インクルーシブを考える日 (記念日 1月20日)

インクルーシブを考える日

2006年12月、国連総会は障害者権利条約を採択しました。すべての障害者が他の者と平等に人権および基本的自由を享有することを確保し、促進することを目的としたこの条約は、障害を「個人の問題」としてではなく、社会との関係の中で生じるものとして捉え直す視点を世界に示しました。日本はその後、国内法の整備を進め、2014年(平成26年)1月20日に批准が承認されました。「インクルーシブを考える日」はこの日付に由来しています。

記念日を制定したのは、福岡県福岡市に本社を置く株式会社ゆたかカレッジです。同社は特別支援学校高等部などを卒業した後の学びの場として「カレッジ」を運営しており、障害のある人の学習機会と社会参加を支援しています。この記念日は2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

障害者権利条約が定めるインクルーシブ教育(第24条)は、障害者が一般的な教育制度から排除されないことを求めています。地域の学校で学ぶ権利、必要な「合理的配慮」の提供、教育の場における完全参加が原則として掲げられています。日本では批准に先立ち、2009年に「障がい者制度改革推進会議」が設置され、障害当事者を含む委員による制度設計が進められました。2012年には文部科学省がインクルーシブ教育システムの構築を目指す通知を発出し、通常学級への就学支援や特別支援学校との連携強化が各自治体に求められるようになりました。批准後も国連障害者権利委員会は日本に対して審査を行っており、分離教育の見直しや合理的配慮の実質的な履行を繰り返し求めています。

インクルーシブ(inclusive)とは、「全てを含んだ」「包括的な」「包み込む」を意味する言葉です。インクルーシブ社会とは、障害の有無にかかわらず、あらゆる人が参加できる社会を指します。誰かを例外として扱わず、それぞれの特性に応じた環境を整えることで、誰もが平等に生活できる状態を目指す考え方です。

1月20日は、条約批准という具体的な出来事を起点として、障害者の尊厳と権利について改めて考える機会として位置づけられています。社会制度の整備は条約批准後も継続的な課題であり続けており、法律の文言と実際の生活環境との間にある隔たりを埋める取り組みは、今もさまざまな場面で続いています。