神保町の歴史を網羅した『おさんぽ神保町』完全版、5月1日からクラファン開始

神保町のフリーペーパー『おさんぽ神保町』が20年の集大成を迎える

20年以上にわたり、神保町の魅力を伝え続けてきたフリーペーパー『おさんぽ神保町』が、ついにその集大成として「神保町完全版」を出版することとなりました。このプロジェクトは、2025年5月1日からクラウドファンディングを通じて資金を募ります。編集長の石川恵子氏が中心となり、地域の歴史や文化を記録し、未来に伝えるための重要な一歩を踏み出します。

このフリーペーパーは、神田すずらんまつりの運営を通じて地域への愛情を深めた石川氏が、2006年に創刊したものです。以来、年に2回、神保町の地域情報を取材し続け、通算150万部以上を発行してきました。近年、神保町の風景が変わりつつある中で、地域の記録を文化として残したいという強い思いから、合本の出版を決意しました。

合本の内容と特徴

今回の合本には、創刊号から40号までの内容が全て収録され、900ページを超えるボリュームとなります。以下にその主な特徴をまとめます。

• 取材はすべてボランティア
  創刊当初から現在に至るまで、神保町近隣の大学生や会社員などのボランティアスタッフが企画から取材、執筆まで携わっています。現在は約30名のスタッフが活動しています。
• その年の神保町がわかるコラム
  各年の巻末には、その年に神保町で何があったのかがわかる新たなコラムを収録しています。歴史的な出来事や文化的な変遷を振り返ることができる内容となっています。
• 店舗名の総索引
  合本の巻末には、店舗名の総索引が掲載されており、特定のお店が何号に掲載されているかを簡単に探すことができます。閉店した店舗も含まれており、神保町の歴史を追体験できます。
• 20年間の地図を実地制作
  創刊号から毎号神保町界隈の商店の地図を掲載しており、実地調査を通じてその変遷を記録しています。百年後に振り返ったときに貴重な史料となることでしょう。

クラウドファンディングの詳細

この合本の出版に向けて、クラウドファンディングが実施されます。以下にその概要を示します。

目標金額に到達した場合、神保町の各書店や神保町ブックフェスティバルなどで2025年秋から販売予定です。しかし、目標金額に到達しなかった場合は、自費出版を中止し、全額返金される仕組みとなっています。

応援の声と地域のつながり

このプロジェクトには、神保町を愛する多くの著名人や地域の人々から応援の声が寄せられています。例えば、三省堂書店の代表取締役社長である亀井崇雄氏は、「20年分の神保町の歴史が詰まったこの一冊は、長年神保町を愛してこられた方には楽しいタイムトラベルを提供してくれる」とコメントしています。

また、喫茶店「さぼうる」の店主夫妻も、「20年も『おさんぽ神保町』みたいなフリーペーパーがある街は、きっと良い街だと思います」と語り、地域の歴史を大切にする姿勢が感じられます。

さらに、仏文学者の鹿島茂氏は、「神田神保町が激変する過程のすべてが記録されているから、曖昧になった記憶のスクリーンの映像を一気に鮮明にしてくれるだろう」と期待を寄せています。

まとめ

『おさんぽ神保町』の20年の集大成である合本は、神保町の歴史や文化を深く知るための貴重な資料となることが期待されています。クラウドファンディングを通じて、地域の人々や神保町を愛する方々の協力が必要です。以下の内容を表にまとめました。

この合本が神保町の文化を未来に繋げるための重要な一歩となることを願っています。詳細はクラウドファンディングサイト「READYFOR」をご覧ください。