まち未来製作所が5月から横浜市立大学と洋上風力BRPの高度化に着手

洋上風力BRP高度化

開催期間:5月1日〜3月31日

洋上風力BRP高度化
まち未来製作所は何を発表したの?
まち未来製作所は、横浜市立大学と共同で洋上風力発電のBRPビジネスの高度化に2025年5月から着手することを発表しました。
洋上風力発電のBRPって何?
BRPは需給調整業務を指し、発電予測やインバランスリスク管理を行う業務です。洋上風力発電ではこれを高度化して収益改善を図ります。

まち未来製作所と横浜市立大学の共同研究による洋上風力発電のBRP高度化

株式会社まち未来製作所(代表取締役:青山英明、本社:神奈川県横浜市)は、2024年から実施している公立大学法人横浜市立大学(理事長:近野真一)との共同研究の初年度の成果を踏まえ、2025年5月から洋上風力発電のBRP(需給調整業務)ビジネスの高度化に着手することを発表しました。これは再生可能エネルギーによる地方創生と事業収益の改善を推進するための重要なステップです。

まち未来製作所、横浜市立大学と共同で洋上風力BRPの高度化に着手 画像 2

地域共生の危機とその背景

脱炭素社会の実現に向けて、日本政府は洋上風力発電の導入拡大を進めています。具体的には、2030年までに10GW、2040年には最大45GWの導入を目指しています。このような目標に伴い、全国各地で大規模な洋上風力プロジェクトの事業化が進展していますが、現在、洋上風力事業においては「事業収益の悪化による地域共生の危機」という大きな課題が浮上しています。

円安やインフレによる資材の高騰、さらには従来のFIT制度にはなかったBRPの追加がコスト負担となり、発電事業の収益が悪化しています。その結果、地域貢献に充てる予算が減少する懸念が生じているのです。このような状況の中、まち未来製作所は発電事業の収益改善と地域活性化を両立させる仕組み「e.CYCLE(いいサイクル)」を2020年より展開し、BRP事業規模は2024年には43市町村、350,000kW超に達しました。

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研究開発のターゲットと内容

まち未来製作所の「e.CYCLE」は、BRPの「低コスト化」と「高付加価値化」を追求し、地域と発電事業者にメリットを還元するための研究開発を進めています。2024年度からは横浜市立大学と共同で、BRPコストの最小化に関する研究を進めており、2025年度もその取り組みを継続・拡大する予定です。

2024年度には、以下のような具体的な取り組みが行われました:

  • 陸上風力と太陽光発電の予測を行うためのメッシュ気象データベースやAPIの構築
  • 発電量予測モデルの開発・評価
  • 電力トレーディングに関する運用評価や市場予測モデルの構築

これにより、「e.CYCLE」のBRP業務における大きなコスト削減効果が確認されました。2025年度には、気象予測のメッシュデータベースの対象領域を洋上に拡大し、波浪データを取り入れることで、洋上風力発電に特有の予測精度の向上を図ります。

さらに、高付加価値化の取り組みとして、まち未来製作所では独自の「日本版24/7」モデルを開発中です。このモデルは、バーチャルPPAなどRE100企業に対し、国内法に準拠しつつ、国際標準のトレーサビリティを提供するものです。詳細は別途プレスリリースで発表される予定です。

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共同研究の詳細と今後の展望

横浜市立大学との共同研究は、2025年5月1日から2026年3月31日までの期間にわたり、以下の主な開発内容が含まれます:

  1. 気象データ(三十分大気解析データ)のデータベース化
  2. 三十分大気解析データを用いた洋上風力の発電量予測モデルの開発
  3. トレーディング予測モデルの評価、改善

この開発における担当教授は、横浜市立大学の佐藤彰洋教授です。佐藤教授は、データサイエンス専攻の専門家であり、メッシュ統計データの利活用に関する豊富な知見を有しています。彼の研究は、再生可能エネルギーの発展に寄与する重要な役割を果たすでしょう。

まち未来製作所の企業情報と「e.CYCLE」について

株式会社まち未来製作所は、地域を再生する再生可能エネルギー“地域再エネ”の地産地消と地域間流通を通じて地域活性化を実現することを目的としており、再エネアグリゲーションプラットフォーム「e.CYCLE(いいサイクル)」を開発・提供しています。

「e.CYCLE」は再エネに関わる自治体、発電所、小売電気事業者、そして電力消費者をつなぐプラットフォームで、再エネの“地産地消”や、友好都市への任意の輸出を可能にし、地域活性化の原資を再エネの産地に還元することが特徴です。

項目 詳細
会社名 株式会社まち未来製作所
代表者 青山英明
設立 2016年11月1日
所在地 神奈川県横浜市中区海岸通4-17 東信ビル6F
資本金 1,500万円
研究開発期間 2025年5月1日〜2026年3月31日
共同研究機関 横浜市立大学
担当教授 佐藤彰洋教授

まち未来製作所は、再エネと地域の共生・地域活性化を目指し、今後もさまざまな取り組みを進めていく予定です。これらの活動は、再生可能エネルギーの普及と地域社会の発展に寄与するものと期待されています。

参考リンク: