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東京ビッグサイトで国内初 空飛ぶクルマの実運用実証

空飛ぶクルマ実運用実証

開催期間:2月24日〜2月28日

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空飛ぶクルマ実運用実証
何が実証されたの?
2026年2月24〜28日、東京ビッグサイトでVASを活用した可動式旅客ターミナル運用の検証と、SkyDriveの国産機SD-05による遠隔操縦デモ飛行が行われた実証です。
これで何が進んだの?
顔認証チェックインや運航情報の一元管理、空域監視との連携、遠隔操縦の飛行データ取得で運用上の課題や利便性のフィードバックが得られ、制度設計やサービス改善に活かされます。

東京ビッグサイトで行われた、実運用を想定した空飛ぶクルマの飛行実証

三菱地所株式会社、兼松株式会社、株式会社SkyDriveの3社は、東京都が採択した補助事業「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」の一環として、2026年2月24日から2月28日までの5日間、東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場において、実運用を想定した空飛ぶクルマ(以下、UAM:都市型空飛ぶモビリティ)の飛行実証を実施した。プレスリリースは2026年3月3日14時08分に発表されている。

本実証は、UAMの社会実装を見据え、離着陸場(Vertiport)や旅客ターミナルの運用における課題を抽出することを目的としており、Vertiport Automation System(VAS)を活用した旅客ターミナルのオペレーション検証と、実機によるデモフライトを組み合わせた国内初の取り組みとなる(3社調べ)。期間中は一般参加者向けの見学会も併催され、関係者を含めて延べ1,500人超が来場した。

東京都「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」国内初の空飛ぶクルマの実運用を想定した飛行実証を実施 画像 2

実証の目的と位置づけ

実運用を想定した検証により、旅客ターミナルのチェックインから保安、搭乗、地上運用管理までの一連の流れを実地で確認し、運用上の課題や利便性に関するフィードバックを収集することを狙いとしている。

また、飛行実証では国産機体を用いた遠隔操縦(リモート操縦)によるデモフライトを実施し、空域監視システムへの運航情報取り込みなど、運航管理面での可視化技術の検証も行われた。

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旅客ターミナル(Vertiport)で試されたシステムと利用体験

英Skyports社の協力を受け、Vertiport Automation System(VAS)を備えた可動式の旅客ターミナルを整備し、顔認証によるチェックインや保安検査、搭乗ゲート、ラウンジ等を実際に体験できるモニターを一般募集して運用の実効性を確認した。

モニターの体験を通じて収集したフィードバックは、利便性や運用面の課題整理に用いられ、今後の制度設計やサービス改善に活かされる予定である。ターミナルでは運航情報や周辺空域・設備の状況をシステムで一元管理する運用フローが検証された。

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Vertiport Automation System(VAS)について

Vertiport Automation System(VAS)は、離着陸場の運用を自動化・最適化するためのシステムで、離着陸場の空き状況管理、周辺空域の監視などの運航支援、地上設備やリソースのデジタル管理、チェックインや顧客管理をシームレスに行う機能を備える。高頻度運航時の安全・安心な運用を支援することが目的である。

会場ではVASを用いた運航支援、チェックイン連携、搭乗管理などが実際に動作する様子を来場者が確認できる形で展示された。

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ターミナルの構成と仕様

会場に設置されたターミナルはトレーラーハウスを活用した可動式の施設で、設計は株式会社三菱地所設計、施工はYADOKARI株式会社が担当した。展示・運用の各機能をコンパクトに配置し、都市部での設置や運用を想定した構成になっている。

以下はターミナルの主要スペックと機能である。

項目 内容
延床面積 約54㎡(トレーラーハウス17.06㎡×2基+デッキスペース約20㎡)
設計 株式会社三菱地所設計
施工 YADOKARI株式会社
主な機能
  • ギャラリーエリア:空飛ぶクルマ関連展示・情報提供
  • デッキエリア:展望スペース、搭乗期待感の演出
  • 保安検査エリア:顔認証システムによる自動チェックイン、保安検査
  • ラウンジエリア:待合スペース、運航状況表示などによる快適な待ち時間提供
  • オペレーションルーム:着陸エリア・駐機スポットの空き状況、周辺空域・天候監視、搭乗客状況の一元管理
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デモフライトの詳細と空域監視の取り組み

デモフライトでは、SkyDriveの開発機体「SKYDRIVE(SD-05型)」を用い、遠隔操縦(無人運航を想定したリモート操縦)による飛行が行われた。飛行情報は空域監視システムに取り込まれ、周辺を飛行する他の機体の状況を含めた可視化のデモンストレーションが実施された。

当該デモは都内で初めて国産機体を用いた遠隔操縦デモフライトとして行われたとされる。デモフライトは初日である2026年2月24日に実施された飛行のデータが公開されている。

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使用機体とフライトデータ

使用機体はSkyDrive式SD-05型。仕様と、2月24日第一フライトにおける実績は次のとおりである。

項目 内容
機体名 SkyDrive式 SD-05型
乗員 パイロット1人、乗客2人(合計3人乗り)を想定
サイズ 約11.5m × 約11.3m × 約3m(ローター含む)
最大離陸重量 1,400kg
駆動方式 12基のモーター、ローター(電動)
燃料 バッテリー(電動)
最高速度 100 km/h(対気速度)
航続距離 15~40 km
当日の飛行距離 150 m
飛行時間 約3分30秒
飛行速度(デモ時) 4 m/s
飛行高度(デモ時) 13 m

空域監視システムの役割

本実証では、飛行する空域において周辺を飛行する他の機体(飛行機やヘリコプター等)を監視する空域監視システムに運航情報を取り込むことで、飛行経路や周辺環境の可視化を行った。これにより、運航管理者やオペレーションルームが安全確保と運用調整を行いやすくすることが狙いである。

空域監視との連携は、都市部での高頻度運航を前提とした運航支援の一部として位置づけられており、VASと合わせた総合的な運航管理システムの可能性を示すものとなった。

実施体制と関係者、展示・来場の状況

この実証は三菱地所が全体統括を担い、兼松が海外の規制・技術動向の情報提供やポート運営検討、SkyDriveが運航実証と機体提供、運航に関する調整およびビジネスモデル検討を行う体制で実施された。英Skyports社からの協力を得てVASを活用したターミナル運用実証を実施した点も特徴である。

期間中、2月24日にメディアデーが開催され、関係者および東京都副知事らが来訪した。会場の見学会には一般来場者も参加し、離着陸や運航管理施設を間近で確認する機会が提供された。

来場者・関係者の一覧(プレスリリース記載)

プレスリリースには当日の来訪者・関係者として以下の人物が写真等で紹介されている。

  • 三菱地所株式会社 丸の内業務企画部長 塩入 啓之
  • 東京都 デジタルサービス局長 高野 克己
  • 東京都 副知事 松本 明子
  • 東京都議会 議長 増子 博樹
  • 江東区長 大久保 朋果
  • 東京都 副知事 宮坂 学
  • 東京都議会副議長 菅野 弘一
  • 株式会社SkyDrive 代表取締役 Founder / CEO 福澤 知浩
  • 兼松株式会社 常務執行役員 城所 僚一
  • Skyports Limited. CEO & Founder Duncan Walker

来場者数は関係者・一般を合わせて1,500人超に上ったと報告されている。

関連映像・資料

実証の様子を撮影した映像はSkyDriveが作成し、公開されている。映像はYouTubeで視聴可能で、URLは以下のとおりである。

https://youtu.be/lI0tTF3c9Ak

参加企業の役割分担とSkyDriveの企業概要

本プロジェクトに参加する各社の役割は明確に分担されており、それぞれの専門性を活かした実証が行われた。三菱地所は都市実装検討とターミナル整備を、兼松は海外の与件整理とポート運営検討、SkyDriveは運航実証やビジネスモデル検討を担っている。

以下に各社の主な役割を簡潔に示す。

三菱地所
全体統括、運航与件・ポート与件を踏まえた都市やビル等への実装検討、ターミナル整備
兼松
海外の規制・技術動向を踏まえたポート与件情報提供、ポート運営に関する検討、VASを活用したターミナル運用実証(英Skyports社と協力)
SkyDrive
運航実証の実施、運航事業目線でのポート与件整理、航空管制・運航に関する検討・調整、ビジネスモデル検討

株式会社SkyDriveの概要(プレスリリース記載)

SkyDriveは2018年7月に設立され、代表取締役CEOは福澤知浩氏。企業の所在地や複数の開発・テスト拠点、子会社の情報、および事業の沿革と目標が公表されている。

以下にリリースで示されたSkyDriveの情報を整理する。

項目 内容
設立 2018年7月
代表者 代表取締役CEO 福澤知浩
URL https://skydrive.co.jp/
主な拠点
  • 豊田本社:愛知県豊田市挙母町2-1-1
  • 豊田開発センター、豊田テストフィールド:愛知県豊田市
  • 名古屋空港オフィス(愛知県)
  • 東京オフィス:東京都千代田区平河町
  • 大阪オフィス:大阪府大阪市(梅田)
  • 山口テストフィールド:山口県山口市阿知須
子会社
  • 株式会社Sky Works(静岡県磐田市)
  • SkyDrive America, Inc.(米国 South Carolina)
  • 株式会社AlterSky(愛知県豊田市)
事業内容・沿革
  • 「日常の移動に空を活用する」未来を目指し、空飛ぶクルマの開発・製造を実施
  • スズキグループの工場(静岡県磐田市)で製造を開始
  • 官民協議会の構成員として制度設計にも関与
  • 2020年に日本で初めて公開有人飛行試験に成功
  • 2025年には大阪・関西万博でデモフライトを実施
  • 2028年のサービス開始を目指し開発を継続

本実証はSkyDriveが掲げる「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」というミッションに紐づく取り組みの一環として位置づけられている。

今回の実証で明らかになったポイントと要点の整理

本章では、記事内で取り上げた主要事項を表形式で整理する。実証の日時・目的、機体・ターミナルの仕様、参加企業の役割、来場者数、関連リンク等を一覧化して読み取りやすくまとめる。

以下の表は本実証の主要な事実関係を簡潔に示すものである。

項目 内容
発表タイトル 東京都「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」国内初の空飛ぶクルマの実運用を想定した飛行実証を実施
発表日 2026年3月3日 14時08分(株式会社SkyDrive発表)
実施期間 2026年2月24日〜2月28日(5日間)
会場 東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場
参加企業 三菱地所株式会社、兼松株式会社、株式会社SkyDrive(英Skyports社協力)
実証の主な内容 VASを活用した旅客ターミナル運用検証(顔認証チェックイン、保安検査等)およびSD-05型によるデモフライト(遠隔操縦想定)と空域監視連携
来場者数 関係者含め1,500人超
使用機体(デモ) SkyDrive式 SD-05型(3人乗り、電動、最高速度100 km/h、航続15〜40 km)
デモフライトの実績 飛行距離150m、飛行時間約3分30秒、飛行速度4m/s、飛行高度13m(2026年2月24日第一フライト)
関連映像 実証の映像(YouTube)
参照URL 株式会社SkyDrive 公式サイト

実証に含まれる全ての要素は、本稿で紹介したとおり、ターミナルの運用検証から機体による飛行データ取得、空域管理連携、来場者への公開まで幅広く網羅されている。これらのデータや参加者のフィードバックは、空飛ぶモビリティの安全性や運用性を検証し、社会実装に向けた制度設計やビジネスモデルの検討に資する情報となると見られる。