食育の日 (記念日 4月19日、毎月19日)

食育の日

毎月19日が「食育の日」であることを知っている人は多くない。政府が国民運動として定めたこの日は、食を単なる栄養摂取の手段としてではなく、人間形成の根幹として位置づける「食育」という概念を、日常に落とし込むための仕掛けである。

「食育」という言葉は、明治時代の軍医・石塚左玄が著書の中で使ったのが始まりとされる。「体育・徳育・知育」の土台に食育があるという考え方は、当時からあった。それが21世紀に入って改めて脚光を浴びたのは、食の乱れが子どもたちの健康だけでなく、生活習慣や社会性にまで影響を及ぼしているという危機感からだ。孤食・偏食・朝食抜き——こうした問題意識が立法を動かし、2005年6月17日に食育基本法が施行された。

食育基本法は、食育を「生きる上での基本」と定義し、知識だけでなく「食を選択する力」の育成を国と地方自治体、学校、農林漁業者、食品関連事業者、そして国民が一体となって推進することを義務付けた。この法律に基づき策定された第4次食育推進基本計画(2021〜2025年度)では、SDGsの視点を取り入れ、環境への配慮や日本の食文化の継承を柱に据えている。栄養バランスだけでなく、地産地消・食品ロス削減・和食文化の保護まで射程に入れた、幅広い施策が展開されている。

4月19日の「食育の日」は、これとは別に、大阪市北区に本社を置く三基商事株式会社が制定したものだ。同社は1964年創業で、カリフォルニア産プルーンから抽出したエキスを主成分とする栄養補助食品「ミキプルーン」で知られる。日付は「し(4)ょくい(1)く(9)」の語呂合わせで、食を通じた教育を考え実践する機会にしてほしいという思いが込められている。この記念日は一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されている。

「食育」が法律で定められ、記念日まで設けられているのは、それだけ現代の食環境が岐路に立っているからでもある。飽食の時代に「何を・どう食べるか」を自分で判断する力は、かつて家庭や地域が自然に伝えてきたものだ。しかしその伝達経路が細くなった今、意識的に学び直さなければならない時代になっている。19日という日付が毎月巡ってくるたびに、食卓と向き合う問いを立て直す機会にしたい。