一無、二少、三多の日 (記念日 1月23日)
「一無、二少、三多」という言葉をご存知でしょうか。禁煙・少食・少酒・運動・休養・社会参加という6つの行動指針を、わずか6文字に凝縮した健康哲学です。
提唱したのは、東京都港区西新橋に事務局を置く一般社団法人・日本生活習慣病予防協会です。同協会は生活習慣病の予防に関する情報発信を行っており、「一無、二少、三多」を啓発活動の核として位置づけてきました。1月23日はその「一・二・三」の数字に由来しており、2016年(平成28年)に一般社団法人・日本記念日協会によって記念日として認定・登録されました。
「一無」が指すのは「無煙・禁煙」です。たばこの煙は喫煙者本人だけでなく、周囲への受動喫煙リスクをともないます。ゼロにする、という明確な目標が「無」という一文字に込められています。「二少」は「少食・少酒」。飲みすぎ・食べすぎが糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の温床になることは広く知られていますが、「減らす」のではなく「少なくする」という表現が、量の感覚を日常に根づかせる点で秀逸です。
「三多」は最も多面的な指針で、「多動・多休・多接」の三つから成ります。「多動」は体を多く動かすこと、「多休」はしっかり休養すること、そして「多接」は多くの人・物・事に接する生活を意味します。特に「多接」は、身体的な健康だけでなく社会とのつながりや精神的な活力まで視野に入れており、現代における孤立や引きこもりといった問題とも深く関わります。単なる運動奨励にとどまらない広い健康観が込められており、人生の充実そのものを健康の条件として捉えている点が、この言葉のもっとも際立った特徴です。身体と心と社会性を一体として扱う発想は、WHO(世界保健機関)の健康定義にも通じるものがあります。
毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」として、「一無、二少、三多」をテーマにした啓発活動が全国各地で展開されます。講演会や健康相談、メディアを通じたキャンペーンなどが行われており、1月23日の記念日はその取り組みの出発点に位置しています。
生活習慣病は、遺伝や年齢だけで決まるものではなく、日々の行動の積み重ねが大きく影響します。「一無、二少、三多」は特別な知識や器具を必要とせず、今日から実践できる指針です。6文字を覚えるだけで、自分の生活を見直すきっかけになるとしたら、これほどコストパフォーマンスの高い健康法はないかもしれません。
参考リンク: