9月13日に話題!積読チャンネルが8000冊完売の秘密を公開

積読チャンネル成功

開催日:9月13日

積読チャンネル成功
積読チャンネルってどんな内容のYouTubeチャンネルなの?
積読チャンネルは、バリューブックスの社員が本を紹介するYouTubeチャンネルで、視聴者の積読を増やすことを目的としています。
どうして積読チャンネルは成功しているの?
多彩なジャンル紹介や書店員の選書力、フラットな組織体制、購入特典が視聴者の支持を集め、成功しています。

出版不況に挑む新たなアプローチ

近年、日本の出版業界は深刻な課題に直面しています。紙媒体の売上は低下し続け、書店数も減少の一途をたどっています。1996年のピーク時に比べ、2023年には約60%も減少し、推定販売金額は1兆612億円にまで落ち込んでいます。書店数も、2013年には約1万5,602店だったものが、2023年度には1万918店と約30%も減少し、全国の市区町村の約27.9%には書店が存在しない状況です。このような厳しい環境の中、株式会社バリューブックスは新たな手法を模索し、2024年1月に公式YouTubeチャンネル「積読チャンネル」を開設しました。

1本の動画で8,000冊完売!出版不況に挑むYouTube「積読チャンネル」―オンライン書店がアップデートする“本の売り方”― 画像 2

「積読チャンネル」の成功事例

「積読チャンネル」は、バリューブックスの社員である飯田光平が担当し、毎週月曜日と金曜日の17:00に本を紹介する動画を配信しています。このチャンネルは、視聴者の積読を増やすことをコンセプトにしており、特に注目すべきは、2024年9月13日に配信された第52回の動画です。この動画では、永田礼路氏の同人誌『螺旋じかけの海』を紹介し、公開後わずか数時間で初回入荷分の1,000冊が完売しました。その後も予約販売を通じて累計8,000冊の販売を達成しました。

この成功を受けて、飯田はnoteに「1本の動画で8,000冊の本を売った話」という記事を執筆し、1,247件の“スキ”を獲得しました。このように、YouTubeを活用した新たなアプローチが、出版不況の中での書籍販売において大きな成果を上げています。

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年間累計13,542冊の販売実績

「積読チャンネル」は、2024年12月31日時点で83本の動画を配信し、計119冊の新刊を紹介しました。この結果、年間累計で13,542冊の売上を達成しました。さらに、紹介した書籍の中には、視聴者の反応を受けて重版に至ったものも多数あります。

  • 『酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話』(株式会社太田出版)
  • 『世界の研究者が調べたすごすぎる実験の図鑑』(株式会社カンゼン)
  • 『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか』(株式会社青土社)
  • 『カルトのことば』(株式会社白揚社)
  • 『アメリカは自己啓発本でできている』(株式会社平凡社)
  • 『ある行旅死亡人の物語』、『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版株式会社)

このように、視聴者とのインタラクションを大切にしながら、書籍を紹介するスタイルが多くの人々に支持されています。

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視聴者の支持を集める4つのポイント

「積読チャンネル」が視聴者の支持を集める理由は、以下の4つのポイントにあります。

  1. 多彩なジャンル紹介
    小説やビジネス書だけでなく、エッセイやノンフィクション、短歌など、さまざまなジャンルを紹介することで、幅広い読者層にアプローチしています。
  2. 書店員ならではの選書力と訴求力
    飯田光平が自ら選書した本を紹介し、あらすじだけでなくおもしろい箇所を抽出して感想を語ることで、視聴者の「読んでみたい」という意欲を引き出しています。
  3. フラットな組織がもたらすスピード感
    当社はフラットな組織体制を採用しており、社員が自主的に判断し、柔軟に行動できる環境を整えています。これにより、視聴者の反応に迅速に対応できる体制が整っています。
  4. 購入特典の提供
    バリューブックスの公式サイトで書籍を購入した視聴者には特典としておまけ動画を提供し、購入動機を生み出しています。

これらのポイントが相まって、多くの視聴者が「積読チャンネル」に魅了されています。

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バリューブックスの企業理念と今後の展望

バリューブックスは、長野県上田市を拠点とし、「日本および世界中の人々が本を自由に読み、学び、楽しむ環境を整える」というミッションのもと、書籍の買取・販売を行っています。実店舗や移動式書店の運営、寄付事業など、多岐にわたる事業を展開し、よりよい本の循環を目指しています。

今後、「積読チャンネル」は新たな本との出会いを提供する情報源として、出版社や著者と連携し、これから刊行される本をプッシュする役割も果たしていく予定です。また、各ジャンルに詳しい書店員をチームに加え、より多様な視点で番組を盛り上げていくことを目指しています。

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まとめ

項目 内容
チャンネル名 積読チャンネル
開設日 2024年1月
年間累計販売冊数 13,542冊
完売した同人誌 8,000冊
チャンネル登録者数 50,300人
動画総再生数 4,941,083回
企業理念 本を自由に読み、学び、楽しむ環境を整える

このように、バリューブックスの「積読チャンネル」は、出版不況の中で新しい形の書籍販売を実現し、多くの読者に支持される存在となっています。今後の展開にも注目が集まります。

参考リンク: