EDINET DB正式リリース、βでAPI登録1,300件超
ベストカレンダー編集部
2026年3月1日 12:07
EDINET DB正式リリース
開催日:3月1日
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β公開から約10日で見えた利用状況とユーザー層
カボシア株式会社が提供する日本株の有価証券報告書を名寄せした財務データ基盤「EDINET DB」は、2026年2月17日にβ公開され、約10日間でAPIキー発行数が1,300件超に達しました。公開後の主要指標としては、月間APIリクエストが50万件超、AIツール連携(MCP)が1.5万件超、月間ユニークユーザー数は約4,000名、月間API利用者数は600名超に達しています。対応企業は全上場内国法人の3,846社です(2月28日時点のパフォーマンスダッシュボードに基づく)。
プレスリリース配信とSNS(X)での拡散をきっかけに、公認会計士、個人投資家、AIエンジニアなど多様なユーザーが登録しました。反応としては、「手作業で加工していたデータ処理が不要になりそうだ」「ChatGPTで誤った数値が返る課題が解消される」といった評価のほか、開発者がEDINET DB APIを使って20分でプロトタイプを完成させるなどの事例も報告されています。一方、配当性向算出ロジックの修正依頼やXBRLタグマッピングの追加要望など、データ誤りや取得漏れの指摘も受けており、報告当日中の対応事例もあります。
β期間中の改善サイクル
β公開後約10日間で、開発チームは合計67回のコード更新を実施しました。ユーザーからのフィードバックを受けての迅速な改善と、社内品質チェックの両面から改修を進めた点が特徴です。
具体的な改善は多岐にわたり、財務項目の拡充、テキストデータの全文提供、AI所見の統一化、カバレッジ向上など、サービスの基盤に関わる部分の強化が中心でした。
AIが財務データで誤る理由とEDINET DBの技術的アプローチ
AIに対して「トヨタの営業利益率は?」と尋ねても常に正しい数値が返るとは限りません。これは、Web検索で取得するデータが古い、出典不明、あるいは数字そのものが誤っているなど、いわゆるハルシネーションの要因が存在するためです。こうした問題の一因は、AIが参照できる構造化された財務データベースが限られている点にあります。
金融庁EDINETには全上場企業の有価証券報告書がXBRL形式で公開されており、公共データとして無料でアクセス可能ですが、会計基準ごと(JP GAAP、IFRS、US GAAP)に科目名が異なり、企業独自の拡張タグも存在するため、企業横断で同一指標を比較するためには名寄せ処理が不可欠です。
名寄せロジックとフォールバック機構
EDINET DBは、3会計基準にまたがる170以上のXBRLタグマッピングを持ち、企業独自の拡張タグに対応するフォールバック機構を実装して名寄せを自動化しています。名寄せロジックはドキュメントで公開されており、外部からも検証可能です。
この構造化データをAPI経由でAIツールが直接参照することで、Web検索でトークンを消費して情報を探す必要がなくなり、ハルシネーションのリスクを低減します。結果として、単一企業の取得だけでなく、3,846社を横断した一貫した分析が可能になる点が本サービスの本質です。
正式リリースの提供内容:料金・データ・接続方式
正式リリースの要点は、APIとMCP(リモートMCPサーバー)を通じて名寄せ済みの有価証券報告書データを提供し、商用利用を許可する点です。Webでの企業情報閲覧は登録不要で全機能が無料です。課金対象はAPIおよびMCPの利用のみとなります。
さらに、Freeプラン(100回/日)でもAIチャット経由(MCP)でおよそ1日約30回程度のAI分析が可能とされています。APIは全プランで商用利用が可能ですが、データの丸ごと再配布・再API化は禁止されています。EDINET DBを利用した公開サービスには、バッチでのデータ出典表示が義務付けられます。
料金プラン(正式リリース)
| プラン | 月額 | API上限 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 100回/日 | MCP利用、ライトユーザー |
| Pro | ¥4,980 | 1,000回/日 | 個人開発者、投資家 |
| Business | ¥29,800 | 10,000回/日 | 法人、全社スキャン |
| Enterprise | 個別見積 | カスタム | SLA・専用サポート |
β登録者特典として、β公開時に登録した全ユーザーは有料プランが永久半額となります(Pro: ¥4,980→¥2,490、Business: ¥29,800→¥14,900)。また、3月7日まではβプラン(Pro相当の1,000回/日)で無料利用を継続でき、それ以降はアップグレードしない場合はFreeプランへ自動移行します。
主な提供データと接続先
EDINET DBが提供するデータは以下の通りです。データのカバレッジや算出ロジックはサイト上で全て公開されています。
- 企業基本情報(証券コード、業種、会計基準)
- 最大6年分の時系列財務データ(売上高、営業利益、有利子負債、ROE、EPSなど69項目)
- 財務健全性スコア(0〜100、算出ロジック全公開)
- 業種別ランキング(ROE、営業利益率、配当利回り、3年CAGRなど18指標)
- 有価証券報告書テキスト全文(事業の内容、リスク情報、MD&Aなど、文字数制限なし)
- AI生成の企業分析サマリー(全3,846社、Claudeで統一生成、全件400字以上)
接続については、Claude.ai、ChatGPT、Cursor、WindsurfなどのAIツールからMCPプロトコルで接続できます。EDINET DBはリモートMCPサーバーを提供しているため、ユーザー側でローカルサーバーを構築する必要はありません。ブラウザベースのAIから直接データ参照が可能であり、同様の用途でブラウザから直接接続できるサービスは日本初としています(当社調べ、2026年2月28日時点)。
β期間中の改良点、品質管理、今後の開発予定
β期間中に行われた主な改善点は次の通りです。まず、財務データ項目を24項目から69項目に拡張し、有利子負債の6科目、棚卸資産の9科目、売上原価、販管費、減価償却費、研究開発費など計45項目を追加しました。EBITDA、DEレシオ、粗利率などの派生指標もAPIで取得可能になっています。
営業利益のカバレッジは83%から97%に改善され、個別決算のみの企業約530社で発生していた取得漏れが修正されました。残りの約3%は銀行・保険・IFRS商社など、制度上営業利益を開示しない企業が原因です。
テキストとAI分析の改善、透明性・セキュリティ
有価証券報告書のテキストはβ初期の約2,000字制限を撤廃し、事業説明やリスク情報を全文提供する仕様に変更しました。APIからも全文を返す設計です。AIによる企業分析は全社分をAnthropicのClaudeで統一して生成し、すべて自然文フォーマットかつ400字以上で提供します。
データの透明性も強化されており、営業利益がNULLの場合はAPIレスポンスでその理由を明記します。名寄せロジックや財務健全性スコアの算出方法も全てドキュメントで公開しています。セキュリティ面では外部を含む2段階レビューを実施し、計16件の問題点を検出して11件を修正しました。
今後の開発予定(4〜5月に向けた項目)
- 適時開示(TDnet)速報対応:決算短信の自動取得と速報表示、AIによる決算要約の準備。
- 配当・株式分割調整済みデータの提供:EDINET報告値は分割未調整のため、調整済みDPS・EPSを提供。
- 時系列データの拡張:現在のFY2020〜FY2025(最大6年)から大幅に収録期間を拡充予定。
- Anthropic MCPディレクトリ掲載申請:Claude公式MCP一覧への掲載を目指す。
- APIダッシュボードパッケージ配布:業界分析テンプレートをGitHubで公開し、APIキー取得後すぐに分析開始可能な環境を提供。
進捗はX(@edinetdb)で随時発信するとしています。
サービス要約と会社・問い合わせ情報
以下に本記事で紹介した主要事項を表形式で整理します。内容には提供データ、料金、対応企業数、β特典、接続仕様、そして会社・問い合わせ先の情報が含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | EDINET DB |
| 公開日 | β公開:2026年2月17日 / 正式リリース発表:2026年3月1日 |
| 対応企業数 | 全上場内国法人 3,846社 |
| 提供データ | 企業基本情報、時系列財務データ(69項目・最大6年)、財務健全性スコア(0〜100)、業種別ランキング(18指標)、有報テキスト全文、AI生成サマリー |
| 接続方式 | REST API v1(11エンドポイント) + リモートMCPサーバー(Claude.ai、ChatGPT、Cursor、Windsurf等対応) |
| 料金プラン | Free ¥0(100回/日)、Pro ¥4,980(1,000回/日)、Business ¥29,800(10,000回/日)、Enterprise 個別見積 |
| β特典 | 2/17〜3/7にAPIキー取得したユーザーは有料プランが永久半額(Pro ¥2,490、Business ¥14,900) |
| 商用利用 | 全プランで商用利用可(丸ごとの再配布・再API化は禁止)、公開サービスはデータ出典表示義務 |
| 主要改善点(β中) | 財務項目 24→69、営業利益カバレッジ 83%→97%、有報テキスト全文提供、AI所見全件400字以上で統一、67回のコード更新 |
| セキュリティ | 外部含む2段階レビューで16件検出、11件修正 |
| データソース | 金融庁 EDINET(有価証券報告書) |
| 会社名 | カボシア株式会社(代表:小池 陸 / 所在地:東京都港区芝浦1丁目9-7) |
| URL・問い合わせ | サービスURL: https://edinetdb.jp / メール: edinetdb@cabocia.jp / X: @edinetdb |
本稿はカボシア株式会社のプレスリリース情報に基づき、β公開から正式リリースにかけての実績、技術的な狙い、提供データ・料金・接続仕様、β期間中の改善点、今後の開発予定、会社情報および問い合わせ先を網羅的に整理して伝えた。