初観音 (年中行事 1月18日)
毎月18日が観音の縁日とされるのには、明確な由来があります。628年3月18日、隅田川で漁をしていた兄弟が網に観世音菩薩の像を引き上げ、その土地の豪族・土師中知が邸宅を寺に改めて安置したとされています。これが浅草寺の始まりとされており、「18日」という縁日の日付はこの故事に由来します。そして1年で最初の縁日にあたる1月18日が「初観音」と呼ばれ、全国各地の観音を本尊とする寺院に多くの参拝者が訪れます。
観世音菩薩は、苦しむ衆生の声を聞き届け、相手に応じて33種類の姿に変身して救済するとされています。京都の蓮華王院、通称「三十三間堂」の名称はまさにこの「33」に由来するもので、堂内には1001体の千手観音立像が安置されています。慈悲の深さから「十一面観音」「千手観音」「馬頭観音」など多彩な姿で各地に祀られ、宗派を超えた信仰を集めてきました。浅草寺では初観音の日に「温座秘法陀羅尼会(おんざひほうだらにえ)」が行われます。168回の秘密修法を昼夜不断で続けるという厳格な法要で、三十三間堂でも同日に「楊枝浄水供結願大法要(やなぎのお加持)」が施され、このお加持を受けると頭痛が治るご利益があると伝わっています。
1月18日はさらに、弘法大師・空海の命日に行われる法要「御影供(みえいく)」とも重なります。観音信仰と弘法大師信仰が同じ日に重なることから、この日の参拝は特別視されてきました。
初午(2月最初の午の日)や初寅(2月最初の寅の日)と同様に、初縁日は新年の節目を告げる年中行事として古くから親しまれています。縁日は単なる参拝の機会にとどまらず、境内に立ち並ぶ露店や市も長年の風物詩となっており、浅草寺の縁日では今も多くの人が訪れます。