フェリックス・フランシス『覚悟』が5月8日刊行！競馬ミステリーの新章開幕

伝説の競馬ミステリーが再起動

株式会社文藝春秋が、フェリックス・フランシスの最新作『覚悟』を2025年5月8日に文春文庫から刊行することを発表しました。この作品は、競馬界の不正を追求する探偵シッド・ハレーの物語であり、ディック・フランシスの名作を受け継ぐ形で新たに展開される「新・競馬シリーズ」の第一弾となります。ミステリー史に名を刻んだヒーローが帰ってくることに、多くのファンが期待を寄せています。

『覚悟』のあらすじとキャラクター

『覚悟』の主人公であるシッド・ハレーは、落馬事故で左手を失った元騎手です。しかし、彼はその不屈の意志で競馬界最高の調査員として名を馳せました。6年前に命がけの仕事から引退し、現在は妻子とともに平穏な生活を送っていますが、競馬界の重鎮スチュアート卿から不正の疑惑があるレースについて相談を受けます。

ハレーは調査依頼を固辞しますが、翌朝、スチュアート卿が変死を遂げたとの知らせが入ります。この出来事をきっかけに、彼は卿の遺志を継ぎ、卑劣な敵のひそむ闇に踏み込むことを決意します。調査を阻止しようとする敵の魔手が彼の周囲に迫る中、ハレーは果敢に真実を追求していきます。

シッド・ハレーの魅力

シッド・ハレーは、ディック・フランシスの名作『大穴』や『利腕』に登場したキャラクターであり、多くの読者に愛されてきました。彼のキャラクターは、ただの探偵ではなく、競馬界の内情に精通した人物であるため、作品にリアリティと深みを与えています。

本作では、ハレーがどのようにして不正を暴いていくのか、その過程が非常に緊迫感を持って描かれています。読者は彼の成長と葛藤を通じて、競馬界の裏側に隠された真実に迫ることができます。

ディック・フランシスとその遺産

ディック・フランシスは、競馬界の名騎手としての経験を活かし、44作に及ぶサスペンスシリーズを発表しました。彼は英国推理作家協会のダガー賞を二度、アメリカ探偵作家クラブのエドガー賞を三度受賞するなど、その作品は世界的に高く評価されています。

特に、八百長トリックを扱った『興奮』や、ダガー賞とエドガー賞のW受賞を果たした『利腕』など、数々の名作が読者の心を掴んできました。ディック・フランシスは2010年に亡くなりましたが、彼の作品は今なお多くの読者に愛され続けています。

フェリックス・フランシスの挑戦

ディック・フランシスの次男であるフェリックス・フランシスは、父の作品に長年アシストしてきた経験を持ちます。彼が父の衣鉢を継いで開始したのが「新・競馬シリーズ」です。『覚悟』はその第一弾であり、ファンにとっては待望の新作となります。

フェリックスは父のスタイルを引き継ぎつつ、新たな視点で物語を展開させることで、読者に新鮮な感動を提供することを目指しています。今後も、彼の作品がどのように進化していくのか、注目が集まります。

新・競馬シリーズのデザインと書誌情報

新たに刊行される『覚悟』の背表紙は、父ディック・フランシスのシリーズと同じ緑色のデザインが採用されています。文春文庫の海外ミステリーとしては46年の歴史の中で初めての試みであり、ファンの書棚に違和感なく並べることができるよう配慮されています。

このデザインは、ハヤカワ文庫の競馬シリーズにリスペクトを捧げたものであり、フランシス・グリーンの美しい背表紙が特徴です。デザインに対するこだわりも感じられる一冊となっています。

書誌情報

『覚悟』は、競馬ファンだけでなく、ミステリー愛好家にも必見の一冊です。ディック・フランシスの名作を受け継ぐ作品として、フェリックス・フランシスがどのように物語を紡いでいくのか、期待が高まります。

まとめ

この記事では、フェリックス・フランシスの最新作『覚悟』の刊行情報や、作品のあらすじ、ディック・フランシスの遺産、そして新・競馬シリーズのデザインについて詳細に紹介しました。以下に、この記事で取り上げた内容を表にまとめました。

このように、フェリックス・フランシスによる新たな競馬ミステリーの登場は、多くの読者にとって待望のニュースとなっています。競馬の魅力とミステリーの緊迫感が融合した作品を通じて、新しい読書体験を楽しむことができるでしょう。