オナラとゲップが多い理由と健康への影響とは
ベストカレンダー編集部
2025年03月28日 22時29分

私たちの体とガスの関係について
日常生活の中で、私たちは食事をする際に空気を飲み込むことがあります。この空気は、食物と一緒に消化管に入ります。通常、飲み込んだ空気は消化管を通過し、最終的には体外に排出されます。この排出の仕方には、主に二つの方法があります。一つは、口からの「げっぷ」として、もう一つは肛門からの「おなら」としてです。
健康な人の場合、実は体内に入ったガスの約90%は腸壁から血液に吸収され、肺を通じて排出されます。そして残りの10%がげっぷやおならとして排出されるのです。しかし、何らかの理由でこのバランスが崩れると、げっぷやおならが異常に多くなったり、逆に出なくなったりすることがあります。
生理現象としてのげっぷとおなら
げっぷやおならは、基本的には生理現象であり、特に異常ではありません。しかし、以下のような場合には注意が必要です。
- げっぷやおならが異常に多くなる
- 全く出なくなる
- 腹部が張る感覚が続く
- 他の消化器症状(腹痛、下痢、便秘など)が伴う
これらの症状が見られる場合は、消化器内科を受診することが推奨されます。
げっぷやおならの原因と関連疾患
げっぷやおならが多くなる原因はいくつかあります。特に、ストレスや生活習慣が大きく影響します。例えば、早食いや炭酸飲料の摂取は、空気を多く飲み込む原因となります。また、ストレスや緊張感が強いと、胃腸の働きが低下し、結果としてガスが発生しやすくなります。
以下は、げっぷやおならに関連する主な疾患です。
- 食道裂孔ヘルニア: 食道の一部が横隔膜を超えて胸部に飛び出すことで、げっぷや逆流性食道炎を引き起こすことがあります。
- 逆流性食道炎: 胃の内容物が食道に逆流し、炎症を引き起こす疾患です。胸やけやげっぷの症状が見られます。
- 機能性ディスペプシア: 胃の運動機能に異常があり、胃もたれや膨満感を引き起こす疾患です。
- 呑気症: 無意識に空気を多く飲み込んでしまう状態で、げっぷやおならが頻繁に出る原因となります。
- 過敏性腸症候群: 腸の機能が乱れ、腹痛や下痢、便秘の症状が見られます。
おならが多くなる病気
おならが頻繁に出る病気には、以下のようなものがあります。
- 機能性便秘: 腸の運動機能が低下し、便が腸内に長時間留まることでガスが発生します。
- 腸閉塞: 腸管が何らかの理由で詰まることにより、ガスが体外に排出されなくなる状態です。
- 大腸がん: 腸閉塞を引き起こす原因となることがあり、早期の受診が必要です。
症状が現れた際の対処法
げっぷやおならが多くなったり、逆に出なくなったりした場合、まずは生活習慣を見直すことが重要です。以下の点に注意してみましょう。
- 食事はゆっくりと、よく噛んで食べることを心がける。
- 炭酸飲料やガスを発生させる食品を控える。
- ストレスを軽減するためのリラックス法を取り入れる。
- 姿勢を正し、猫背にならないよう心がける。
これらの対策を行っても改善が見られない場合や、他の症状が伴う場合には、専門医の診察を受けることをお勧めします。
検査方法について
消化器系の症状が見られる場合、以下の検査が行われることがあります。
- 胃カメラ検査: 食道、胃、十二指腸の状態を観察し、異常がないか確認します。
- 大腸カメラ検査: 大腸の状態を観察し、病変がないか確認します。
- X線検査: 腹部の状態を確認し、腸閉塞の有無を調べます。
これらの検査を通じて、問題の根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。
まとめ
症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
げっぷが多い | 食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、呑気症 | 生活習慣の見直し、ストレス軽減 |
おならが多い | 機能性便秘、過敏性腸症候群 | 食事の改善、専門医の受診 |
おならが出ない | 腸閉塞、大腸がん | 早急な受診が必要 |
げっぷやおならは生理現象であるものの、異常が見られる場合は注意が必要です。自分の体の声をしっかりと聞き、必要に応じて専門医の診察を受けることをお勧めします。健康な生活を送るためにも、日々の生活習慣を見直していきましょう。