「信州・まつもと鍋」の日 (記念日 12月19日、1月19日、2月19日)
すり下ろしたリンゴとポン酢を合わせたたれで食べる鍋——松本にそんなご当地鍋があることをご存知でしょうか。「信州・まつもと鍋」は、松本市・松本大学・JA松本ハイランド・JA松本市の4者が2014年5月に開発をスタートさせ、試作と協議を重ねてレシピ化した地産地消の鍋料理です。鍋の核になるのは「10種類の推奨食材のうち3品以上を使う」というルールで、なかでも主役格が「松本一本ねぎ」。南アルプスを源とる松本平の肥沃な土壌で育ち、白い部分が長くて甘みが強いこのねぎは、鍋に入れる前に焼くのがポイントです。表面を焦がすことで香ばしさが加わり、うまみが凝縮されます。同じく推奨食材には信州ハイランドポーク(SF豚肉)、鶏肉、長芋、ごぼう、人参、しめじ、えのきたけ、白菜、卵が並びます。いずれも松本平と周辺山岳地帯が育む食材ばかりです。
だしは「松本の水」で引いた和風だしです。北アルプスからの伏流水として知られる松本の水は軟水で、素材の風味を素直に引き出します。そこにすり下ろしたリンゴとポン酢を合わせたつけだれが加わることで、長野県が誇るリンゴの甘みと酸味が全体を爽やかにまとめます。シンプルに見えて、地域の産物が幾重にも重なる構造になっています。
記念日の日付は、鍋がおいしい冬の季節である12月・1月・2月のそれぞれ19日。「19」は「食(しょく)」と読む語呂合わせです。2015年11月には日帰り温浴施設「林檎の湯屋・おぶ〜」での提供が始まり、1月の伝統行事「松本あめ市」では試食提供も行われました。制定したのは「おいしい信州ふーど・信州まつもと鍋開発プロジェクトチーム」で、長野県が推進する「おいしい信州ふーど(風土)」事業の一環として位置づけられています。
この記念日には、家族や仲間が松本産の食材を囲んでほしいという願いが込められています。リンゴポン酢という独自のたれは、他の地域では味わいにくい松本ならではの一皿を生み出しています。冬の19日前後に松本を訪れる機会があれば、ぜひ地元の食卓の風景に触れてみてください。