ストラテジックキャピタルが6月に日本製鉄への株主提案を公表、経営改善を目指す

株主提案公表

開催日:6月1日

株主提案公表
ストラテジックキャピタルが日本製鉄に提案した内容って何?
提案は上場子会社の少数株主保護、代表取締役報酬の見直し、クローバック条項の追加など、経営の透明性向上を目指しています。
日本製鉄の株主総会はいつ開催されるの?
日本製鉄の定時株主総会は2025年6月に開催予定です。具体的な日付はまだ明らかにされていません。

株式会社ストラテジックキャピタルが日本製鉄株式会社への株主提案を公表

2025年4月17日、株式会社ストラテジックキャピタルは、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)との間で投資一任契約を締結し、ファンド及び同社(以下「提案株主」と総称します。)が日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」または「当社」といいます。)の議決権を300個以上、6か月前から引き続き保有していることを発表しました。

提案株主は、来る6月に開催予定の当社の定時株主総会に向けて株主提案権を行使する書面を発送し、これを公表する運びとなりました。日本製鉄は、2025年3月末時点で上場子会社を5社保有していますが、そのうち4社のPBR(株価純資産倍率)は1倍未満であり、子会社の怠慢な経営を放置していると指摘しています。また、当社はそのうちの1社である山陽特殊製鋼株式会社をPBRわずか0.66倍の株価で完全子会社化し、非公開化することを公表しています。

提案の背景と目的

提案株主は、日本製鉄グループの怠慢な経営の是正を目的として、株主提案を行うことを決定しました。具体的には、以下の3つのポイントが提案の中心となっています。

  • 上場子会社の少数株主保護: 適切な開示や問題のある上場子会社への対応を行うこと。
  • 代表取締役の報酬構成の見直し: 固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の割合を変更すること。
  • 報酬にクローバック条項を追加: 代表取締役に対する報酬に対して、一定の条件下での返還を求めること。

これらの提案は、株主価値の最大化を目指すものであり、特に上場子会社の経営における透明性を高めることが求められています。

株主提案の具体的内容

提案株主が提案する議題の内容は以下の通りです。

  1. 子会社管理に係る定款変更: 現行の定款に子会社の管理に関する章を新設し、上場子会社の経営計画の妥当性や少数株主の利益を保護するガバナンス体制について、取締役会で年に1回以上審議し、その結果を報告書に開示することを求めます。
  2. 代表取締役に対する報酬の見直し: 代表取締役に譲渡制限付株式報酬を付与し、報酬構成比を変更することを提案します。具体的には、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の比率を30:30:40に変更することを求めています。
  3. 業績連動報酬にクローバック条項の追加: 代表取締役に対する業績連動報酬の支払いを繰り延べ、買収等に関連する損失が発生した場合にはその一部を没収することを求める内容です。

今後の展開と特設サイトの開設

提案株主は、今後開設予定の特設サイトにおいて、提案の背景や詳細な説明を掲載する予定です。この特設サイトは、株式会社ストラテジックキャピタルの公式ホームページ(https://stracap.jp/)にてお知らせされる予定です。

また、提案株主は、当社の子会社の一つである大阪製鐵株式会社に対しても、定時株主総会に向けた株主提案を行う計画です。大阪製鐵に対する提案の詳細についても特設サイトで発表される見込みです。

提案の理由とその重要性

提案株主は、子会社の怠慢な経営を放置することは、株主にとっての利益を損なうものであると考えています。特に、親会社である日本製鉄のPBRが1倍を割れている状況において、代表取締役が高額な報酬を受け取ることは、株主の信頼を損なう要因となります。

そのため、提案株主は、経営の透明性を高め、少数株主の利益を保護するための具体的な施策を提案しています。これにより、企業価値の向上を図ることが期待されています。

提案内容のまとめ

提案内容 詳細
子会社管理に係る定款変更 上場子会社の経営計画の妥当性を年に1回以上審議し、結果を報告書に開示
代表取締役に対する報酬の見直し 譲渡制限付株式報酬の導入、報酬構成比を30:30:40に変更
業績連動報酬にクローバック条項の追加 損失が発生した場合に業績連動報酬の一部を没収

このように、株式会社ストラテジックキャピタルの提案は、日本製鉄の経営改善を目指す重要な施策であり、株主の権利を強化するための具体的な手段を提示しています。企業のガバナンス向上に向けた取り組みが、今後どのように進展していくのか注目されます。

参考リンク: