短編映画「誰も悪くないのにね」4月10日公開、LGBTQ+のリアルを描く感動作
ベストカレンダー編集部
2025年4月10日 17:15
映画公開
開催日:4月10日

短編映画「誰も悪くないのにね」4月10日公開
公益社団法人Marriage For All Japan(以下、マリフォー)は、同性パートナーの存在をカミングアウトした息子とその家族のリアルを描いた短編映画「誰も悪くないのにね」を2025年4月10日(木)12時よりYoutube上で公開します。この映画は、全国15地域から寄せられた「心が動く瞬間」の実話をもとに制作されており、LGBTQ+への理解を深めることを目的としています。

制作の背景と目的
LGBTQ+などの性的マイノリティに対する理解が進む中、当事者の家族や友人、同僚など周囲の人々が抱える葛藤や気持ちの変化に焦点を当てることは少ないのが現状です。本作品は、当事者の近くにいる人々がどのように感じ、どのように変わっていくのかを描くことで、より多くの人に共感を得て、自分ごと化してもらうことを目指しています。
このプロジェクトは、2023年から日本全国でLGBTQ+活動を行っている団体と連携し、地域単位で活動する「結婚の平等にYES!~YES!FOR MARRIAGE EQUALITY」からスタートしました。全国15地域から集まったエピソードの中から、高崎卓馬氏が一つを選出し、実話に基づいたストーリーとして脚本が作成されました。

ストーリーの概要
本作のストーリーは、大学を卒業する前に両親にカミングアウトを決意した息子が、どのようにその思いを伝えるかに焦点を当てています。特に父親がどのように反応するかが心配で、緊張感の中でカミングアウトを行います。その瞬間、カミングアウトする側とされる側の心情が描かれ、彼らの間に生じる痛みや新たな関係の始まりを表現しています。
実際に届いたエピソードの一つには、息子がカミングアウトの際に手紙とパートナーとのツーショットを渡し、父親がその場では受け入れたものの、帰宅後にはその手紙を捨てるよう母親に指示したというものがあります。このエピソードは、カミングアウトに伴う複雑な感情を象徴しています。

届けたいメッセージ
本作品は、単なるカミングアウトの物語ではなく、「大切な人と人生を共に過ごしたい」という思いが、カミングアウトを通じてどのように苦しさに変わるのかを描いています。LGBTQ+当事者が抱える苦しみや周囲の葛藤を通じて、同性婚が法的に保障されることの重要性を訴えています。
作品を通じて、観客が「自分だったらどう感じるか」を考え、より良い社会を作るための一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。

記者発表の実施
2025年4月10日には、厚生労働省で本作品の記者発表が行われました。登壇者からは、映画が他人の世界を想像するための道具であることや、カミングアウトを通じて優しい気持ちを持って世界を作ることの重要性が語られました。また、同性婚に関する法律の現状についても触れられ、法改正に向けた具体的なアクションを呼びかけました。
特に、公益社団法人Marriage For All Japanの共同代表である寺原真希子氏は、マイノリティ当事者やその家族が苦しむ原因が現在の法制度にあることを強調し、観客に対して感情を法改正に向けた具体的なアクションに繋げて欲しいと訴えました。

作品概要
この短編映画の詳細は以下の通りです。
タイトル | 公開日 | 予告編URL | 本編URL |
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誰も悪くないのにね | 2025年4月10日(木)12:00 | 予告編 | 本編 |
出演者には杉田雷麟、服部樹咲、河井青葉、赤堀雅秋などが名を連ね、企画・原案は高崎卓馬氏、監督・脚本は大森歩氏が担当しています。音楽は林正樹氏が手掛け、制作は株式会社スプーンが行っています。
高崎卓馬氏は、クリエイティブ・ディレクターであり、小説家としても知られています。彼は数々の受賞歴を持ち、映画「PERFECT DAYS」では脚本・プロデュースを担当しました。大森歩氏は、監督としての実績も豊富で、多くの映画祭で受賞歴があります。
本作は、カミングアウトに伴う心の葛藤や、それに対する周囲の反応を描くことで、観客に深いメッセージを届けることを目指しています。社会における差別や偏見をなくすための一助となることを願っています。
参考リンク: