ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』劇場上映中、若手クララ語る
ベストカレンダー編集部
2026年2月22日 16:42
くるみ割り人形劇場公開
開催期間:2月20日〜2月26日
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冬の名作が劇場で蘇る──ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』が1週間限定公開中
東宝東和配給による「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2025/26」ラインナップの一作として、ピーター・ライト版『くるみ割り人形』が映画館で上映中です。公開は2026年2月20日(金)から2月26日(木)までの1週間限定で、TOHOシネマズ日本橋ほかでの公開となっています。
本作は世界でも冬の風物詩として親しまれている作品で、1984年のロイヤル・バレエでの初演以来600回以上上演されてきたピーター・ライト版。チャイコフスキーの音楽、美術・照明・振付の調和がスクリーンで再現されています。配給元は東宝東和株式会社、公式情報は配給公式サイト(http://tohotowa.co.jp/roh/)および公式X(https://x.com/rbocinema)で確認できます。
クララを演じた若き才能:マリアンナ・ツェンベンホイの声
映画館上映版でクララを演じているのはウクライナ出身の若手ダンサー、マリアンナ・ツェンベンホイ(インタビュー当日で25歳)。本作の公開に合わせて行ったインタビューでは、クララという役への向き合い方、舞台での表現、また個人的なバックグラウンドまで率直に語っています。
インタビューはマリアンナが『ウルフ・ワークス』と『ジゼル』のリハーサルで多忙な中に行われ、彼女は今月末に『ジゼル』で主演デビューを控えていること、そしてまだファースト・アーティストであるがゆえの期待と挑戦についても言及しました。以下にインタビューの要旨と彼女の発言を整理します。
クララ像について:成長する少女としての表現
クララを演じる際に大切にしている点について、マリアンナはキャラクターが「大人と子供の微妙な境界線の上にいる」ことを挙げています。彼女は「思春期の少女」であり、くるみ割り人形(ハンス・ピーター)に出会うことで初めての感情、いわば初恋のような気持ちを知ると説明しました。
彼女は具体的に次のように述べています。「クララは新しい感情を発見している思春期の少女です。くるみ割り人形の姿をしているドロッセルマイヤーの甥ハンス・ピーターに出会った時、初恋かもしれない、という感情を彼女は初めて知ります。そして人間の姿になった彼に出会い、恋に落ちて、それは彼女にとっては本当に初めての経験です」。振付・音楽・セットの一連の流れが、子供から大人への移行を示すという観点も強調しています。
役作りと演技の変化、舞台上での工夫
マリアンナはクララ役を二度目に演じる経験から、自身の解釈に変化が生じていると語りました。22歳で初演したときから25歳になった現在では、ペース配分や強弱の付け方、得意な技術(ジャンプなど)を生かす方法を模索しているとのことです。
彼女は「ここは重点的に演じて、ここはちょっと抑え目にしなければというのがわかってきました」と述べ、同じ場面を繰り返す際にも常に新鮮さを保つ努力をしていることを明かしました。特に2幕のディヴェルティスマンやローズ・フェアリーと踊る場面で他のダンサーとのやり取りを大切にしていると語っています。
パートナーシップ、影響、そして個人的背景
当初のパートナーが怪我で降板したため、急遽中尾太亮と組むことになった経緯について、マリアンナは短期間のリハーサルながら「素晴らしい経験でした」「彼はとても良いパートナーで、人間としてもとても素敵な人です」と述べ、短期間で信頼関係を築いたことを語っています。
ダンサーとして最も大きな影響を与えた人物については母親を挙げ、母が数学者で一人で兄弟たちを育て上げたこと、その忍耐強さや勤勉さ、困難にあきらめない姿勢が自身の基盤になっていると説明しました。母の存在は彼女にとって「一番の目標」であり、強い影響力の源であるという言葉が返されました。
『ジゼル』への期待、トレーニングと国際経験
