を開業しました。中高年男性をターゲットにした飲食ゾーンで、開業直後から高い集客を記録しています。

九州地区: 延岡メンマ

LOCAL BAMBOO INC.は、宮崎県延岡市の放置竹林問題に取り組み、ご当地クラフトメンマ「延岡メンマ」を開発しました。年間約26トンの竹林整備を実現し、障がい者の雇用も創出しています。

北海道地区: ミルクランド北海道

ホクレン農業協同組合連合会は、北海道産牛乳の需要拡大を目的とした運動「ミルクランド北海道」を展開し、「牛乳飲みてぇ!総選挙」を実施しました。牛乳の消費を喚起する取り組みが功を奏し、前年比109%の販売金額を達成しました。

まとめ

第17回日本マーケティング大賞では、マーケティングの新しい手法やビジネスモデルの開発が評価され、様々な企業が受賞しました。特にアサヒビールの「未来のレモンサワー」は、独自の技術とマーケティング戦略により注目を集めています。以下に受賞内容を整理しました。

このように、各受賞プロジェクトはそれぞれの分野での革新を示しており、今後のマーケティング活動における参考となるでしょう。