2月末に主演デビューを控える『ジゼル』については、役の身体的・感情的な難しさを自覚しつつも、リアン・ベンジャミンやエドワード・ワトソンといった指導者の存在、アルブレヒト役を務めるプリンシパルのジョセフ・シセンズの指導で歩みを進めていると語りました。狂乱の場面の感情表現の難しさ、ウィリの世界での幽玄さを獲得するプロセスに向けた意欲が示されています。
また彼女の経歴として、ウクライナの地元バレエ学校、キエフ舞踊大学を経てYAGPのスカラシップでロイヤル・バレエスクールに移った経緯を明かしました。英国スタイルへの適応は「新しい言葉を学ぶような」変化であり、ニコラ・トラナらの指導が現在の基礎を形作ったとしています。スクール時代にアシュトンやド・ヴァロワ、マクミランの作品を理論的にも身体的にも学んだことが、現在の表現に寄与しているとのことです。
余暇と日本訪問、映画館で観る観客へのメッセージ
オフの日の過ごし方については、読書や友人との時間、ロンドンの美術館訪問、映画館での映画鑑賞、サウナや水泳などバレエ以外の活動で気分転換を図ると説明しています。シーズン中は多忙だが、可能な限りバレエから離れる時間を作るようにしているとのことでした。
日本については2023年夏にロイヤル・バレエのツアーで初来日し『ロミオとジュリエット』に出演した経験があり、日本の印象を「とても美しい国」で「親切な観客」に支えられたと語っています。日本の観客へのメッセージとしては、感謝の意を述べつつ作品の魅力を伝える言葉を残し、スクリーンでの上演を観ることを薦める内容でした。彼女の言葉より:「この作品全体が本当に素晴らしいのでどの場面が一番好き、というのは言えないのですが、素晴らしい体験ができると思います。美しくて、魔法のようで、たくさんのキラキラとした輝きがあり、踊りは美しくてテクニック的にも素晴らしいです」。
物語と制作陣、キャストの詳細
作品の原作はE.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』に基づき、チャイコフスキーの音楽を使用したクラシカルなバレエです。本作ピーター・ライト版のプロダクション・台本はピーター・ライト自らが手掛け、美術はジュリア・トレヴァリン・オーマン、照明デザインはマーク・ヘンダーソンが担当しています。
以下に作品情報、制作陣とキャストを整理します。振付はレフ・イワーノフに基づきピーター・ライト版で、アラビアの踊りの振付改訂はギャリー・エイヴィスが担当。指揮はシャルロット・ポリティ、アソシエイト・コンサートマスターはメリッサ・カーステアズです。
あらすじ(STORY)
ドロッセルマイヤーが作った罠によりねずみを退治したことで、ねずみの女王が復讐として甥ハンス・ピーターをくるみ割り人形の姿に変えてしまう。呪いを解くには、くるみ割り人形がねずみの王様を倒し、外見に関わらず彼を愛してくれる娘が現れることが条件となる。
ドロッセルマイヤーはシュタルバウム家のクリスマス・パーティで娘クララにくるみ割り人形を贈る。夜中にクララは魔法の世界へと導かれ、ネズミの王様との戦いを目撃し、クララの助けで呪いは解かれハンス・ピーターの姿に戻る。クララとハンス・ピーターは雪の王国を経てお菓子の国へ赴き、金平糖の精や王子に出会う。最後は祝宴と現実世界でのささやかな再会で幕を閉じるという筋立てです。
主要制作陣(抜粋)
- 振付
- レフ・イワーノフに基づき ピーター・ライト
- 音楽
- ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
- 原台本
- E.T.Aホフマン「くるみ割り人形とねずみの王様」に基づき マリウス・プティパ
- プロダクション・台本
- ピーター・ライト
- 美術
- ジュリア・トレヴァリン・オーマン
- 照明デザイン
- マーク・ヘンダーソン
- ステージング
- クリストファー・カー、サマンサ・レイン
- アラビアの踊りの振付改訂
- ギャリー・エイヴィス
- シニア・レペティトゥール
- サミラ・サイディ
- レペティトゥール
- ザーン・アティムタエフ、シアン・マーフィー
- 主演指導
- アレクサンダー・アグジャノフ、ダーシー・バッセル、スチュアート・キャシディ、オルガ・エヴレイノフ、イザベル・マキーカン、クリストファー・サウンダース、エドワード・ワトソン、ゼナイダ・ヤノウスキー
- 指揮
- シャルロット・ポリティ
- アソシエイト・コンサートマスター
- メリッサ・カーステアズ
キャスト(主な配役)
以下は上映版に収録されたキャスト表記です。Act IおよびAct IIの出演者を含め、主要な役どころと配役を列挙します。
- 金平糖の精:マヤラ・マグリ
- 王子:リース・クラーク
- ドロッセルマイヤー:ジェームズ・ヘイ
- クララ:マリアンナ・ツェンベンホイ
- ハンス・ピーター/くるみ割り人形:中尾太亮
Act Iの主な役:
- ドロッセルマイヤーの助手:キャスパー・レンチ
- シュタルバウム博士:トーマス・ホワイトヘッド
- シュタルバウム夫人:クリスティーナ・アレスティス
- フリッツ:ミラン・イェップ
- クララのパートナー:五十嵐大地
- 祖母:イザベル・ルーバック
- 祖父:ジェームズ・ラージ
- ダンシング・ミストレス:アネット・ブヴォリ
- キャプテン:テオ・デュブレイユ
- アルルカン:マルコ・マシャーリ
- コロンビーヌ:ミーシャ・ブラッドベリ
- 兵士:ハリソン・リー
- ヴィヴァンディエール:桂千理
- ねずみの王様:フランシスコ・セラノ
Act IIの主な配役とグループ:
- スペインの踊り:イザベル・ルーバック、オリヴィア・フィンドレイ、マディソン・プリッチャード、ジャコモ・ロヴェロ、ジェームズ・ラージ、ブレイク・スミス
- アラビアの踊り:ナディア・ムローヴァ=バーレー、ハリス・ベル
- 中国の踊り:マーティン・ディアス、ハリソン・リー
- ロシアの踊り:フランシスコ・セラノ、ジョシュア・ジュンカー
- 葦笛の踊り:エラ・ニュートン・セヴェルニーニ、ヴィオラ・パンテューソ、アメリア・タウンゼント、ユー・ハン
- ローズ・フェアリー:クレア・カルヴァート
- ローズ・フェアリーのおつき:レオ・ディクソン、テオ・デュブレイユ、アイデン・オブライエン、ジュンヒュク・ジュン
- 花のワルツのリード:ミーシャ・ブラッドベリ、ハンナ・グレンネル、桂千理、シャーロット・トンキンソン
上映スケジュール、作品データ、およびまとめ表
本作の劇場公開期間は2月20日(金)から2月26日(木)までの1週間限定。上映時間は2時間36分で、2025年12月10日に上演されたプロダクションがスクリーンに収録されています。配給は東宝東和、上映の詳細や予告編は公式サイトおよび公式Xで案内されています。
以下の表は本記事で触れた主要情報を整理したものです。上映期間やキャスト、制作スタッフ、公式リンクなどを見やすくまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ピーター・ライト版『くるみ割り人形』(ロイヤル・バレエ) |
| 上映期間 | 2026年2月20日(金)~2月26日(木)(1週間限定) |
| 上映劇場 | TOHOシネマズ 日本橋ほか |
| 上映時間 | 2時間36分 |
| 配給 | 東宝東和株式会社 |
| 公開情報(配信元の発表日) | 東宝東和株式会社 2026年2月22日 13時45分(プレスリリース情報) |
| 主演(クララ) | マリアンナ・ツェンベンホイ(ウクライナ出身、インタビュー時25歳) |
| ハンス・ピーター/くるみ割り人形 | 中尾太亮 |
| 金平糖の精/王子 | 金平糖の精:マヤラ・マグリ、王子:リース・クラーク |
| 主要スタッフ | 振付:レフ・イワーノフに基づきピーター・ライト/音楽:チャイコフスキー/美術:ジュリア・トレヴァリン・オーマン/照明:マーク・ヘンダーソン/指揮:シャルロット・ポリティ 等 |
| 原作 | E.T.A.ホフマン「くるみ割り人形とねずみの王様」 |
| 公式情報 | 公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/ / 公式X:https://x.com/rbocinema |
以上が本作の上映情報と、クララを演じたマリアンナ・ツェンベンホイへのインタビュー及び制作・キャストの詳細です。作品はピーター・ライト版の伝統的な構成とチャイコフスキーの音楽、そしてロイヤル・バレエの振付・演出が融合した舞台であり、スクリーンを通じて観客にその世界観が届けられています。上映スケジュールや会場、予告などの最新情報は公式サイトにて確認してください。